池田勇人の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(池田勇人君) 所得倍増計画という計画についての判断でございますが、これはもう羽生先生も御存じのとおり、一応は計画と書いてありますが、こういう前提のもとにこうなるだろうという見通しだと心得えていただきたいということは、さきのさきの国会で申し上げたとおりでございます。われわれといたしましては、早いにこしたことはございませんが、とにかくモデレートな成長率でいきたいというので、私は一応七・二%ならば十年で倍になる、しかし過去の実績を見まして、まあ九%ぐらい三年間はいくのではないか、しかもそれが雇用の関係からいって、とるべき数字ではないかというので、最初の三カ年間を九先としたわけでございます。しかし実際は、過去の実績から申しましても、今お話のとおりに、お示しの数字は名目的のGNPの増加でございます。実質的に見ますとやはり相当下がってくるのでございますが、結論的にはお話のように名目的にはもう三十八年度の分を三十六年にあれした。実費的に申しますると、三十七年度の十八兆四千億というものは、まだ昭和三十五年の価値から申しますと十七兆六千億までいっていないと私は見ておるのであります。しかもその基準を三十五年度の実際にとりました実質的増加におきましては、大体三十七年度でようやくいくかという程度のことであります。したがいまして政府の計画というものは、自由主義経済のもと、しかも今のような体制におきましては、なかなかこれを押えようといってもそう抑えられるものではないのであります。ことに昭和二十八年とか、三十二年のときとは違いまして、わが国の経済はよほど力強く、底力がついてきております。それから財界の人なんかの考え方も、よほど前以上に積極的でございます。これを押えるということは、金融その他の措置でやりましても、なかなか押えにくい。これは私どもの過去の三年間の経験であれしたのでありますが、最近ようやくわかりました。私は大体過去の実績を各業界に見ながら、今度はモデレートにいくのではないかという、考えを持っておるのであります。ただ私が心配するのは、非常に行き過ぎる場合もありますが、逆に、あつものにこりてなますを吹くというようなことになっては困る、これが私の今心配しているところでございます。私はその点は、だんだん世界の情勢、日本の経済が世界的になって参りますこの機会に、政府もそうでございますが、民間におきましても、よほどお考えを願っていただければ、そう今までのようなことはなくていくのではないかと、こう考えております。

発言情報

speech_id: 104115261X00219620827_011

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1962-08-27

院: 参議院

会議名: 予算委員会