予算委員会

1962-03-30 参議院 全159発言

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会議録情報#0
昭和三十七年三月三十日(金曜日)
   午後二時三十八分開会
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  委員の異動
本日委員小林英三君、野本品吉君、安
田敏雄君及び柏原ヤス君辞任につき、
その補欠として谷村貞治君、鹿島俊雄
君、小柳勇君及び石田次男君を議長に
おいて指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     湯澤三千男君
   理事
           川上 為治君
           鈴木 恭一君
           米田 正文君
           田上 松衞君
           千田  正君
           加賀山之雄君
   委員
           植垣弥一郎君
           小沢久太郎君
           太田 正孝君
           大谷 贇雄君
           鹿島 俊雄君
           金丸 冨夫君
           上林 忠次君
           古池 信三君
           小柳 牧衞君
           櫻井 志郎君
           下村  定君
           杉原 荒太君
           田中 啓一君
           館  哲二君
           一松 定吉君
           村山 道雄君
           谷村 貞治君
           山本  杉君
           横山 フク君
           相馬 助治君
           田畑 金光君
           石田 次男君
           市川 房枝君
           大谷 瑩潤君
           岩間 正男君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
   厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
   農 林 大 臣 河野 一郎君
   通商産業大臣  佐藤 榮作君
   国 務 大 臣 川島正次郎君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   法制局第一部長 山内 一夫君
   総理府特別地域
   連絡局長    大竹 民陟君
   外務省欧亜局長 法眼 晋作君
   外務省条約局長 中川  融君
   大蔵省主計局長 石野 信一君
   大蔵省理財局長 宮川新一郎君
   文部政務次官  長谷川 峻君
   文部省初等中等
   教育局長    福田  繁君
   文部省管理局長 杉江  清君
   厚生省環境衛生
   局長      五十嵐義明君
   厚生省保険局長 高田 浩運君
   農林大臣官房長 昌谷  孝君
   水産庁長官   伊東 正義君
   通商産業省軽工
   業局長     倉八  正君
   通商産業省鉱山
   局長      川出 千速君
   中小企業庁長官 大堀  弘君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十七年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十七年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十七年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
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湯澤三千男#1
○委員長(湯澤三千男君) これより予算委員会を開会いたします。
 委員の変更について報告いたします。
 本日、柏原ヤス君及び安田敏雄君が辞任せられ、その補欠として石田次男君及び小柳勇君が選任せられました。
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湯澤三千男#2
○委員長(湯澤三千男君) 昭和三十七年度一般会計予算、昭和三十七年度特別会計予算、昭和三十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き質疑を行ないます。相馬助治君。
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相馬助治#3
○相馬助治君 この際、私は池田内閣総理大臣並びに荒木文部大臣に対して以下の質問をいたします。
 まず第一に、学校給食の問題についてでございまするが、従来ややもすれば、この学校給食の問題はごく小さな区々たる問題として、予算編成の中においても重大なポイントを占めたことはなかったように思います。しかし、この問題に熱意を持つかどうかということが、そのときの内閣の基本的な性格を知る意味においても重大な内容を持つものであると私は考えます。義務教育諸学校の完全給食を実施して、児童生徒の栄養を確保し、国民体位の向上をはかるということは、この際何にも増して必要であると、かように存ずるのでございまするが、現在学校給食の問題がどのような状態に置かれ、しこうして、荒木文部大臣は、この問題に対して将来どのような方途をもってこれを発展せしめんとするのであるか。この際、担当大臣としての御所見を承っておきたいと思います。
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荒木萬壽夫#4
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。昨年の夏、給食制度調査会の答申を出していただきました。その答申の線に沿って今後充実して参りたいと存じております。答申の要旨は、御案内のとおり小、中学校の完全給食を目ざしまして、給食費につきましては、食費そのものにつきましては国庫費で半分、保護者負担が半分という考え方で、その他の施設設備費、人件費等は現行法律の趣旨に従いまして国庫費で持つ、そういう考え方で小学校五年、中学校十年の見当でもって完全給食をしたらどうだという答申でございますから、その線に沿って逐次充実して参りたいと存じております。
