小林武治の発言 (本会議)

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○小林武治君 ただいま議題となりました両法律案について、委員会の審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、公職選挙法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、選挙制度審議会の答申の趣旨に基づき、公職選挙法と、これに関連のある部分についての政治資金規正法の改正を行なおうとするものであります。改正の内容は、まず公職選挙法について、
 (一)選挙運動の制限をでき得る限り緩和することとし、ポスターの枚数の増加等、選挙運動期間中における言論、文書による選挙運動のワクを広げるとともに、国会議員の選挙について、選挙期日の告示前においても選挙運動のための演説会を認める。
 (二)選挙運動を、現在の個人本位の建前から政党本位の方向に移行するため、政党その他の政治団体においても所属候補者のための選挙運動ができる道を開くとともに、その政治活動の制限を緩和し、これに伴って確認団体の制度の合理化をはかるとともに、確認団体に所属しない候補者に対して、推薦団体による選挙運動を認める。
 (三)選挙公営の拡充強化と合理化のため、公営のポスター掲示場の新設、はがきの枚数及び新聞広告の回数の増加等の措置を講ずる。
 (四)選挙違反に対する制裁を強化して、いわゆる連座制について、連座の対象を拡大し、連座による当選無効訴訟は検察官が提起すべきものとするとともに、選挙犯罪による公民権の停止を強化し、罪の短期時効を廃止する。
 (五)公務員の地位利用による選挙運動及びその類似行為を禁止するとともに、公務員が国の選挙において当選人となった場合、その公務員と職務上関係のあった者が、直接間接の指示要請を受けて選挙運動を行ない、一定の選挙犯罪により刑に処せられたときは、その当選を無効とする。
 丙選挙に関する寄付等の規制を強化して、国または地方公共団体から補助金、出資金等を受けている会社その他の法人の選挙に関して行なう寄付を禁止する。
 (七)参議院議員選挙の期日は、少なくとも二十三日前に公示しなければならないものとする。
 等を骨子とするほか、政治資金規正法について、前述の公職選挙法の改正に見合って、政党その他の政治団体は、国または地方公共団体から補助、金、出資金等を受けている会社その他の法人から、選挙に関し、寄付を受けてはならないものとする等を要点とするものであります。
 以上の政府原案に対し、衆議院において、
 (一)立候補届出前の演説会の特例規定を削り、個人演説についての規定は現行どおりとし、
 (二)選挙運動のために使用する事務員で、候補者があらかじめ選挙管理委員会に届け出た者について、一定人数に限り、一定額の範囲内において、報酬を支給することができるものとし、
 (三)後援団体に関する寄付等の禁止について、原案の「選挙に関し」を改めて、当該選挙ごとに一定期間内は禁止するものとし、
 (四)連座の対象となるいわゆる地域主宰者については、選挙区の三分の一以上の地域に聴ける選挙運動を主宰した者に限るものとする等の修正が加えられたのであります。
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 次に、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げますと、本法案は、今回の公職選挙法の改正、最近における公務員の給与改定等に伴い、現行法に所要の改正を加え、もって実情に即した執行経費の基準を確保して、選挙の執行に万全を期するというものであります。この政府原案に対し、衆議院において、公職選挙法改正案の修正に伴い、個人演説会立札費に関する規定を現行どおりとする修正が加えられた次第であります。
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 地方行政委員会におきましては、安井自治大臣から提案理由の、また、高橋衆議院議員から修正趣旨の、それぞれ説明を聞いた後、参考人の意見を聞き、また、特に三回にわたり池田総理大臣の出席を求めて、総理、自治、法務の各大臣、その他政府及び衆議院側との間に、選挙制度審議会の今後のあり方について政府の所見いかん、政治献金と選挙に関する献金との区別いかん、選挙運動の事務員に対し報酬の支給を認める修正案は買収等の隠れみのになるおそれがないか、後援団体に関する寄付等の禁止規定の修正は、せっかくの規制を有名無実化するものではないか、その他多くの問題について質疑応答を重ねる等、慎重審議を行ないましたが、その各段階において、多くの委員から、本案のごとき重要法案の審議にあたって、本院に与えられた審議期間がきわめて短く、関係者一同の熱心と努力とにかかわらず、十分の審議を尽くすだけの時間的余裕に乏しかったことは、二院制度の本義に照らし、まことに遺憾である旨の発言が強かったことを、この際特に申し添えておきます。
 かくて委員会におきましては、限られた期間の制約の中で、終始熱心かつ慎重に審査を行ないましたが、詳細は会議録によってごらんを願います。
 五月六日質疑を終局し、討論に入りましたところ、増原委員は自由民主党を代表して、両法案に賛成の旨を述べられ、なお、自由民主党及び参議院同志会の共同提案にかかる公職選挙法改正案に対する附帯決議案を提出されました。すなわち、
   附帯決議案
   政府は、選挙が民主政治の基盤であり、公職選挙法はその基本法であることにかんがみ、今後、更に改正を行なうこととし、その改正に当たつては、特に左の諸点に留意すべきである。
 一、世論の動向を明察して厳正なる態度を持つて臨むこと。
 一、選挙区制の改正特に衆議院議員の選挙区別定数の不均衡是正については急速に措置すること。
 右決議する。
というものであります。
 秋山委員は日本社会党を代表して、両法案に反対の旨を述べられ、反対の理由として、改正案の立法経過、また、修正案等において、審議会答申の趣旨に反する改悪が行なわれ、その他納得できない点が多い旨を指摘され、なお、附帯決議案はその不徹底の点において賛成できない旨を述べられました。
 基委員は、民主社会党を代表して、両法案に反対の旨を述べられ、反対の理由として、修正によって政府原案よりもさらに改悪された点等をあげられ、附帯決議案にも反対の旨を述べられました。
 中尾委員は、いわゆる「ざる」法たるを免れない両法案に反対、また、附帯決議案にも反対の旨を述べられました。
 杉山委員は、参議院同志会を代表して、岡法案は現行法よりも数歩前進するものである点を認めて、両法案に賛成の旨を述べられました。
 かくて両法案について採決の結果、両法案いずれも多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、増原君提出の附帯決議案について採決の結果、多数をもって、これを委員会の決議とすることに決定した次第であります。右の附帯決議に対し、安井自治、植木法務の各大臣より、決議の趣旨に従って善処したい旨を述べられました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 104015254X02219620507_004

発言者: 小林武治

speaker_id: 7616

日付: 1962-05-07

院: 参議院

会議名: 本会議