外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十八年三月二十七日(水曜日)
午後一時十七分開議
出席委員
委員長代理 理事 安藤 覺君
理事 正示啓次郎君 理事 福田 篤泰君
理事 古川 丈吉君 理事 松本 俊一君
理事 穗積 七郎君 理事 松本 七郎君
池田正之輔君 宇野 宗佑君
川村善八郎君 北澤 直吉君
佐々木義武君 田澤 吉郎君
岡田 春夫君 帆足 計君
川上 貫一君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大平 正芳君
通商産業大臣 福田 一君
出席政府委員
法務政務次官 野本 品吉君
法務事務官
(入国管理局
長) 小川清四郎君
外務事務官
(アジア局長) 後宮 虎郎君
外務事務官
(条約局長) 中川 融君
外務事務官
(情報文化局
長) 曾野 明君
委員外の出席者
外務事務官
(アメリカ局安
全保障課長) 高橋正太郎君
専 門 員 豊田 薫君
—————————————
三月二十七日
委員椎熊三郎君及び森下國雄君辞任につき、そ
の補欠として佐々木義武君及び宇野宗佑君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員宇野宗佑君及び佐々木義武君辞任につき、
その補欠として森下國雄君及び椎熊三郎君が議
長の指名で委員に選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
国際情勢に関する件(日韓及び経済外交問題
等)
————◇—————
この発言だけを見る →午後一時十七分開議
出席委員
委員長代理 理事 安藤 覺君
理事 正示啓次郎君 理事 福田 篤泰君
理事 古川 丈吉君 理事 松本 俊一君
理事 穗積 七郎君 理事 松本 七郎君
池田正之輔君 宇野 宗佑君
川村善八郎君 北澤 直吉君
佐々木義武君 田澤 吉郎君
岡田 春夫君 帆足 計君
川上 貫一君
出席国務大臣
外 務 大 臣 大平 正芳君
通商産業大臣 福田 一君
出席政府委員
法務政務次官 野本 品吉君
法務事務官
(入国管理局
長) 小川清四郎君
外務事務官
(アジア局長) 後宮 虎郎君
外務事務官
(条約局長) 中川 融君
外務事務官
(情報文化局
長) 曾野 明君
委員外の出席者
外務事務官
(アメリカ局安
全保障課長) 高橋正太郎君
専 門 員 豊田 薫君
—————————————
三月二十七日
委員椎熊三郎君及び森下國雄君辞任につき、そ
の補欠として佐々木義武君及び宇野宗佑君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員宇野宗佑君及び佐々木義武君辞任につき、
その補欠として森下國雄君及び椎熊三郎君が議
長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
国際情勢に関する件(日韓及び経済外交問題
等)
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安
安藤覺#1
○安藤委員長代理 これより会議を開きます。
委員長所用のため、指名によりまして理事の私が委員長の職務を行ないます。
国際情勢に関する件について調査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。
松本七郎君。
この発言だけを見る →委員長所用のため、指名によりまして理事の私が委員長の職務を行ないます。
国際情勢に関する件について調査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。
松本七郎君。
松
松本七郎#2