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相馬助治#5
○相馬助治君 現在の学校給食は、学校給食法によって進められておりますが、率直に申しまして、その責任体制が明確化していないと思うのです。これは現行法の不備に基づくものでございますか、それとも運営の点において遺憾な点があるというふうにお考えでございますか。具体的な例をあげて私が聞きたい焦点を説明いたしておきますと、たとえば、給食用の物資購入に関する仕事、これも現行制度ではだれがどのような責任において購入関係の最終的な責任に任ずるかということが明瞭を欠いております。したがいまして、年間約四百億といわれるところの関係の諸会計が全く私会計的に各学校において思いのままに処理されておりまするし、かつ各府県にありまする給食会等についても、その運営の実態はまことに区々たるものでありますが、この点について担当大臣いかような所見をお持ちですか。
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荒木萬壽夫#6
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御案内のとおり、学校給食法に基づいて給食が行なわれつつありますが、責任の点が明確でないという仰せは私もいささかそのきらいありと考えております。全国的な立場に立ちましては、特殊法人としての日本学校給食会が担当いたしておりますが、末端に参りますると、都道府県の給食会が公益法人として担当はいたしておりますものの、その相互の関係が有機的な立場において責任の分界点が明確でないというきらいがあろうかと思います。現行法そのものも、むしろ終戦直後食糧が足りないという立場に立って学童の健康状態が憂えられて立法せられた経緯等にかんがみまして、ぼつぼつ学校給食法それ自体を、給食の問題についても先ほど申し上げました制度調査会の答申の線に沿った法律改正の検討をすべき課題ではなかろうかと、かように思っておる次第でございます。そういう意味合いにおいて今後の改善を立法的にも考慮して参りたいと存じております。
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相馬助治#7
○相馬助治君 学校給食の問題が、逐年改善の方向に向いている事実は私も認めます。ただ、その速度がきわめておそいということを指摘し、同時に早急に解決されなければならない不備が法制的にも、その運用の面においても、国がこれに対する基本的な見解の点においても問題があるということを私は指摘しておるのです。実態をごらんになるとおわかりでございまするが、給食費の徴収の問題についても、施設設備の整備等の問題についても、実質的にはPTAの責任で最終的に解決されておるのでありまして、これはきわめて問題であるとしなければなりません。しかも、いまだに栄養士を設置していない学校が多いのであって、食事内容の改善の点についても、しさいにこれを調べれば不備だらけであるということも指摘できると思うのです。もっとも、熱意を持って非常な成績を上げている実例のあることをも知っておりますが、一般的に見れば、きわめて問題であると指摘しなければなりません。したがって、施設の設備費、それから準要保護児童、生徒に対する給食の問題、都道府県の給食会の業務費の問題、それから給食関係従業員の問題等について、政府はこの際より公費負担を増額し、父兄負担の軽減をはかる方向に出なければならないと存じまするが、本年度の予算編成の中において、文部大臣はどのような態度をとられたか。そして目途とするところがかりに達せられなかったとするならば、それはどのような政治的抵抗の中において問題が解決されなかったか。これらについてひとつ忌憚なき御意見を承っておきたいと思います。
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荒木萬壽夫#8
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御案内のとおり、百グラム一円の補助を出しておったわけでございまするが、それが幾分減りました。減りましたのは一食百グラムというパンの量目を八十五グラムという立て方で、副食物でカロリーを補うという考え方のほうがより合理的だという線に立って、同時に副食物のほうの問題としましては、牛乳を飲ませるということで補う考え方に立って予算措置をしたいと思ったわけでございますが、努力足らずして、その副食物のほうは成立を見ませんでございました。ただし、まあそれにかわるものではございませんけれども、金額的には、定時制の高等学校生徒に対しまして、ミルクのほかにパンを支給するということで、全体としては補いはついておりますものの、小中学校それ自体としては、ある程度欠陥が生じておるということは言えないことはございません。これは遺憾に思っております。今後の努力によって給食そのものを食糧不足からくる余儀ない飢えをしのぐためという角度から、児童生徒の体位を向上せしめ、あるいは心身ともに教育的効果を上げるという角度からとらえまして、先ほどもお答え申し上げましたように、また御指摘もありましたように、制度そのものも検討いたしましようし、また運営につきましても、至らぬところは改善をしていく、こういう考え方で臨みたいと思います。なお施設設備につきましては、現年度よりは来年度はいささか増額を見ております。合計しまして十三億円見当かと心得ますが、前年度よりも約四億円の増加はいたしております。それでもむろん十分といえないことは申し上げるまでもございません。いずれにしましても総合的な判断のもとに、改善すべき幾多の点があることを承知いたしておりますので、今後努力に待ちたいと思っております。
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相馬助治#9
