曾禰益の発言 (外務委員会)
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○曾祢益君 私は自分の昨日の質問に続きまして、主として外務大臣に御質問申し上げたいんですが、関連いたしまして、経済企画庁のほうからもお示しを願いたいのであります。それは昨日も申し上げましたように、今度の移住事業団法案を提案するにあたって、政府が移住審議会の答申に基づきまして、少なくとも従来のような単に過剰な労働力を海外にはけ口を求めるというような古い観念の移住からは何とか脱却しようと、こういう前向きの姿をわれわれは見て、それに賛成するものでございまするが、どうもまだ、そうかといって、新しい観点と私は思うのでありまするが、日本の過剰労働力を何とか向こうに出そうということに重点を置かずに、日本のこれからのコンストライクティヴな、建設的な海外活動という観点ははっきりと焦点を合わせて、必ずしも大量の定着の農業移民を外へ送るということでなくて、むしろ農業もあろうし、工業もあろうし、経済、社会、文化、いろいろな活動において、日本の国民に海外に一つの新しいフロンティアを求める機会を与える、そしてその当該国に対する日本の一種の技術的、文化的援助である、いわば新しい平和部隊的な思想に立ったほうがいいんではないか。むろんその中にも、相当まだ当分の間、量的には農業方面から出る人もあるでしょうけれども、しかし、それは量的にもそうたいしたことを期待するのは間違いではないかという意味で、もう少し竿頭一歩を進めて、海外経済協力——日本の労働事情がプライム・モーティヴでなくて、日本の対外活動、対外援助、こういうことをプライム・モーティヴとして総合的な施策をすべきではないか。まあそういった趣旨のことを申し上げながら、外務大臣、農林大臣等の御意見を伺おうと思ったわけですが、その続きでございまするけれども、特に経済企画庁長官にお尋ねしたいのは、きのうも農林大臣にそういう意味で率直に申し上げたつもりなんですけれども、大体この日本の農業の当然の構造改善からいって、池田総理がかつて言った四百万人貧農切り捨て政策というようなことは、まさか政府も考えておられないでしょうけれども、確かに一種の過剰労働力があるけれども、その労働力をまず第一義的には農業において、第二義的には他の国内の必要な産業方面にこれを吸収し、それをうまくリセットルしていくような政策が当然とられなきゃならないので、何か海外に土地が余ってそっちに行れるじゃないかというようなことで、従来とかく移住というものを取り上げられた観点は、国内政策の貧困を移住ということでカバラップしているという、カムフラージュに使っているきらいすらあるのではないか。現実には日本の今後の経済成長が、みんなが——おそらくこの点は国民もこれには異議がないと思うのですけれども、結果は経済成長が高度に進み、そうして日本の経済社会の体質が改善されると、こういう観点からいえば、一体これからの日本の労働力需給関係をどう一体見て、今後の経済政策を立てるか、これは非常に重要な問題で、おそらく農業あるいは不況産業である石炭産業等から、一時的には過剰労働力は出るでしょうけれども、そういう、どっちかというと若々しい非常に優秀な労働力というのは、ますます先細りになるので、日本のほうで一時困るような労働力は、日本の国内で社会保障の観点を加えて親切に吸収してあげなければならないので、そういうものを外国に無理やりにかりに押し出したとしても、これは決して成功もしなければ、本人にも気の毒だ。だから、大量的に過剰労働力を海外のほうへはけ口を求めるという考えは、もうそういう労働力の需給バランス、高度経済成長から見て、それから質的の問題等から見て、これは主として農業労働のことでございますけれども、他の過剰労働も含めて、あまり量的に従来の観念のように海外に持っていってやるということは、実はもうそんな考えは古くさいのではないかとすら私は感ずるのです。そういう長期的な経済計画という観点に立たれた経企長官として、私はきのうも率直に、外務大臣は日本の農業方面のいろいろなインタレストからだいぶプレッシャーをかけられておって、かりに私の考えているような海外経済協力という方向に向けようと思っておっても、現在の外務大臣としてはすごく低姿勢で、まず機構一元化をやってもらいたい、その次に、移住基本法でも出す機会に、漸進主義的に私の考えているような方向をお考えになるのではないか——これ想像ですけれども、そういうあんまり政治的な判断にかかわらず、そのものずばりで経済企画庁長官のそういう方面に対する高邁なるひとつ御意見を伺いたい。