池田勇人の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 私の施政に対する根本理念は、施政演説で申し上げましたとおりでございます。人間の形成、そうして民主主義の確立、経済の成長による福祉国家の建設、これが根幹をなすものでございます。しこうして、これを実現して参りますためには、あくまで民主主義の議会制度を守らなければなりません。私が国会の正常化を各党各派にお願いするゆえんのものも、ここにあるのであります。しこうして、国会の正常化のためには、われわれは自由な意見の発表はこれを十分聞かなければなりません。しかし、自由な意見の発表を聞くということは、多数決の原則を破るものではない。私は、民主主義は、その根幹はあくまで多数決でいくべきだということを、ここではっきり申し上げたいと思います。
 なお、外交方針につきましては、すでに申し上げましたごとく、アジアの一員であり、そうして自由国家群の一員として、国連を中心に処理して参りたい。もちろん共産圏との友好関係を阻害することはいたさないのであります。
 また、日中問題につきましての御質問中、社会党の訪中使節団の声明、中共との共同声明につきましては、私は、米国と特別の友好関係にあるわれわれといたしましては、あの声明はまことに遺憾でございます。まことに遺憾であり、かかることは、日ごろ積極中立を唱え、平和を愛好される社会党さんの態度としては、どうも読み切れぬところがあるのであります。(拍手)私は、この点につきまして、国家のため、アジア、世界の平和のために、十分お考え願いたいと思います。
 なお、今回の予算におきまして明年度の経済成長を五・四%と見ております。過去二年、三年、非常に高度成長をいたしておりますので、明年はある程度その速度をゆるめていくことが、将来日本の安定成長、経済の高度成長のために役立つものと考えておるのであります。
 なお、財政規模につきましての御質問でございまするが、私は高度成長を避けて五・四%でいたしましたが、これによって不景気が来ることは、これは避けなければなりません。私は、日本の現状から申しまして、社会資本、いわゆる公共投資が非常におくれていることを考え、また国土保全の点からも、そうして将来の日本を背負っていかなければならぬ青少年の教育、あるいは今の不十分な社会保障制度拡充のためには、そうしてまた将来の景気を維持するためには、この程度の歳出は必要であると考えておるのであります。
 なお、輸出目標につきまして、一四、五%の目標は、世界の大体の輸出の増加が年四、五%のときに一四、五%を見積るのは、非常に多過ぎるじゃないかというお話、ごもっとものようでございまするが、日本の経済成長というものは過去十年間にわたって非常な高度の伸展をいたしておるのであります。およそ各世界の一般の全体の輸出というものは年に三、四%、四、五%しかふえない。過去十年間の実績中、日本の輸出は、多いときには二〇%、一五、六%の例は多いのであります。もちろんそれまで行かぬ年もありますが、総じて日本の輸出は世界の輸出増加率の倍以上平均行っておるのであります。こういう意味から考えまして、努力目標として一四、五%の分はぜひ実現したいと、国民の御協力を得まして実現さすべく努力を重ねていきたいと思います。
 なお、輸入が四十八億ドルでは少し減っているではないか。これは当然のことでございまして、貿易自由化のために相当大規模に機械の輸入が行なわれております。これははだんだん私は減ってくると思います。また、高度成長で相当原材料の輸入も行なわれましたが、適正化すれば大体四十八億ドルくらいで進んでいくのではないかと思います。
 物価の問題につきましては、お説のとおり、お考えを十分実現するよう努力していきたいと考えております。
 それから所得格差の問題は、各方面におきまして起こっておりますので、この解消を実現していくには、今ようやく緒につきつつあるこの効果は、どうしても五、六年、七、八年、十年を待たざるを得ぬと思います。しかし、われわれはできるだけ早く所得格差の解消を実現すべく格段の努力をいたしたいと思います。
 文教問題につきましては、私は施政の根本を、りっぱな人間の形成に第一に置いておる。これでおわかりいただいたと思いますが、やはり国民が民族と国土と文化を愛し、そうして高い人格と良識を持たし、世界の、国際的の信用と尊敬を受けられる人間を形成することが、私は教育の面において国を立てていく根本だと考えておるのであります。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍
  手〕

発言情報

speech_id: 104015254X00619620123_017

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1962-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議