○相馬助治君 今文部大臣の説明にもあったように、働きながら学んでいる勤労青年の定時制の学校に関しては、パンと牛乳とを今度進んで与えるということは、現内閣がやったこの種の仕事の中では一つの私はヒットであろうと思います。それには十分敬意を表します。ところが、肝心の学校給食の問題の予算に至っては、文部大臣の今度とった態度というものは、結果的にまことに私は情ないと思うのです。一昨年の予算折衝のときから問題になっていたのだそうであって、実は昨年度の暮ごろから、十月ごろから一食一円補助の予算は昭和三十六年度限りで打ち切るのだというような大蔵省の強い要望がなされて、全国の関係者が陳情を大蔵大臣、文部大臣のところに寄せられたのであって、それは御承知のとおりであります。したがって、この一食一円の補助を全額削るということになれば、私は、これは実に重大問題であると注意をしておりましたが、さすがにそうはしなかったのですが、今お話のように、文部省としては食糧改善、栄養的な立場から、主食の量を減らして、その分だけ副食の内容を充実させる方針をとって、そのためにミルク代の国庫補助として十六億四千万円を要求いたして、大蔵省と交渉があったことはわれわれも承知をいたしております。ところが、何たることですか、いろいろ議論したあげくの果てには、文部省が百グラムを八十五グラムに減らして、その分だけ金のかからなくなったということだけが大蔵省から採用になって、そして副食のほうでバランスをとるんだといって、十六億四千万のミルク代のほうは一銭も出ない。さんざん交渉して、結果としてはパンが百グラムから八十五グラムになり下がったということで、まるでこれでは話にならないと思うのです。そして、このこと自体が非常に私は大きな意味を持っていると思うのですが、このことについて、あなたはどういうふうに考えていらっしゃるか。私は、文部省が要求した脱脂粉乳補助の予算を一銭も取れなかったということは、全くあなたの責任であり、それが取れなかったなら、なぜ百グラムのパンを八十五グラムに減らす必要があったのか。百グラムだ、八十五グラムだと、ずいぶん小さい問題のように思うでしょうけれども、この問題は、私は実に重大な政治的な意味を持っていると思うのです。文部大臣の御所見はいかがですか。
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荒木萬壽夫#10
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。私もまずいと思っております。百グラムを八十五グラムにして、含水炭素としてはそれで合理的だ、ただし全体のカロリーとしては、他の副食物によって補う総合計算において合理的になるという建前のものを要求したわけでございますが、八十五グラムだけでは合理的じゃないのです。パンで十五グラム減りました。そして副食のほうはお預けになったという状態は、はなはだ残念に思っております。ただし、そのことが、その分量だけ父兄負担になるおそれを感じまして、その意味で政治的にも重大であり、おしかりを受ける意味があろうかと重々存じておるのであります。捲土重来を期するほかにこれは措置のしようがないと思って、がんばりたいと思っております。
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相馬助治#11
○相馬助治君 私は、これは笑いごとでなく、実感を込めて申し上げているのです。私は貧しい農家の育ちですから、みそ汁とつけもので青年時代まで過ごしてきました。そのときに、この食べものの状態は悪いから、今度は肉を食わせるから、今まで米の飯三ばい食っていたのを二はいにしろと、こう言った。それで肉を食わせてもらえると思って、米の飯二はい食ってやめていたところが、依然として副食物は前と同じようにみそ汁とつけものであった。それなら何をか言わんやであって、飯を三ばい食っていたほうがよかったわけです。例はまあまずいかどうかしりませんけれども、これは非常に重大だと思うのです。荒木文相が申したように、これは全くまずかった、一食一円補助が十分とれなかったことは全くまずかったとおっしゃっている。大蔵大臣にすれば、全額やめるつもりだったものをこれだけでも出したのだから、大できだとおっしゃるのかどうかしりませんけれども、ひとつ大蔵大臣の御見解をこの際聞かして下さい。
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水田三喜男#12
○国務大臣(水田三喜男君) 百グラムについて一円の補助は、これは最後は食糧管理特別会計へ繰り入れるものでございますので、昨年と変わりまして、さっきお話がありましたように、八十五グラムになりましたから、その計算で食管会計に補助として繰り入れればよろしいものでありますから、その金額は自然に減っているということでございます。それからもう一つは一方今、文部大臣からもお話がございましたが、御承知のようにそれにかわるミルクの問題も問題になっておりましたが、これはミルクの今の需給の関係で最初から全部の児童にミルクをどうするという予定が立ちませんので、これは農林省のほうの予算の助成費の中で事情に応じてやれる道を開いてあって、この全部を、これをやるということにはなっておりませんが、ここで減った分、百グラムに対しての補助の減った分は今回の場合はできるだけこれは準要保護児童の給食費を増して、そうして人数をふやしていく、こういう方向に使うことがいいだろうというようなことで、学校給食の施設の補助とか、あるいはその児童の数をふやし補助を多くするというような、単価増に充てるというような方向に予算を使っておりますので、このためにそれだけ国の負担が減った分を減らしたままにするというような措置はとっておりません。
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相馬助治#13
○相馬助治君 この際内閣総理大臣に御所見を承りますが、今大蔵大臣が申されたことでも明瞭でありますように、大蔵省としては、これを農林省の所管に待つところの特別会計予算としての観点からこの予算というものを措置してきているようです。今度の予算書を見ましても、文部省の予算の説明を見ると、小麦粉補助は父兄負担の軽減だと書いてあるのです。同じその金を受け入れる農林省のほうを見ますと、食生活改善のためだと説明してあるのです。私はこれはどっちもほんとうだと思うのです。しかし一方で父兄負担の軽減、一方で食生活の改善、こういう状態、それから牛乳の問題でもなま牛乳を子供に飲ませるか飲ませないかのところに実は中心がなくて、農林省の酪農対策から、なま牛乳がたくさん出るところではひとつ牛乳を飲ませてやろうじゃないかというて、学校給食の面から見れば考え方がさか立ちをしておる、こういうふうなところに問題がある。それから一食一円の補助でもこれは零細補助なんだ、だから裕福な家庭には必要ないのだ、こういう考え方も政府にあるやに考えております。学校給食の問題は、体質改善の問題とそれから食生活改善の問題とあわせて、学校の教師をやった私などの経験からいたしますと、これを機会として、訓練の場としての重大な教育的意義を持っていると思うのです。したがいまして、池田内閣総理大臣は学校給食の現在をどのように把握し、将来あなたはどのような方向へこれを進めんとされるか、御見解あらば承っておきたいと思います。
