兼重寛九郎の発言 (科学技術振興対策特別委員会)

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○兼重説明員 お尋ねでございますので、要点だけ申し上げますが、わが国のそういうことに対します規定では、一般の周辺監視区域外、一般人の立ち入りをしている制限のできない地域のことでございますが、そこの空気中または水中の放射性物質の許容濃度は、三カ月間についての平均濃度が第六条第一号から第四号までに規定する許容濃度の十分の一とする。そのほかこまかいことはございますが、基本はそういうふうになっております。その基本が、先ほどから出ておりますようにICRPの新しいほうの勧告、それに対しまして全く同じではございませんけれども、日本側はいつも小さいほうの数字をとっております。そういうのでございますが、アメリカ側のスキップジャック報告といわれておりますこの報告の中に書いてありますことは、米国側は放射性廃棄物の投棄によりまして、環境内の放射性核物質の平均濃度が米国標準局便覧第五十二号に掲げられた連続被曝の場合の最大許容濃度の十分の一以上に増大しないようにすることを目標とすると書いてございます。これは当時それが五十二号でございましたけれども、今度それが六十九号であるらしいことがわかったのでございますが、その十分の一を、日本で申しますと周辺監視区域外の一般の地域が十分の一をきめているのと同じように、アメリカ側はその平均濃度がそれの十分の一以上に増大しないようにということを目標にすることは同様なのでございます。
 そこで、今度はそのための廃棄手続で、潜水艦からあるいは原子力軍艦から投棄されますそういう放射性の液体は、職業人に対するちょうど百倍、一般人に対する千倍でございますが、その千倍をこえないものは捨ててよろしい、こういうふうに言っているわけでございます。そのことが日本で申しますと、これは保安規程というのできめているのに当たるわけでございます。その保安規程によりますと、日本でも職業人に対する値の百倍をこえない場合には、三カ月間の平均が十分の一、職業人に対するものの十分の一をこえない場合には、これを捨てていいという保安規程を幾つかつくっておりまして、原研のJRR1と言っているころからそれを使っているわけでございます。したがって、そのことから申しますと、アメリカの排出水の百倍以上でなければ捨てていいということと、日本が三カ月の平均に対して十分の一をとっていることとは、比較するものが違っておりますために、それでいまのような誤解が起こるのではないかと思います。
 そこで、その反映したということは、もちろんその勧告あるいはNBSHB六十九号そのものではないと思いますが、かりにそのようにとりましても、たとえば日本は三カ月で平均をとりますけれども、ICRPの勧告は一年の平均というようなこともあります。アメリカは一年未満の平均と言っておりますから、これはアメリカと日本とが全く一緒にはならぬわけでございます。したがって、むしろ大事なことは、エード・メモワールの中に言っておりますように、「原子力潜水艦の液体排出物は、日本国の法律及び基準並びに国際基準に完全に適合するものである。」そのことでございます。これは排出物を言っておりまして、その基準のことは言っているわけではないのでございます。ですから、そのことだけを信用すれば、それで日本の基準に合うようなものを捨てるということになるのでございます。しかし、前から、五十二号を反映したものであっては、そうは言ってもとても日本の基準に合うようなものを捨てるということはできないじゃないか、こういう御意見も学術会議その他から聞いておりますので、そこでその裏づけになるように、もとの廃棄するところの基準が日本と同じICRPの新しいほうの勧告を反映したものであるかないかということを知ることが大事な点だと思って、それを確かめたわけでございます。したがって、反映しているから、もうそれでいいのだというふうにはすぐにまいらぬことはお説のとおりでございます。

発言情報

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発言者: 兼重寛九郎

speaker_id: 13127

日付: 1964-09-09

院: 衆議院

会議名: 科学技術振興対策特別委員会