松本七郎の発言 (外務委員会)

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○松本(七)委員 これは、予定された民政が民主主義的であるか、あるいは今の政権がいかにファッショ的な独裁政権であるかというようなことが、あるいは妥結した場合にそれが日本の国民の将来にも影響を与えるわけですから、そういう将来の影響を考えてみな心配しているわけです。その点をもう少し真剣に考えていただかないといけないと思うのです。これは大平外務大臣になってからのことで、私もあのときに非常に傾聴したのですが、同じ自民党の宇都宮議員があなたに質問されている。このときに宇都宮さんが心配を表明されたことが、そのまま今日もっと現実の問題として出てきていると私は思う。ですから、特にこの点は大臣に十分考えていただきたいと思う。宇都宮さんが質問をしたのは去年の九月二日の衆議院の外務委員会です。その趣旨は、前提として、外交上の失敗というものは子々孫々まで国民が非常に大きな被害を受けるのだ、その失敗をやった当局は、大臣はやめればいい、内閣をやめればいいで済むかもしれない、しかし、失敗の影響というものは国民全体がいつまでも負わなければならぬのだということを、三国同盟だとかいろいろ引きながら言われて、焦点の問題としてこの請求権にしぼられてきた。例の八項目というのを韓国から出してきましたね。法的根拠のあるものに限る、こういうふうなことで小坂外務大臣時代にきめておる。それを、大平外務大臣になってから、法的根拠についての話し合いがつかないから、その方式をやめて、高次元によるいわゆる供与方式というものに切りかえたわけでしょう。だから、その切りかえでかりに朴政権との間に妥結した場合、日本の方は請求権の問題はそれで片づいたという解釈。それから、この前から外務委員会でもあなたが答弁しているように、ただその解釈だけじゃない、その協定文なら協定文で、これは平和条約四条にいうところの請求権がこれで片づいたのだということをはっきり合意した旨を協定に書くのだ、こういうこともあなたは言うわれた。そうすると、その協定を結んで、はっきりこれで請求権問題というものは片づきましたという意思表示をした相手方の政権が、やはり向こうの大衆に根をおろし、向こうの大衆に支持されて、簡単にこれがくつがえされないというある程度の保証がなければ、これは安心できないではないかということを、宇都宮さんが繰り返し質問したわけですね。そのときはっきりここで言っています。これは去年の九月ですよ。「おそらく韓国政権は今後いろいろ変わるわけです。少なくとも現有の独裁的な形が改められるということはすでに約束されている」、——民政移管の約束のことを言われているわけですが、「これは政権に対して何らかの変化があるということは間違いないわけです。」言っている。そういう変化を考えた場合に、その請求権というものを供与方式でもって解決したということになっても、後に現われた政権から未解決というような要求が出てくる心配があるのではないかということをここで表明されているのです。
 そこで、革命の政権の中でも、ああいうふうに、革命のときの公約違反だというような勢力が出てきて、そうして、中心の金鍾泌さえ亡命状態にならなければならなくなった。そうして、旧政治家をどう扱うかということでまだごたごたしている。かりにこれが押えつけるかあるいは妥結によって一時しのぎができても、ほんとうに交渉相手とするには、われわれの立場より以上に自民党さんあるいは政府の交渉を促進するという立場から言っても、あれじゃしばらく静観するのが当然のことじゃないかと思うのです。それを、きのうの総理の答弁で言っても、これはとにかく合法的なものであるという解釈ができる政権でありさえすれば交渉はやるのだ、こういう答弁をやられること自体が、ほんとうに国民の利益というものを心配してこの交渉に当たっているという態度じゃないと私は思う。外務大臣もあの答弁を聞いておられておそらくそう思っただろうと思う。そういう点、ほんとうに両国の国民のために、親善友好のために、これを同じ妥結するにしても、もう少し心づかいのあふれた態度というものが私は必要じゃないかと思うのです。どうでしょう。

発言情報

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発言者: 松本七郎

speaker_id: 4708

日付: 1963-03-27

院: 衆議院

会議名: 外務委員会