○松本(七)委員 きのうの本会議で日韓会談についての緊急質問を行なったのですが、総理大臣の答弁、もちろん外務大臣も聞いておられて奇異に感じられたと思う。もしこれを奇異に感じられておらないとすれば、少し国会議員としての感覚がぼやけているのじゃないか。今までの池田内閣の日韓会談に対する方針、それに基づいた国会における答弁、特に最近における答弁の移り変わりを見ていると、議院内閣制をとっている日本の政府が、国会での答弁をもっと真剣にして、国会を通じて国民に話をし、国民に政府の方針なり時の政府がとっている考え方を明らかにするという態度が私は欠けておると思う。国会で、答弁でその場をのがれていればいいというような態度が明らかに見える。というのは、きのうの総理大臣の答弁にこれは非常によく出ていると思うのです。具体的に今言いますけれども、外務大臣の答弁にもそういう点が考えられるのは、この間参議院の答弁で、今度の軍政四年間延長の問題で話されたときに、今の状態では、今の韓国朴政権に、合理的な提案、それからそれを妥結する能力がないのではないかという疑いを持たれた答弁をしていますね。今、それ以後、韓国の政情というものはますます混乱に陥っている。それにもかかわらず、依然として、今度はとにかく交渉はやるんだ、こういう態度。特に総理大臣の答弁を見ますと、きのうは、注目すべき点は、軍政であろうが何であろうが、そういうことはかまわないんだ、それが一つですね。それから、もう一つは、とにかく合法的でありさえすればいい、こういうことでしょう。合法的な政権であれば、それがどういう成立過程であろうが何であろうが、そういうことはかまわずにとにかくやるんだと言う。ところが、それは今までの答弁からすると今度は全く逆な答弁になってきている。それから、きのう言われたもう一つ大事な点は、民政移管ということは交渉の条件ではないんだ、こういうことを言われましたね。ところが、大平外務大臣は、小坂さんと途中からかわられたから、はたしてどれだけ池田総理の国会における答弁を詳しくずっと経過を御存じかどうか、私は知りませんけれども、いやしくも、小坂さんのあとを継いで、そして新しい方式をもって日韓会談に乗り出した以上、やはり、内閣としての今までとってきた態度くらいは当然知っておられると思うのですね。
だから、この際、そういう観点から少しはっきりしておきたいのは、第一、朴正煕を中心にしたあの軍事クーデターが起こったときに、私どもは、この政権は第一には非民主的な性格を持っている、それから、非合法的なものである、それから、非常に不安定な政権である、そういう政権を相手に日韓交渉を進めることが、両国国民の利益の観点からしても非常に危険だ、こういう観点から質問をずっとやっています。速記録を調べてもらえばよくわかる。そのときに政府の一貫して答弁されてきたことは、おもな点は大体三つある。それは、一つは、非合法的ではないということで、その合法的な政権だという理由としてあげられたのが何かといえば、大統領が依然としてあるということなんですね。尹大統領は選挙によって大統領になったので、その大統領が依然として存続しておるということ。これは速記録を見てもはっきりしておるように、朴政権が合法的だということの根拠としてこれをあげられたのです。それから、非民主的だという私どもの批判に対して、政府の言われたのは、いや、これは民政移管が約束されているのだ、民政移管ということをもって、このクーデターで政権を取ったけれども、朴政権は民主的なもので、非民主的なものと断定するのは早い、民政移管を約束しているのだから、これは民主的なものとして考えていいのだ、こういう説明だったわけです。それから、不安定についての説明としては、外国が何十カ国これを承認しているからとか、そういうこともあげられておる。しかし、これはむしろ日本の自主性の欠除を暴露するような説明であると私どもは思うのですけれども、外国がどういう態度をとっておろうが、一番大切な点は、日本政府として説明してきたことは、大統領がいる、依然として選挙で選ばれた大統領がいるじゃないか、もう一つは、民政移管するんだから、そんなに非民主的なものではないんだ、こういう説明をずっとやってきているのです。その大統領が去年の三月二十四日にやめたのです。この朴正煕のやり方というものは今後憂慮にたえない、民政移管は一応約束しておるけれども、これはただ軍服をせびろにかえるだけの形ばかりの民政移管であって、これは本来の民主主義を逸脱したものとなるのではないかという不安を述べながら、大統領は自分はとても責任を負えないと言って昨年の三月二十四日にやめたわけです。だから、日本政府が今までこの朴正煕と交渉することの根拠としてあげておった合法政権だという唯一の理由である大統領というものがなくなったわけです。そのあとの説明はそれじゃどうかというと、その肝心の大統領がいなくなったものだから、今度は民政移管一点ばりで説明してきているのです。ずっと速記録を調べてごらんなさい。ところが、今度その民政移管そのものが延期されようとしている。