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池田勇人#14
○国務大臣(池田勇人君) 学校給食は十年になりますが、前から私もいろいろ問題にぶつかっておったのでございます。しかし、今相馬委員のおっしゃるように、この問題は話題にはなりますけれども、ほんとうに真剣にどうしたらいいかというところまで突っ込んで研究する場合がなかったのであります。したがって、先ほど文部大臣がお答えしたように、委員会を設けまして今後の方針をきめたわけであります。これからというところでございます。そこで今までのお話でいえば、全国的にしさいにずっと見れば、支離滅裂とまではいきませんけれども、種々雑多で、よくいっているところも、あまりよくいっていないところも、いろいろな点がございます。これを再スタートしようという気持が、私は文部省にも大蔵省にもあると思うのであります。今後の問題は、やはりまず学校給食といたしましては、その給食設備の改善普及が第一だと思います。そうして次には、何と申しますか、要保護児童への救済の増加ということがあります。こういう問題を推進していって、何年でありますか、小学校五年、中学校は十年という計画、その計画の線に沿って拡大していかなければならぬと私も考えておるのでございます。ちょうど今年の予算が端境期の状況じゃないかと思います。新しいほうに進んでいっておる点もあります。また今までのパンのほうの補給金は切りかえよう、切りかえが十分いかなかったことは、ほかの施設とか、要保護児童のほうとか、あるいは夜間の定時制の学校のほうにお金を取られたということで万全でなかった点は私は認めざるを得ません。しかし、新しいスタートを切ったということは私は言い得ると思うのであります。したがいまして、今お話しの国民の体育の問題、食生活の問題、そうして最も重要な共同でいろいろなことをやっていくというその教育上の問題等々から考えまして、今後この点には一そう力を入れていきたいと考えております。
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相馬助治#15
○相馬助治君 現在のまずい点を率直に認められた答弁で、そのこと自身はよく了解をいたします。ただ学校給食に関する国の財政負担があまりに少な過ぎるということは私の不満とするところですから、今後の積極的な改善をこの際内閣総理大臣、文部大臣にお願いをしておきます。
 次に、私は私学の問題について、特に父兄負担の問題を中心にして文部大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、私学と一口に申しましても、幼稚園から大学まであります。私は議論の都合上、この際大学に限って大臣にものを尋ねます。私立大学というのは、学校数においても、学生数から見ても、日本のこの種のものの総数の三分の二を占めております。大学教育の上にきわめて重要な存在であり、私学の犠牲において日本の教育もここまで進んできたという批評をしてもよい面もあろうと思うのです。ところが最近かなり改善の方向に向いているとはいうものの、制度的、財政的にあまりにも私立大学が恵まれないものですから、その政府の私立大学冷遇の政策によって私学が財政的に困難な立場に追い込まれ、直ちにこれがはね返って父兄負担となっている面が多いのです。入学試験のこの時期において、いろいろな父兄の嘆きを大臣も耳にしていらっしゃると思いますが、この私立大学入学に関する寄付金の問題について現実をどのように把握していらっしゃるか、それをどのように批判し、どのように、これを問題があるとすれば救済せんとするものであるか、御所見を承っておきたいと思います。
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荒木萬壽夫#16
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えを申し上げます。具体的に当面の入学に際しての父兄負担が多いというお話を中心にお尋ねがございましたが、そのことにお答えいたします前に、国立の学校があり、公立学校があり、私立学校がある。私立学校は私立学校法に基づいて国の立場あるいは私学のあり方等を定めておると承知いたしますが、私学は私立学校法にも言っておりますように、その自主性を認めておる。独自の境地を開拓するところに特色がある。そうしてまた教育という公共性の高い使命を持っておる。そういう心がまえで私学が円満に正常に運営されねばならないことを要求しておりますが、そこで、その特色を持っておる私学に対する国の助成といいますか、協力の限度がどういうものであろうかということについては、必ずしも明確な線がないと思いますが、少なくとも今日までのものの考え方は、私学がもし国からの財政的援助というものを受けるとするならば、私立学校法に言うところの自主性に影響をもたらすであろう、したがって、そのことにはおのずから限界があらねばならないという考え方に立ちまして、御案内のごとく、私学振興会という特殊法人を通じまして、長期低利の資金を融通するということを基本的な建前として国家的立場の協力をいたしきたっておると思います。ただ特に科学技術教育に、理工系の教育に設備費がかかる。これは私学だけでは当面の技術革新の国家的、民族的要請にこたえ得ないという角度からだと存じますが、何がしかの助成金をそういう面には出しておる。言いかえれば、経常費の一部を支弁する意味合いにおいての国の助成が行なわれておる。そういうやり方でもって今日まで来ておると思います。しかし、私学経営の財政面かいいまするならば、それはりょうりょうたるものであろうと思います、その効果は。そこに悩みがあるというのが現状だと把握するわけでございます。