池田勇人の発言 (本会議)
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○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
核実験即時停止の問題につきまして、私が漫然として待っておる——これは私はそうでないと考えております。東南アジアを旅行いたしましても、また国連におきましても、核兵器の唯一の被爆国として、常に私は機会あるごとにこれを言っておるのであります。ただ、われわれが核兵器を持っている国に強圧することができないということだけであります。気持としては、できるだけの努力を払ってやっておるのであります。
なお、中国代表権問題につきましていろいろ御意見がございましたが、われわれが米国の外交政策に追随している、こういうお話でございましたが、これはもう少し御検討を願いたいと思います。われわれは独自の考えで、そして、今までのたな上げ案をやめて、重要問題として審議するよう、一歩前進したと考えておるのであります。
なお、韓国問題につきましては、大体われわれの考えと同じであることを私は喜ぶものであります。この問題につきましては、拙速でなしに、慎重に、自信を持って進めていく考えであるのであります。
また、米国との関係におきまして、ICAとかAIDの問題につきまして、いろいろ御意見もあるようであります。われわれは、米国との経済貿易関係につきましては、常に機会あるごとに、また機会を作って、話し合いを進めていっておるのであります。
なお、ガリオアの返還金の使用問題につきましては、米国の国内立法を条件といたしまして、東南アジアの、低開発国の開発にこれを向けるよう話し合いを続けて、大体私は了解を得ておるものと心得ておるのであります。
次に、経済問題でございますが、日本のような高度成長の過程におきましては、いろいろな不均衡が起こることは、これは経済のあれとしてやむを得ないことであります。私は今の不均衡は国民の努力とともにこれを克服し得る自信を持っておるのであります。高度成長下におきまして、不均衡の一現象が起こったからといって、私が責めを負うてやめることは、ほんとうの民主主義ではないと私は考えております。あくまで私は責任をもってこの事態を収拾して、もっと高度な、りっぱな、よりよい日本の経済を作り上げることに自信を持っておるのであります。
なお、今回の予算案が非常に刺激的だとおっしゃいますが、私は予算と景気の問題につきましては、今ここで長い時間をとりたくないと思います。これは施政演説で、はっきり申し上げている引き締めなければならぬけれども、将来の日本の経済の発展を考えて、この程度の予算規模が適当であるということを申し上げておるのであります。
なお、輸出政策につきましては、あらゆる手段を講じまして、四十七億ドルの輸出実現を完成すべく努力を続けていきたいと思います。
中小企業政策につきましては、いろいろ御議論もありまするが、従来、わが党でやっておった中小企業政策を十分に御検討願えれば、昔より違って、よほど進んでおると思います。来年度の予算におきましては、特にそれが現われておるのであります。なお、中小企業基本法の制定につきましては、ただいま関係大臣に督励をいたしております。
食管制度の問題につきましては、いろいろ議論がありまするが、私は、今の食管制度の根本観念、すなわち農民がお作りになりましたものは、その意思によって無制限に政府は買います。そうして国民のほうには一定の価格で配給いたします。この根本原理は変える考え方はございません。ただ、時代の進運に伴いまして、私は国民大多数の好む方向に研究を続けていくことが政治の進歩であると考えております。
消費者物価の安定につきましては、先ほど来、企画庁長官が答えられたとおりでございます。われわれは卸売物価の下降は予定しております。消費者物価につきましては、いろいろな方策を講じまして、くぎづけするというわけには参りませんが、適当な措置を講じ、そして生活水準の向上に支障のないように努力していきたいと思います。
また、労務者の賃上げを政府がストップするという指令を出したことはないのであります。ただ、経済のこういう不均衡調整のときにおきましては、労賃の引き上げにつきましては、できるだけ慎重にやっていただきたい、こういうことを念願しておるのでございます。
また生活保護費の上昇が非常に少なかったとおっしゃいまするが、昨年、当初予算で一八%、補正予算で五%、そして今回また一三%上げたのでございまして、これは物価の上昇以上に上げております。ただ基本的に生活保護費が今のままで十分かという問題につきましては、これはまだまだ十分ではないと申し上げまするが、物価の問題と引き上げの率の問題につきましては、私はあなたの説には賛成できません。
経済の成長につきましては、先ほど来申し上げますように、私は国民の協力を得て、そうして十年以内に所得倍増は実現し得る確信があります。これは過去の実績をごらん下さればおわかりと思います。そうして、国民はこれを熱望しているのであります。政治家としては、この国民の熱望に対しまして、全力をあげて実現することが私の任務と思います。
いろいろな問題で、われわれと対決なさることは、けっこうであります。あえて私は逃ぐるものではございません。どうぞ督励を願います。(拍手)
〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