これは革命のときの公約違反であり、あのときの朴正熈の公約は、必ず軍部は国防の任務に専心する、政治には関与しない、こういう約束であったのが、一向そういう方向に向かわないというので、むしろ革命勢力の中から批判が出てきて、今日の事態を招いたわけでしょう。そして、もう民政移管さえ今度は軍政四年の延長でどうなるかもわからないというような状態です。こういう状態になったものだから、しかも政府はなお交渉を何かの理由で続けたいという腹がおそらくあるからでしょう、きのうの池田総理大臣のように、軍政であろうが何であろうが、そんなことは問わない、民政移管は交渉の条件ではないのだ、こういうことを公然と言われるようになった。こういうことになると、私は国会の審議というものは何の意味があるのかということにならざるを得ないと思うのです。
これらについて、外務大臣は、一体、今までの池田総理大臣あるいは小坂外務大臣がとってきた、内閣として国会に答弁してきたことにどれだけの責任を持たれるのか、私は疑わざるを得ないのです。あなたはこれらをよく調べておられるのかどうか、そして、それでもなお昨日言われたような答弁が、正しいと言われるならば、それをわれわれに納得のいくような説明をこの際していただきたい。
この発言だけを見る →だから、この際、そういう観点から少しはっきりしておきたいのは、第一、朴正煕を中心にしたあの軍事クーデターが起こったときに、私どもは、この政権は第一には非民主的な性格を持っている、それから、非合法的なものである、それから、非常に不安定な政権である、そういう政権を相手に日韓交渉を進めることが、両国国民の利益の観点からしても非常に危険だ、こういう観点から質問をずっとやっています。速記録を調べてもらえばよくわかる。そのときに政府の一貫して答弁されてきたことは、おもな点は大体三つある。それは、一つは、非合法的ではないということで、その合法的な政権だという理由としてあげられたのが何かといえば、大統領が依然としてあるということなんですね。尹大統領は選挙によって大統領になったので、その大統領が依然として存続しておるということ。これは速記録を見てもはっきりしておるように、朴政権が合法的だということの根拠としてこれをあげられたのです。それから、非民主的だという私どもの批判に対して、政府の言われたのは、いや、これは民政移管が約束されているのだ、民政移管ということをもって、このクーデターで政権を取ったけれども、朴政権は民主的なもので、非民主的なものと断定するのは早い、民政移管を約束しているのだから、これは民主的なものとして考えていいのだ、こういう説明だったわけです。それから、不安定についての説明としては、外国が何十カ国これを承認しているからとか、そういうこともあげられておる。しかし、これはむしろ日本の自主性の欠除を暴露するような説明であると私どもは思うのですけれども、外国がどういう態度をとっておろうが、一番大切な点は、日本政府として説明してきたことは、大統領がいる、依然として選挙で選ばれた大統領がいるじゃないか、もう一つは、民政移管するんだから、そんなに非民主的なものではないんだ、こういう説明をずっとやってきているのです。その大統領が去年の三月二十四日にやめたのです。この朴正煕のやり方というものは今後憂慮にたえない、民政移管は一応約束しておるけれども、これはただ軍服をせびろにかえるだけの形ばかりの民政移管であって、これは本来の民主主義を逸脱したものとなるのではないかという不安を述べながら、大統領は自分はとても責任を負えないと言って昨年の三月二十四日にやめたわけです。だから、日本政府が今までこの朴正煕と交渉することの根拠としてあげておった合法政権だという唯一の理由である大統領というものがなくなったわけです。そのあとの説明はそれじゃどうかというと、その肝心の大統領がいなくなったものだから、今度は民政移管一点ばりで説明してきているのです。ずっと速記録を調べてごらんなさい。ところが、今度その民政移管そのものが延期されようとしている。これは革命のときの公約違反であり、あのときの朴正熈の公約は、必ず軍部は国防の任務に専心する、政治には関与しない、こういう約束であったのが、一向そういう方向に向かわないというので、むしろ革命勢力の中から批判が出てきて、今日の事態を招いたわけでしょう。そして、もう民政移管さえ今度は軍政四年の延長でどうなるかもわからないというような状態です。こういう状態になったものだから、しかも政府はなお交渉を何かの理由で続けたいという腹がおそらくあるからでしょう、きのうの池田総理大臣のように、軍政であろうが何であろうが、そんなことは問わない、民政移管は交渉の条件ではないのだ、こういうことを公然と言われるようになった。こういうことになると、私は国会の審議というものは何の意味があるのかということにならざるを得ないと思うのです。
