灘尾弘吉の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(灘尾弘吉君) 制限診療の撤廃の問題でございますが、この制限診療ということにつきまして私は二つの場合があるのじゃないかと思いますが、一つは、たとえば健康保険で、いわゆる十割給付をやる、こういう建前になっております保険におけるいわゆる制限診療の問題、それからいま一つは国民健康保険で見るがごとく、いわゆる十割給付でない、また、その給付の内容につきましても、たとえば往診を制限するとか、あるいは歯科のほうを制限するとかいうようなことをやっておるところがあるわけです。この二つの場合についてお答えを申し上げたいと思うのです。
まず一般的に申しまして、国民皆医療保険ということを考えます以上、国民全般が必要とする医療を受け得るような状態になければならぬ。これは当然のことだと思うのでございます。われわれといたしましても、その目標のもとに努力をいたしておるところでございますが、いわゆる十割給付をやります健康保険におきましても、現物給付を建前といたしておるのであります。現物給付を建前といたします以上、どうしてもそこに何らかの規格と申しますか、基準というものがなければならないかと存ずるのであります。無制限な自由診療というわけには参るまいと思うのでございます。それにいたしましても、考え方としましては、進んだ医療、進んだ技術というものを積極的に取り入れまして、できるだけいい医療を給付するということを心がけていかなければならぬと思うのでございますが、そういう考えを持っておりましても、現実にはどうしてもズレが生じてくるわけであります。そのズレにつきまして、これは制限診療であるというふうに言われておる点があるわけでありますが、こういう問題につきましては、漸次解消して参りたい。建前といたしましては、新しい医学、新しい技術というものを保障のうちに進んで取り入れるという考え方に立って進みたいと思っておるわけでございます。それから国民健康保険の場合には、これはもう相馬さん御承知のように、一般の健康保険等に比べてみますと、給付内容においてかなり劣っているところがあるわけであります。今申しましたように、ある種の制限を行なっておる保険者も少なからずあるわけでありますが、これにつきましては、私ども指導でもって漸次その制限撤廃に向かって進むようにいたしておるわけでございます。今度の予算が御賛成を得まするならば、また、この機会にさような制限の撤廃に向かって積極的に指導をいたしたいと存じておるような次第でございます。なお、国民健康保険につきましては、いろいろ御心配をおかけいたしておるわけでございます。給付内容等の改善充実ということが今後の大きな課題でございまして、それにいたしましても財政基盤があまりにも薄弱であるというようなことから、今回医療給付率に対する五分の引き上げをこの前いたしまして、いわゆる調整金等を合わせますというと、三割程度の国が援助をすることにもなっておるわけでございますので、この段階におきまして、私どもはさらに腰を据えまして、今後の国民健康保険の財政をいかにするかという問題について掘り下げた検討をいたしまして、財政基盤の強化について一段と努力をいたしたいと思う次第でございます。