村山道雄の発言 (本会議)
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○村山道雄君 ただいま議題となりました四法律案のらち、まず行政不服審査法案外二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
行政不服審査法案並びに行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案は、前国会の衆議院において継続審査となり、今回、整理法案について、この整理法案とすでに公布されておりまする行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律との関係を明らかにするための規定を、附則に追加することをおもなる内容といたします修正が衆議院において行なわれ、本院に送付されたものであります。
現行の訴願法は、明治二十三年に制定施行されまして以来一回の改正もなく、わが国訴願制度の基本法として今日に至っておりまするが、その内容形式ともに現在の社会事情に適合しなくなりましたので、政府は、訴願制度調査会の答申に基づきまして、現行制度を全面的に整備して、新たに行政不服申し立てに関する一般法を制定し、国民の権利利益の救済をはかるとともに、行政の適正なる運営を確保いたしますために、両法案を提出いたしたものであります。
行政不服審査法案のおもな内容は、第一に、従来の概括的列記主義を改めまして、一般概括主義を採用し、原則として広く不服申し立てを認めることとしたこと、第二に、行政庁の事実行為及び不作為に対しても不服申し立ての道を開くことにいたしたこと、第三に、不服申し立ての種類を、審査請求、異議申し立て及び再審査請求の三種類に統一したこと、第四に、不服申し立ての期間を原則として六十日としたこと、第五に、教示制度を採用し、審理手続を整備したこと、第六に、執行停止申し立て権、裁決の方式等についても明確な規定を設けたこと等であります。
次に、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案は、審査法の施行に伴って関係法律二百六十八件について必要な整理を行なったものでありまして、行政不服審査法案と重複する規定の削除、不服申し立ての名称の統一、不服申し立て期間の特例、審査庁に関する特例、当該処分の性質上不服申し立てによらしめることが不適当な処分、または他に不服申し立て制度の整備されているものの除外等が、そのおもなる内容であります。
本委員会におきましては、両法案を一括して審査いたしましたが、おもな質疑応答について申し上げますと、行政庁の範囲に関する質疑に対しましては、地方公共団体、公団等の行為でも、公権力の行使に当たる行為である限り、本法律案の対象になる旨の答弁があり、審理機関が処分庁または直近上級庁であることは、部内反省、上級庁の下級庁に対する監督の色彩が強く、国民の権利利益の救済が不十分と思われるが、第三者または第三者の参与による審理を認める意向はないかという質疑に対しましては、審理機関を処分庁または直近上級庁としたことは、国民の権利利益の保護を簡易迅速に行なう趣旨であり、第三者の参与については、なるべくその趣旨に沿うように運用上留意したい旨の答弁がありました。そのほか、不服申し立ての一般概括主義に対する例外が多過ぎるではないか。口頭申し立て、口頭審理を原則としてはどらか。行政不服申し立てと行政事件訴訟との関係、国民に対する本制度の周知方策等についても質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、両法律案とも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、法務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法律案は、堺市において施行中の大阪少年鑑別所の新営工事が近く完成することになりましたので、法務省設置法別表五を改正し、現在大阪市にある大阪少年鑑別所の位置を堺市に変更しようとするものであります。
当委員会におきましては、本法律案に関し、少年鑑別所の設備の状況及び任務の内容、少年鑑別所における少年の処遇等について質疑が行なわれ、そのほか本法律案に関連して、刑務所の位置、受刑者等の処遇、法務局の職員の配置及び処遇等についても質疑がありましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
最後に、防衛庁設置法及び防衛庁設置法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
前国会において成立いたしました防衛庁設置法等の一部を改正する法律におきまして、従来の防衛庁本庁の付属機関である建設本部と従来の調達庁とを統合いたしまして、防衛施設庁を設置いたすこととなったのであります。この結果、との法律により、従来一般職の職員でありました調達庁の職員が、防衛施設庁設置とともに、防衛施設庁総務部に置かれます調停官及び労務部に置かれます職員となる者を除きまして、すべてその身分は一般職から特別職に切りかえられ、自衛隊法の適用を受けることとなったのであります。前国会の参議院内閣委員会におきましてこの法律の審査に当たりました際、従来の調達庁職員の身分を一般職より特別職に切りかえるととは重大なる身分の変更であり、調達庁職員に与える影響も大きいことを考慮いたし、従来の調達庁職員については・防衛施設庁設置後もなお一般職の職員としておくことを適当と考え、この法律の議決に際しまして、「防衛施設庁に統合される調達庁職員の身分取り扱い等については、その職務の性質に鑑み、次期国会において一般職とすること」という附帯決議を行なったのであります。その後、この附帯決議の取り扱いにつき慎重に検討いたしました結果、人事管理の円滑を期するためには、この際、むしろ防衛施設庁の設置を取りやめ、調達庁を現状のまま存置させることが適当であるとの結論に達しましたので、防衛庁設置法及び防衛庁設置法等の一部を改正する法律に対し、このための所要の改正をいたすことといたしたのであります。
以上が本法律案を提出する理由であります。
何とぞすみやかに御可決下さいますようお願い申し上げる次第でございます。(拍手)