これらについて、外務大臣は、一体、今までの池田総理大臣あるいは小坂外務大臣がとってきた、内閣として国会に答弁してきたことにどれだけの責任を持たれるのか、私は疑わざるを得ないのです。あなたはこれらをよく調べておられるのかどうか、そして、それでもなお昨日言われたような答弁が、正しいと言われるならば、それをわれわれに納得のいくような説明をこの際していただきたい。
大
大平正芳#3
○大平国務大臣 内閣が国会を通じて表明いたしました日韓交渉に対する態度というのは、終始一貫いたしておると思うのです。民政移管ということが交渉の条件であるというようなことは一切申し上げておりません。私どもは、先方が宣明いたしておりまする民政移管ということが一日も早いことを希望いたしております。その時期、手順等につきましては今なお問題がありますことは承知いたしておりますけれども、先方も民政移管という旗をおろしたとは承知いたしておりません。が、しかし、これは、この政府は非民主的じゃないかという御批判にこたえてそう申し上げたわけでございまして、交渉自体は合法政権とやっておるわけでございまして、民政移管を標榜しておるからやるのだという意味の発言は、私はそういう国会に対する御答弁を申し上げたことはないと確信いたします。
それから、合法性云々の問題は、尹大統領のもとで革命政府に対して合法的に政権が授受されたということでございまして、この政権の授受が終わって尹大統領が辞任いたしましても、その効力には影響がないと考えておるわけでございます。
それから、不安定云々の問題は、御承知のように、振幅の激しい動揺を今来たしておりまするが、そのことは、私が国会で申し上げたのは、われわれが今やっておりまする交渉の実質的な進展というものを期待し得る状況ではないということでございまして、一日も早く安定して、先方から建設的な接触が行なわれることを希望しておるということは、終始一貫申し上げてきておるところでございます。
この発言だけを見る →それから、合法性云々の問題は、尹大統領のもとで革命政府に対して合法的に政権が授受されたということでございまして、この政権の授受が終わって尹大統領が辞任いたしましても、その効力には影響がないと考えておるわけでございます。
それから、不安定云々の問題は、御承知のように、振幅の激しい動揺を今来たしておりまするが、そのことは、私が国会で申し上げたのは、われわれが今やっておりまする交渉の実質的な進展というものを期待し得る状況ではないということでございまして、一日も早く安定して、先方から建設的な接触が行なわれることを希望しておるということは、終始一貫申し上げてきておるところでございます。
松
松本七郎#4
○松本(七)委員 民政移管を条件にするというような言葉づかいはしてない、これは確かにそうでしょう。けれども、今までの国会において政府が繰り返し繰り返し答弁されたことで重要な点は、やはり民政移管ということを非常に重要な要素として説明されたことは間違いない。また、今日でもそう思っておられるのでしょう。そうだとすると、今日の段階で、あのように民政移管そのものがどうなるかわからないような状態にある場合に、日本政府の期待される韓国の言う民政移管というものは、この時点において具体的にはどういうことなのですか。
この発言だけを見る →大
大平正芳#5
○大平国務大臣 いつどういう形で民政に移管するかということは、韓国の問題でございまして、私があなたに対して答え得る課題ではないと思うのです。私どもといたしましては、できるだけ早く民政に移り、かつそれが安定することを希望しておるということ以上に、日本政府として申し上げることは適当でないと思います。
この発言だけを見る →松
松本七郎#6
○松本(七)委員 そうすると、今日の事態で、形式的に言えば民政移管がかなり順調にいきそうになった大詰めに来てああいうふうにつまずいたということについては、政府としてもきわめて遺憾の意を表明されるわけですか。
この発言だけを見る →大
大平正芳#7