それで、もっともっと自主性を尊重し、しかも公共性を伸ばしていくという私学のあり方に対しましては、経費の問題だけをとらえてみますならば、基本的にはやはりあくまでも民間の浄財を集めて、それをベースにして私学が経営していく、それにプラス長期低利の国のあっせんによる融資によって経営をしていくということが基本線であろうと存じます。経常費の支弁は、授業料もしくは私学の財団それ自体の経常収入と合わせて維持せらるべきものという建前がほんとうの姿ではないかと私は思うのであります。ところで、そういたしましても、私学振興会を通じての長期低利の融資は必ずしも十分でない、むしろ少な過ぎるという実情にあろと思います。同時にまた、民間の浄財を当てにするにいたしましても、これまた外国に比べてきわめて貧弱である。もっとも法人の指定寄付ないしは個人の寄付等について税制上の優遇措置が講ぜられましたことは御同慶に存じておりますが、これも分量的に申せば多くを期待できない。将来この窓口がもっと広くなることが期待されるわけであります。さらに外国の話等を聞きますると、個人の贈与にいたしましても、相続財産を、極端に申せば、ごっそり私学に寄付するという道も開かれておるやに伝え聞いておるのでありますが、そういうふうな道もさらに開けるような努力をすべき余地が国としてあるのではなかろうか。それは冒頭に申し上げました私学の本来のあり方を認めるといたしましても、国として協力すべき一つの方法ではなかろうか。そういうことを積み重ねることによって私学の公共性に対し国の立場から、また全国民的立場から協力を惜しむべきではない、かような考え方でおるわけであります。
 そこで、今御指摘の入学金が高い、入学に際して寄付金が要請される等の問題が登場してくるわけでございますが、きわめて冷酷むざんに申し上げれば、先ほど来申し上げる基本線に立つ限り、いたし方のないことだというふうに言えないことはないと思います。だから、それでよろしいとはむろん思いませんが、好ましくない今の状態を改善しますためには、先刻来申し上げるやり方をもっと急速度に充実するやり方で矯正していくべき問題ではなかろうか。いかに私学が苦しいからといって、国民の血税を直接、維持費を、経常費を支弁するために提供するということにはおのずから限度があって、そののりを越えるべきじゃないんじゃなかろうか。こえることは、かりに大蔵大臣が承知してもらえば容易であると仮定しましても、そのことによって私立学校法の目ざしているところの私学の独自性、自主性というものに現実問題としてゆるぎが来ることがより一そう重大な問題ではなかろうか。そういうふうにとらえまして、これまた今後の努力目標みたいなことを申し上げておそれ入りますが、今申し上げた角度から充実して参りたい、かように存じております。
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相馬助治#17
○相馬助治君 私学の基本的な問題について率直な御見解ですが、私もこの問題については文相をただ一方的に責めようとは思っていないのです。ただこの際、置かれている父兄の立場からいたしますと、一例をあげますと、国立大学に入学する場合には、授業料、入学金等合わせて、九千円の千円で一万円です。それから私立大学の場合ですと、平均のところで押えて、日本育英会の資料に基づきますと、授業料のところで二千円から五千円、入学金のところで五千円から三万、寄付金のところで五千円から六万、計九万五千円と、こうなる。正確な表立った資料でもこうなるのです。ところが、ここに一つ問題がありますことは、私立学校が入学に際して別途に寄付金を徴収している事実です。お医者さんの学校あるいは工業関係の学校等が、明確にその目的を指示して、設備費の特別寄付として集めているところもございます。これはいい悪いはしばらくおいて、若干納得し得るものだと思います。そういう明確なものを示さずして、補欠と称して、入学するかしないかの線上に置かれた生徒を予定して、その父兄と別途交渉によって寄付金の取り扱いが行なわれている実例もございます。推定ではございません、一々学校をあげませんが。こういう事実に対して、私はやはり国として、文教の長として何らかの将来に向かっての措置を考える段階が来てはいないかということを申したいのです。と申しましても、一片の法律をもってそういう寄付金を全部徴収できないようにしろと私は申しておりません。あなたがおっしゃることについては、私もよくわかります。私立学校ですから、自主性を持たせなければならない。それで、民間の浄財を一つのベースに乗せて私学振興に充てるという慣例が、残念ながら、日本はイギリスのように確立しておりません。そこで問題は、そのむずかしい問題の中において、やはり一国の文教政策として可能な線があろうと思う。それは何かと言えば、一言にして言えば、やはり私学を冷遇し過ぎているということを言いたいのであります。若干問題はあろうけれども、私質問しようと思うことを荒木さんは賢明にも見抜いて先回りをしたのかどうか知りませんが、経常費等人件費について何とかならんかと、こう聞くつもりだったところが、そういうことをかりに言われても問題があると、こうお答えになっておるのです。形式的にはそうでしょう。で、財政的にも、やはり国の財政の建前からすると問題はありましょう。しかし、何とかもう少し私立学校助成のことをやらないと、この父兄負担が非常にふえて寄付金の問題は解決できないと思うのです。何か積極的なひとつ御見解とその見通しがございませんか。
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荒木萬壽夫#18
