近藤鶴代の発言 (内閣委員会)
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○国務大臣(近藤鶴代君) ただいま議題となりました科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
近年における科学技術の進歩は、まことに目ざましいものがありますが、特に世界の先進国における宇宙の利用及び宇宙科学技術の進展は、通信衛星、気象衛星、測地衛星等を開発してその実用面にも新分野を開きつつあるばかりでなく、これらに関連する科学技術の諸部門の発達を促進し、一国の科学技術水準の向上にきわめて甚大なる影響を及ぼしております。
わが国においてもすでに従来から、宇宙科学技術の振興をはかって参りましたが、これを一段と強化し、かつそのための体制を整備することは、焦眉の急務であります。これがため、科学技術庁の権限に宇宙の利用を推進することを加えるとともに、航空技術研究所を航空宇宙技術研究所と改称し、宇宙科学技術に関する所要の試験研究等を行なわしめ、もって宇宙の利用及び宇宙科学技術を積極的かつ強力に推進しようとするものであります。
また、わが国は、地理的条件からして自然災害について世界有数の被害国であり、これらの災害を防止し、軽減し、復旧することに関する科学技術の振興をはかることは、各方面から強く要望されるところでありますので、科学技術庁の附属機関として、防災科学技術に関する総合的中核的機関の性格を有する国立防災科学技術センターを設置したいと考えております。
また、わが国の原子力利用の進展に伴い、茨城県東海村周辺地区は、現在、多数の原子力施設が設置されており、これら原子力施設の検査、監督を強化し、周辺地域の放射線監視を厳に行なう必要があり、これがため、水戸市に科学技術庁の支分部局を設置する必要、があると考えております。
以上によりまして、科学技術庁設置法の一部を改正する必要がありますので、本法案を提出する次第であります。
次に、本法案の概要を御説明いたします。
第一に、科学技術庁の権限に、宇宙の利用を推進することを加えるとともに、これを研究調整局に所掌せしめることであります。
現在、無線通信、気象観測等の面における宇宙の利用につきましては、関係各省において、それぞれの行政目的に応じてこれの促進をはかるべく努力がなされておりますが、科学技術庁におきまして、これらの総合的な推進をはかるとともに、宇宙飛翔体の試作、打ち上げ業務等に関する事務をつかさどる等宇宙の利用に関する先導的役割、ないしは研究環境整備のための役割を果たそうとするものであります。
第二に、航空技術研究所を航空宇宙技術研究所と改称するとともに、これに宇宙科学技術に関する所要の試験研究等を行なわしめることであります。現在、航空技術研究所は、航空技術の向上をはかるため、風洞等のごとく関係行政機関に重複して設置することが多額の経費を要するため適当でないと認められる施設、設備を設置し、これを必要とする研究及び試験等を行ない、あわせてその施設及び設備を関係行政機関の共用に供する機関でありますが、宇宙科学技術に関する試験研究またはそれに必要な施設、設備は、航空技術のそれと密接な関連を有するものである点にかんがみ、航空技術と同一の態様において、航空宇宙技術研究所においてこれをあわせて行なわしめようとするものであります。
第三に、科学技術庁の附属機関として、防災科学技術に関する総合的中枢的機関の性格を有する国立防災科学技術センターを新設するとともに、これの管理、監督等の事務を研究調整局に所掌せしむることであります。国立防災科学技術センターは、防災科学技術に関する試験研究のため必要な施設、設備であって、関係行政機関に重複して設置することが多額の経費を要するため、適当でないと認められるものを設置して、これを関係行政機関の共用に供し、また、関係行政機関の要請に応じ、当センターの研究員を派遣して、その行政機関の研究及び試験に協力する等の総合的、かつ、中枢的な業務を行なうほか、特定の研究及び試験を実施する機関であります。
第四に、科学技術庁の地方支分部局として、茨城県を管轄区域とする水戸原子力事務所を昭和三十八年十月一日から置くことであります。本事務所は、茨城県水戸市に置かれ、原子炉に関する規制に関する事務その他の原子力局の所掌事務の一部を分掌するものであります。
なお、科学技術庁の事務の増加に伴いまして、職員の定員を増加する必要がありますので、所要の改正を行なうことといたします。
以上、本法案の提案理由及び内容に関する概要を申し上げました。科学技術振興の重要性に対する皆様の深い御理解によりまして、慎重なる御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。