○大平国務大臣 私が残念であると申し上げたのは、民政移管が、当初先方の政府が内外に公約いたしておりましたような時期、手順におきまして円滑にいかないような事情にあることは、きわめて残念であるということでございます。
この発言だけを見る →松
松本七郎#8
○松本(七)委員 これは、予定された民政が民主主義的であるか、あるいは今の政権がいかにファッショ的な独裁政権であるかというようなことが、あるいは妥結した場合にそれが日本の国民の将来にも影響を与えるわけですから、そういう将来の影響を考えてみな心配しているわけです。その点をもう少し真剣に考えていただかないといけないと思うのです。これは大平外務大臣になってからのことで、私もあのときに非常に傾聴したのですが、同じ自民党の宇都宮議員があなたに質問されている。このときに宇都宮さんが心配を表明されたことが、そのまま今日もっと現実の問題として出てきていると私は思う。ですから、特にこの点は大臣に十分考えていただきたいと思う。宇都宮さんが質問をしたのは去年の九月二日の衆議院の外務委員会です。その趣旨は、前提として、外交上の失敗というものは子々孫々まで国民が非常に大きな被害を受けるのだ、その失敗をやった当局は、大臣はやめればいい、内閣をやめればいいで済むかもしれない、しかし、失敗の影響というものは国民全体がいつまでも負わなければならぬのだということを、三国同盟だとかいろいろ引きながら言われて、焦点の問題としてこの請求権にしぼられてきた。例の八項目というのを韓国から出してきましたね。法的根拠のあるものに限る、こういうふうなことで小坂外務大臣時代にきめておる。それを、大平外務大臣になってから、法的根拠についての話し合いがつかないから、その方式をやめて、高次元によるいわゆる供与方式というものに切りかえたわけでしょう。だから、その切りかえでかりに朴政権との間に妥結した場合、日本の方は請求権の問題はそれで片づいたという解釈。それから、この前から外務委員会でもあなたが答弁しているように、ただその解釈だけじゃない、その協定文なら協定文で、これは平和条約四条にいうところの請求権がこれで片づいたのだということをはっきり合意した旨を協定に書くのだ、こういうこともあなたは言うわれた。そうすると、その協定を結んで、はっきりこれで請求権問題というものは片づきましたという意思表示をした相手方の政権が、やはり向こうの大衆に根をおろし、向こうの大衆に支持されて、簡単にこれがくつがえされないというある程度の保証がなければ、これは安心できないではないかということを、宇都宮さんが繰り返し質問したわけですね。そのときはっきりここで言っています。これは去年の九月ですよ。「おそらく韓国政権は今後いろいろ変わるわけです。少なくとも現有の独裁的な形が改められるということはすでに約束されている」、——民政移管の約束のことを言われているわけですが、「これは政権に対して何らかの変化があるということは間違いないわけです。」言っている。そういう変化を考えた場合に、その請求権というものを供与方式でもって解決したということになっても、後に現われた政権から未解決というような要求が出てくる心配があるのではないかということをここで表明されているのです。
そこで、革命の政権の中でも、ああいうふうに、革命のときの公約違反だというような勢力が出てきて、そうして、中心の金鍾泌さえ亡命状態にならなければならなくなった。そうして、旧政治家をどう扱うかということでまだごたごたしている。かりにこれが押えつけるかあるいは妥結によって一時しのぎができても、ほんとうに交渉相手とするには、われわれの立場より以上に自民党さんあるいは政府の交渉を促進するという立場から言っても、あれじゃしばらく静観するのが当然のことじゃないかと思うのです。それを、きのうの総理の答弁で言っても、これはとにかく合法的なものであるという解釈ができる政権でありさえすれば交渉はやるのだ、こういう答弁をやられること自体が、ほんとうに国民の利益というものを心配してこの交渉に当たっているという態度じゃないと私は思う。外務大臣もあの答弁を聞いておられておそらくそう思っただろうと思う。そういう点、ほんとうに両国の国民のために、親善友好のために、これを同じ妥結するにしても、もう少し心づかいのあふれた態度というものが私は必要じゃないかと思うのです。どうでしょう。