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。当面こうすればずばり問題は解決するという具体案の持ち合わせがないのははなはだ恐縮に思います。先ほど来申し上げたようなことを、もっと大幅にテンポを早めてやるという必要性は痛感いたしております。早い話が、大きな一流大学となれば、年々の予算は数十億に上ると伝え聞いております。このごろの新しい校舎の建築等にいたしましても、ぜいたくと言えばぜいたくと言えないことはありませんが、木造よりは公共施設としては火災の心配がないだけでもいいわけだし、建物がよければいい教育も行なわれそうな気持もする、そういう気持で国民は見ておると思いますから、そのことは非難する必要はないと思います。ただ、そのために施設費が、初度経費が膨大なものが要る。それに応ずべく私学振興会を通じての、先ほど申し上げた長期低利融資はきわめて少ない。名のある大学は私学振興会から融資されます金額ぐらいではとてもまかなえないので、民間浄財に非常に多くを期待していると聞いておりますが、少なくとも、ですから、需要量に対して供給量が資金的にも少な過ぎるというところに大きな悩みがあるのじゃなかろうかと思います。それからさらに、先ほどからのことを繰り返すようでおそれ入りますけれども、今の私立学校法によりますれば、昨年来問題になりました科学技術者養成の問題にいたしましても、法律、制度上から明かにされておりますことは、学部の新設等は文部大臣の認可にかからせておりますけれども、学科の新設あるいは入学定員の増加については、単に届け出ればよいという建前をとっておりますことは、とりもなおさず、その増員、その学科の新設に伴う経常費あるいは建設費にいたしましても、原則は私学みずからが国の立場からの援助等にお世話にならないから自由にやるのだということで、文部省の立場からは制約を加えるべからずという考え方が盛り込まれていると私は推察するのでございますが、ですから、私学はあくまでも私学みずからの独自性を発揮することに全力を尽す、それをできるだけ妨げないように、消極的という言葉は当たりますまいけれども、先ほど来申し上げましたような心がまえで国はできるだけの協力をする。そのやり方をもっとテンポを早めて大量に実現するような努力が私どもに課せられた課題じゃなかろうか。先ほどのお尋ねの、今すぐ何とかずばりやらないかと仰せになりましても、ちょっと名案が浮ばないので、恐縮でございますが、以上をもってお答えにいたします。
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相馬助治#19
○相馬助治君 問題が問題だけに、明快な最終的な解決を示唆するような答弁のないことは遺憾ですが、この問題はひとつ重要な問題として将来にわたって御研究を願わなければならぬと思うのです。
 この際大蔵大臣に二点尋ねたいのですが、財政法その他の建前から、私立大学について経常費あるいはその人件費の一部を見るというようなことはとうてい考えられないことですが、前提条件のいかんによってはそのことを財政当局として考慮してもよろしいですか、その点が一点。
 第二点は、非常に財政的に不思議な立場に置かれている大学があるのです。これは公立大学というやつです。都道府県だとか市が大学を作っておるのです。東京ですと都立大学というのがそれです。これは都道府県や市が大学を作るのは勝手なんだという考え方が政府にあるのかどうか知らないが、この助成というもは、今日私立大学よりもなおひどい立場に置かれているのです。まるっきりまま子なのです。これは聞くところによると、平衡交付金その他にも見ない大蔵省の頑迷なものの考え方から公立大学がこのように冷遇されているのであると私は聞き及んでおるのですが、私の了解は間違うておるでしょうか。またそういう事実であるならば、今後このままではいけないと思うのですが、大蔵大臣どのようにお考えでしょうか。
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水田三喜男#20
○国務大臣(水田三喜男君) 最初の問題は、財政法の上でできないというような問題じゃございません。文部大臣が詳細に答えられましたように、私学というものの建前から、国が私学の経常費を持つというようなことの性質上の問題から来ておる問題だと思います。
 それから公立の大学でございますが、これはもう設置責任が都道府県にございますので、この財源措置は都道府県がすべきものというふうになっております。ただし、都道府県の財政力の問題がございますので、地方交付税の計算にある程度の経費を算入してこの調節をはかるという措置をとっておりますが、これは当然財源措置をする直接の責任者が都道府県でございますので、そういう建前によった予算措置をとっているだけでございますので、別にこれは大蔵省の反対でどうこうというようなことではございません。
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相馬助治#21
○相馬助治君 私はこれで私学問題について質問を終わりますが、池田内閣総理大臣に対して、答弁は求めませんが、ひとつ御銘記願いたいことは、この私学の問題について父兄が非常に困っていて、もう金のない者でうんと頭のよくできた者は国立に行くから解決するのですが、金もなし、子供のできも上できでないというような場合、そうしてどうしても大学に子供を学ばせたいという場合、全くこれは重大な社会問題になっておるのです。したがいまして、こういう問題は実に重要な問題としてある程度事実を銘記されて、何らかの処置を将来に向かってひとつお考え願えたらよろしいと思うのです。あえて答弁を求めません。
 次に、私は内閣総理大臣に国民医療保障の問題について尋ねます。政府は今般国民健康保険法の一部を改正して国庫負担引き上げを行なうことに踏み切り、その法案を提出し、それがまだ本院においては委員会通過の段階ですが、成立する見込みです。そのことはたいへんによろしいのですが、これはわずか五%です。で、関係各方面の要望を満たすにははなはだ遠いのです。国保は低所得階層を対象としていて、その財政は非常に苦しく、しかも給付内容が非常に低劣であるということは御承知のとおりなのです。国民皆保険の立場に立つならば、この際国費をもっと弱い面に増額し、同時に僻地、あるいは無医村、こういうふうな問題にまで国民にひとしく医療の恩典を均霑させるべきだと思うのですが、国民皆保険に踏み切った内閣が池田内閣なのですから、ただ生みっぱなしではいけないのですから、これをどういうふうに持っていくのか、ひとつ首相の見解をこの際承っておきたいと思います。
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池田勇人#22
○国務大臣(池田勇人君) 国民皆保険に踏み切ったのは石橋内閣でございます。それで、私大蔵大臣で、それでいこうというのでいったのであります。たまたまそれが四年目に私の内閣でやっと全部実施されるわけです。この国保の問題は、ずっと思い出しますと、前は事務費全額負担が精一ぱいだった。だんだんここまで参りまして二割から二割五分まで上げ得たのであります。やはりこういう問題は徐々に拡大していくよりほかに方法はないと思います。ただ、国保と他の健康保険とのふつり合い等々、いろいろな改善すべき問題がございます。われわれはこういう問題をもっと社会保障制度審議会に御検討願いまして、今後国保その他非常に給付内容の悪い、また保険料の非常に高い部分をできるだけ是正していきたい。一ぺんにはできませんから、徐々にやっていきたい、こういう考えておるのであります。
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相馬助治#23
○相馬助治君 皆保険に関係して社会保険の基本的な態度を今首相に尋ねましたし、さきの予算委員会でも私は同趣旨の質問をいたしておりますので、このことの具体的なことについては以上をもって打ち切って触れませんが、この際、厚生大臣にきわめて具体的な問題について二、三日本の医療行政の基本に関連のある問題をお尋ねいたします。私は医療行政に対しましては、広く患者の立場に立って以下の質問をいたします。
 貧富の差を乗り越えて絶対なものは、私は人間の持つ生命を大切にするということだと思います。今日の皆保険行政は、その実、人間の生命の尊重に欠けるような点が二、三、特に専門医学会等から指摘されておる事実を見て、私は非常に残念に思っておるのです。その一つが制限診療の撤廃の問題です。保険というワクがある限りにおいては、その診療に当然のごとく制限があり得ることは形式論理的に認めますけれども、事生命に関するこの問題については、やはり私は形式論でなくて、積極的に厚生大臣は熱意を持つべきだと思うのですが、この問題についてどのようなお考えでございますか。
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灘尾弘吉#24
○国務大臣(灘尾弘吉君) 制限診療の撤廃の問題でございますが、この制限診療ということにつきまして私は二つの場合があるのじゃないかと思いますが、一つは、たとえば健康保険で、いわゆる十割給付をやる、こういう建前になっております保険におけるいわゆる制限診療の問題、それからいま一つは国民健康保険で見るがごとく、いわゆる十割給付でない、また、その給付の内容につきましても、たとえば往診を制限するとか、あるいは歯科のほうを制限するとかいうようなことをやっておるところがあるわけです。この二つの場合についてお答えを申し上げたいと思うのです。
 まず一般的に申しまして、国民皆医療保険ということを考えます以上、国民全般が必要とする医療を受け得るような状態になければならぬ。これは当然のことだと思うのでございます。われわれといたしましても、その目標のもとに努力をいたしておるところでございますが、いわゆる十割給付をやります健康保険におきましても、現物給付を建前といたしておるのであります。現物給付を建前といたします以上、どうしてもそこに何らかの規格と申しますか、基準というものがなければならないかと存ずるのであります。無制限な自由診療というわけには参るまいと思うのでございます。それにいたしましても、考え方としましては、進んだ医療、進んだ技術というものを積極的に取り入れまして、できるだけいい医療を給付するということを心がけていかなければならぬと思うのでございますが、そういう考えを持っておりましても、現実にはどうしてもズレが生じてくるわけであります。そのズレにつきまして、これは制限診療であるというふうに言われておる点があるわけでありますが、こういう問題につきましては、漸次解消して参りたい。建前といたしましては、新しい医学、新しい技術というものを保障のうちに進んで取り入れるという考え方に立って進みたいと思っておるわけでございます。それから国民健康保険の場合には、これはもう相馬さん御承知のように、一般の健康保険等に比べてみますと、給付内容においてかなり劣っているところがあるわけであります。今申しましたように、ある種の制限を行なっておる保険者も少なからずあるわけでありますが、これにつきましては、私ども指導でもって漸次その制限撤廃に向かって進むようにいたしておるわけでございます。今度の予算が御賛成を得まするならば、また、この機会にさような制限の撤廃に向かって積極的に指導をいたしたいと存じておるような次第でございます。なお、国民健康保険につきましては、いろいろ御心配をおかけいたしておるわけでございます。給付内容等の改善充実ということが今後の大きな課題でございまして、それにいたしましても財政基盤があまりにも薄弱であるというようなことから、今回医療給付率に対する五分の引き上げをこの前いたしまして、いわゆる調整金等を合わせますというと、三割程度の国が援助をすることにもなっておるわけでございますので、この段階におきまして、私どもはさらに腰を据えまして、今後の国民健康保険の財政をいかにするかという問題について掘り下げた検討をいたしまして、財政基盤の強化について一段と努力をいたしたいと思う次第でございます。
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相馬助治#25
○相馬助治君 制限診療の具体的な問題について一点ただします。現在ガン治療その他に関して日医その他からの要求によって学会の責任において改定した緊急を要する治療方針というものを確立して、これを何らかの方法で一日も早く治療の実際のところに取り入れてほしいという要求があるやに聞いております。これに対して大臣は、中央医療協議会を開くことに努力をすると同時に、それが何らかの事情で不可能な場合には、何らかの緊急対策を立てて治療指針の改定をすべきだと思うのですが、いかがですか。
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灘尾弘吉#26
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。新しい薬につきまして、これを健康保険の療養の内容の中に入れるということについては、ただいまお答え申し上げたとおりに、私どもも決してこれをちゅうちょするものではございません。ただいま御指摘になりました問題につきましては、部内におきましていろいろ検討をいたしております。その検討の結果によって善処したいと思っております。
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相馬助治#27