この発言だけを見る →そこで、革命の政権の中でも、ああいうふうに、革命のときの公約違反だというような勢力が出てきて、そうして、中心の金鍾泌さえ亡命状態にならなければならなくなった。そうして、旧政治家をどう扱うかということでまだごたごたしている。かりにこれが押えつけるかあるいは妥結によって一時しのぎができても、ほんとうに交渉相手とするには、われわれの立場より以上に自民党さんあるいは政府の交渉を促進するという立場から言っても、あれじゃしばらく静観するのが当然のことじゃないかと思うのです。それを、きのうの総理の答弁で言っても、これはとにかく合法的なものであるという解釈ができる政権でありさえすれば交渉はやるのだ、こういう答弁をやられること自体が、ほんとうに国民の利益というものを心配してこの交渉に当たっているという態度じゃないと私は思う。外務大臣もあの答弁を聞いておられておそらくそう思っただろうと思う。そういう点、ほんとうに両国の国民のために、親善友好のために、これを同じ妥結するにしても、もう少し心づかいのあふれた態度というものが私は必要じゃないかと思うのです。どうでしょう。
大
大平正芳#9
○大平国務大臣 その点はたびたび本委員会でも私から申し上げておるのでございますが、韓国に限らず、一般的に、外交交渉をいたし、その交渉の結果を妥結していくということをやる場合に、双方がその交渉主体としての能力を持ち、かつその妥結内容を国民的に将来に向かって保証するに足る能力がなければならぬということは、どの場合の外交交渉におきましても大前提であるわけでございまして、日韓交渉だからそういう点はぞんざいでいいんだなんということは毛頭私どもは考えておりません。ただ、松木さんに御理解をいただきたいのは、私どもは今妥結しようとしておるのではないんです。問題は、たくさんの懸案をどういう姿で解明し消化して参るかということの工夫をやっておる段階なんでございまして、そういうことは、現に懸案が存在しておる以上、そういう究明まで懈怠していいなんという理屈は、私はどこからも出ないと思うんです。私どもは、外交当局といたしまして、そういうことを究明して解決法式をどうして見出すかという努力は、あらゆる瞬間に忘れてはならないことでございますということは、たびたび私は申し上げておるわけでございます。総理がきのう御答弁になりましたゆえんも、そういった大前提は当然大前提として踏まえられた上で御答弁されておるものでございまして、あなたが御心配のような、こちらが何かぞんざいにやっちまうんじゃないかというようなことを御懸念のようでございますが、そういったことは毛頭御心配には及びませんから、御安心いただきたいと思います。
この発言だけを見る →松
松本七郎#10
○松本(七)委員 その点を百度念を押しておきたいと思うんです。韓国の場合は、今の交渉の内容から言っても、非常に不安定要素が多いわけでしょう。前から問題になった、今も問題になった請求権が、供与法式によってでも解決したという合憲がかりにできたとしても、それも一つの不安定要素ですからね。だって、法的根拠のあるものに限るというあの態度が一致しないのだから、やむを得ず供与方式に切りかえるわけでしょう。それで、この請求権問題は解決しましたということに相手国側の政権との間には合意ができても、それじゃ、はたしてこの政権のそういう態度がほんとうにいつまでも国民に支持され認められるかというと、依然としてそこのところに不安がある。それから、もう一つは、日本側は今の政権を限定政権だと言っておる。これはもう政府が再三この委員会を通じてはっきり答弁してきたわけです。ところが、相手側の政権は決して限定政権だなんと言ってない。いや、おれの方は全朝鮮をやがては統一するんだ、統一政権だ、こういうふうな自負心を今の政権は持っているでしょう。ところが、こっちは限定政権だという解釈です。その点も協定ではっきりさせると一応は言っておられるけれども、はたして限定政権だというような言葉を使うかどうか、そこのところははっきりした答弁をまだいただいておりませんけれども、何らかの表現でそこをはっきりさせるとあなたは再三言われた。ところが、そのことについても、それじゃ、妥結したものについて、限定政権としてこれは妥結したということが、今後いつまでも別な政権に対してもそれが通用するかというと、今日のような状態を見れば保証はない。だからこそ、やはり今の相手国の実態というものをもっと考慮しながら慎重な態度をとらなければならぬ。こういうふうな不安定要素を含んだ交渉では、私は実態を考慮すべきであると思うんですね。だから、形式的にただとにかく交渉は合法政権とならやるんだというようなことを言われるから、よけい、不安定要素を持っておる相手国との交渉で、そういうことを軽々しく軽視して交渉に当たっているんじゃないかという心配が、私は依然として国民には強いと思いますよ。だから、その点は決してそうじゃないのだ、そういう不安定要素が多ければ多いほど、韓国については特に安定政権ということを重視してやるということを、やはり責任者としての大臣からこの際はっきり言明しておいていただかないと、私どもはそれは心配で心配でたまらないですよ。
この発言だけを見る →大
大平正芳#11
○大平国務大臣 たびたび私から申し上げておる通りでございまして、軽率に問題を処理しようなんというような意図は毛頭ございませんで、慎重の上にも慎重を期して参るつもりでございます。
この発言だけを見る →松
松本七郎#12
○松本(七)委員 それならば、引き続いて伺います。この間これは岡田さんも質問したことですけれども、金鍾泌をめぐるいろいろな疑惑も向こうではある。それから、私もきのう、言ったように、大野さんが韓国を訪問した前後をめぐって、いろいろな政治資金をめぐる疑惑というものがあるわけですね。こういうものが出てきておるときは、当然、責任者である大平さんとしても、やはりある程度の調査はされたんだろうと思いますが、どの程度の調査をされたのか、政府の調査の結果をこの際説明してもらいたいのです。
この発言だけを見る →大
松
大
大平正芳#15
○大平国務大臣 何と言いますか、政府として調査をするという材料もございませんし、また、そういうことは韓国の中の問題なんでございまして、私どもが云々すべき性質のものじゃないと思います。
この発言だけを見る →松
松本七郎#16
○松本(七)委員 いやいや、韓国だけの問題じゃないのです。たとえば、私がきのう本会議場で質問した永登浦の紡績工場の問題にしても、日本から技術者がたくさん行っているし、それから、あとでこれは申しますけれども、この永登浦にある紡績工場というのは、徐甲虎という人が払い下げを受けたもので、この人は阪本紡績という紡績工場を関西に持っておる人なんですけれども、この阪本紡績の顧問を大野伴睦さんはしていると言われている。これはどちらかというと私どもとあまり関係のない新聞ですが、これはあなたも読まれたと思いますが、日本政経新聞、これにも出ています。それは、これにも出ているということであって、私どもの調べたところじゃ事実らしいです。だから、そういう疑いがあれば、政府としてもやはりもっと調査をして、そうでないならばないとはっきりしてもらわなければ、疑惑というものはいつまでも消えませんよ。ただ調査する必要がないじゃ済まない。これは、つまり韓国の与党ですね、民主共和党、受持はまだ名前ははっきりしてなかったけれども、与党の結成について、朴最高会議議長を総裁として、大統領に推しその政策を支援するもので、朴議長の懐刀といわれる金鍾泌中央情報部長がその結成に当たっている、——つまり与党の結成ですよ。その発起人の中に自民党大野副総裁と親しい線を持つといわれる徐甲虎氏が顔をつらねていることは注目される、徐氏は日本名を阪本といい、大阪で阪本紡績——泰昌紡績社長をやり、資産四千億円以上といわれる資本家で、大野・金鍾泌両氏を結びつけたともいわれている、ここにこういうのが出ている。そこで、私ども、これで何か関係があるのかというので調べてみましたところが、大野さんはこの阪本紡績の顧問をしておるということが言われておる。それがもし事実でなければ、一つその事実でないことを政府の調査に基づいてはっきりしていただきたいと思うんですけれども、そういう関係があると言われているわけです。そこで、きのう私が本会議で問題にしましたのは、徐甲虎という名前は申しませんでしたが、私どもの調べたところでは、韓国の永登浦に泰昌紡績というのがあったのですが、これは四年前に閉鎖しています。そして、そのときにどうも韓国の政府所有に移っているらしい。そして、この泰昌紡績というのは米国が施設を投資してつくったものらしい。これは李承晩大統領時代に設立しています。それが四年前に閉鎖をしている。それを昨年十二月、大野さんが訪韓した前後、そのときの韓国の貨幣で四十億円と評価されておったのですが、それを九億円で、しかも五年間の分割払いでこの徐甲虎氏が払い下げを受けたのです。