○相馬助治君 この近代社会でわれわれがよい生活を望むのは、進みつつある近代医学を一日も早く治療の中に取り入れるということだと思うのです。私を含めて同僚諸君のところにもガンの死神が一歩々々近づいているかもしれないと思うのです。おどかしでもなんでもない。こういう事実を考えると、私は厚生大臣が可能な限り形式にとらわれずに、この治療指針の改定については責任をもって急いでほしいと思うのです。その前提をなす中央医療協議会の問題についてただします。先般この法律は与野党の一致した法律として成立をいたしております。私の見るところでは、前の法律に比べて医療担当者を重視したものであって、その限りにおいてはやはり一つの正しい方向を示唆したものだと思います。ところが、今日これがいまだに発足をしていないというのは、いかなる理由によるのか、現況はどうなっておるのか、それに対して大臣としてはいかに考えていらっしゃるのか、この際念のために承っておきたいと思います。
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灘尾弘吉#28
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまの御質問でございますが、実は私最も苦慮いたしておる問題でございます。これにつきましては、相馬さん御承知のように、昨年の早春であったと思いますが、厚生省のほうから社会保障制度審議会に適正な医療費を決定することについての方策について諮問をいたしたのであります。御承知のように、診療報酬を決定するのに最も重要な役割を果たしております中央医療協議会がなかなか円滑な運用がむずかしい状態なんです。近年さような状態が続いておりました関係上、適正な医療費をきめるのはどうしたらよいかという意味の諮問をいたしたわけであります。その答申といたしまして今度の国会に御審議をお願いいたしておりますところの医療報酬調査会というふうな考え方、つまり適正な医療報酬を決定するのに必要な基準を中立的な立場において調査する機関を設ける、そのルールに従って、あるいはルールに基づいて具体的な診療報酬というものを医療協議会に諮問するように、こういう二つの考え方で出されたわけであります。そうしてその医療協議会につきましては、支払い者側と、それからこれを受け取る療養担当者側と、それからいわゆる公益を代表する側、この三者の構成にしたほうがいいのではないか、こういうふうな考え方が示されたわけであります。それを昨年の通常国会に御審議をお願いいたしましたところ、両案とも不成立に終わったわけであります。続きまして秋の臨時国会におきまして医療協議会につきましては、社会保障制度審議会の答申とは若干違っておりましたけれども、私は本質的には変わりはないと思ったわけでございますが、この法案を出しました。それから医療報酬に関する基準を審議する機関に関する法案につきましては、いろいろまだ議論も残っておりますし、また、臨時国会のことでもございますので、両法案を一緒に出すことは多分無理だろう、かように考えまして、とりあえず今お話しになりましたようないろいろ診療報酬等を相談する必要性というものが随時起こってくるわけでございますので、医療協議会法案のほうだけを国会に提案いたしたわけでございます。これはおかげさまで通過いたしましたが、この間におきまして主として支払い者側あるいは政府関係の諮問機関側におきまして答申どおりにやらないのはおかしいじゃないか、また、医療報酬の基準をきめる調査会法案を一緒に提出しないのはけしからぬじゃないかというおしかりをこうむったわけであります。そういうようなことで、こういう問題を主たる契機といたしまして、せっかく御賛成を得て作りました医療協議会に対しまして、これは中央と地方とございまして、地方につきましては問題は解決いたしまして、先般発足をいたしておるわけでございますが、中央の医療協議会についてまだ快い御協力をいただくということにまで至っていないのであります。私は非常に残念に存じておる次第でございますが、しかし、なかなか長い間のしこりと申しますか、行きがかりと申しますか、いろいろございまして、にわかに賛成していただけない状態にあり、また、まことに遺憾とするものであります。しかし、この問題につきましては、多少日にちがかかりましても、私はあくまで努力いたしまして御了解を得て、中央医療協議会の発足を見るように、あくまで努力する所存でございます。
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相馬助治#29
○相馬助治君 社会保障制度審議会というものは内閣総理大臣の諮問機関であって、私はきわめて権威あるものだと思っているのです。その審議会が、真実、医療協議会と、それから医療保障の基準をきめる今度の調査会法案のようなものと並列して出さなければならないのだという一致した見解で、その答申があったとするならば、これは並列して出さなかった厚生大臣のやはり手落ちというものが責められると思うのです。しかし、あの答申をしさいに読んだときに、必ずしもそうは理解されない。いわば、基本的には中央医療協の改組をまず急いで、そこで姿勢を正して、医療報酬の問題に進めというふうに、いわばこういうふうに順位をつけて法律を出したことも私はむしろ妥当ではなかったかと当時も今も考えているのです。で、具体的な問題としては、中央医療協議会が出発できない楽屋裏はもうすでにみなわかっております。これは支払い団体がだめだというので、厚生大臣も手を焼いているということは、これはよくわかっておりますが、一体しかし、国民医療の問題の基本を正す中央医療協が、しかも国会において全会一致で通った、これが発足できないなんというところに——私は、厚生大臣の政治的な力が足らないなどというような形式的な批判をいたしません——もっとより基本的な問題があろうと、こういうふうに思うのです。
 それで率直に申してどうなんでしょうかね。この支払い団体だとか日経連というのは、直接国民の生命にタッチしておりません。これは私、話が若干違うと思うのです。ですから、こういう方々をより積極的に説得をして、そうして何とか国民の健康を守るという正義感を灘尾さんが見せて、一日も早くこの中央医療協議会を出発させて、正規のルートに乗せるべきだと思うのですが、そういう努力を現在重ねておるのですか。そうして重ねているとするならば、その見込みはどうなっておりますか。
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