それほど特権的な条件でなぜ払い下げを受けたかということが韓国で問題になって、それは、この徐甲虎氏が関西で持っておる阪本紡績は大野副総裁が顧問をしている、これは大野さんと金鍾泌を結びつけたところの報酬だと向こうでは騒がれたわけですよ。そして、その上に、きのうもちょっと私は申しましたように、日本からは施設も出した。それから技術も出した。四十名以上の日本人を管理職員として日本から連れて行ったのですよ。それで、工場では常用語として韓国語をやめて日本語を強要しているということから、これはことしの二月に創業したのですが、韓国の工員がこの間からストライキで騒いでいるというような状態です。向こうでは、これが保税加工貿易方式の典型であって日本の経済進出だというような非難もずいぶん高まっているわけですけれども、こういう事態があるということになりますと、やはり、金鍾泌との今までのいろいろな動きにしても、そしてまた、大野さんが、きのうも私は触れたように、むしろ軍政の方が韓国の国民の反対を押えつけて日韓会談をやりやすいのだ、こういうことを言われると、ますますこの疑惑というものは深まらざるを得ないじゃないですか。それを、ただ、政府が、責任者が、それは知りませんじゃ、私は済まないと思う。一つ調査して下さい。しているのなら、否定できるだけの材料を出して下さい。
この発言だけを見る →大
松
大
松
松本七郎#20
○松本(七)委員 それなら、内閣は外務省だけでできているのじゃない。交渉は外務省がやるだろうけれども、この交渉をめぐってこういう疑惑がある以上は、内閣全体として国民の前に明らかにする責任がある。それじゃ、調査する権限のある役所に外務大臣は要求して下さい。総理大臣を通じて要求して下さい。
この発言だけを見る →大
松
松本七郎#22
○松本(七)委員 そうすると、きのう総理大臣は、経済的な関係は民間でやることだからおれは知らぬというような答弁をされていましたが、そういう動きがあってますます疑惑が深まっても、これ以上調査も必要ないと思われますか。それから、経済的な関係について放置するお考えですか。まだこれからも韓国に行こうとしているのはたくさんいますよ。私が今まで調べたところでも、ここにずっとメモをつくっていますが、団員の名前まである。もし必要ならば、私はこれをずっと出して、あなたの調査の便宜に供しようと思いますが、これ以上調べる気持があるのかどうか。
この発言だけを見る →大
松
大
松
松本七郎#26
○松本(七)委員 そういう答弁をするからいよいよ疑惑が深まるばかりなんです。そうして、ほんとうに国民の利益というものを考えてない証拠です。疑惑があるのに、交渉の担当者である外務大臣が、自分がその立場にないからといって調べることを拒否するというような態度、それがすでにこの日韓会談の本質をよく現わしているのです。関連があるそうですから一つ……。
この発言だけを見る →安
岡
岡田春夫#28
○岡田(春)委員 今外務大臣は、予算委員会でその点に関して答弁をしているからいいじゃないか、こういう御答弁があったのですが、それは私の関係なんですけれども、きょう中山さんは見えてないですか、経済局いないですか。——経済局の関係で、この間通産大臣の答弁したことで、明らかに私の方が正しくて通産大臣が間違っている、でたらめを言っている事実があるのです。たとえば、あなたはお聞きになっておられたでしょうが、新潟鉄工から出すといわれている五十二両のディーゼル機関車、これは延べ払いの問題があるだろうと思うが、そういう事実はございませんと言いましたね。ところが、経済局の関係でお調べ下さい。私に答弁をした一週間あとに、通産省と外務省でディーゼル機関車の延べ払いを正式に認めているじゃありませんか。この点は一体どうなんですか。あとになってから認めているというのは、そのときにもうすでにきまっていることだと思うが、そのときには知らないと言ってごまかした。予算委員会で適当にごまかしておいて、私がその問題を出したので直ちには正式決定ができなかったけれども、四、五日置いてからあのディーゼル機関車の延べ払いを認めているじゃありませんか。それは外務省だって関係局ですよ。共管事項だ。こういう事実は一体どうなんですか。延べ払いの点は、認めているということは大臣御存じなんでございましょう。
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