西村関一の発言 (科学技術振興対策特別委員会)

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○西村(関)委員 ただいま科学技術庁長官のお答えの中では、二つに分けて調査するというお話でございましたが、いま原子力局長の御答弁では、もうすでに年間を通じて一億円の予算をもって調査ができておるし、十分な資料もできておるということでございます。
 しかし、いま問題になっているのは佐世保とか横須賀とかいうような、アメリカ原子力潜水艦の寄港が予定されている地域に対するバックグラウンドの測定の問題でございまして、日本全体の問題としての資料はできておりましても、そういう点についてはなおさらに、一カ月以上ということを長官がお答えになっておられますが、専門家の見解ではどうしても一年くらいはかかるだろう、かかるというふうにいわれておると聞いております。一カ月以上、以上といえばこれはなかなか意味のあることばでございますけれども、こういう点についても、いま、それならば一カ月以上というのはいつまでかといったようなことを私は伺おうと思いませんが、慎重な上にも慎重なバックグラウンドの測定をなさらないと、またそれが国民の納得のいくような調査の資料が出ないと、原子力潜水艦がかりに寄港するといたしましても、その後の放射能の問題についての科学的なデータ、原子力潜水艦が入港してから後の放射能の状態を測定するのと対比する科学的なデータにはなかなかなりかねると思うのでございまして、これは単に言いのがれのためのバックグラウンドの測定であって、国民の目をごまかすための測定であるというふうにとられましてもしかたがないと思うのでございます。こういう点につきましては、日本の科学者の意見も十分に聞いて、納得のいくような測定をなさることが必要ではないかと思います。
 私は、同僚の委員の皆さんがたくさん質問を用意しておりますから、お伺いしたいことはなおたくさん残しておりますけれども割愛させていただきますが、最後に長官にお伺いをいたしたいのでございます。
 原子力委員会の委員長として、今回の決定をなさるにあたっての委員会の方針は、すべてアメリカ側が約束していることを守るという保証の上に立っている、その前提の上に立っているということでございますが、そのアメリカ側が言っているところの保証またはその委員会が前提としておられます点につきましても、私はいろいろ問題を感じておるのでございまして、その問題点についてここで解明をいただく時間的な余裕がございません。ただ残念に思いますことは、日本のほとんどすべての原子科学者が心配をしている、いまなお疑問を持っている、これだけの資料では十分に納得がいかない。原子力委員会の見解では、安全性の点だけにしぼって考えても、原子炉の安全性また第一次冷却水の排出に関する安全性の問題、さらに事故があったときの安全性の問題といったような点について、日本の権威ある原子科学者が十分に納得してない。一、二の例外はあるとしましても、ほとんど大部分の科学者が納得をしてないというのにかかわらず、アメリカ側の言い分だけを信用して、それだけにたよってやっていくということは、あまりにも原子力基本法の平和利用という、三原則の自主性というものに対して私は委員会としてはきわめて権威を失墜する結果になるのじゃないかという心配をするのでございます。今後原子力の平和利用がますます盛んになってまいります。またならなければならないと思いますが、そういう場合において、権威ある原子力委員会の信用がこの点において失墜をいたしますならば、わが国の原子力開発、平和利用に対する開発に一大障害を与えるのじゃないか。私は、アメリカ原子力潜水艦の寄港の問題と離れて、そういう点はかつてのデンマークの原子力委員会がとりましたようにき然たる態度で、科学的な、あくまでも科学的な判断に立って、そこには長官はいささかも政治的な判断をまじえてない、あくまでも原子力委員会の精神、機能に立って科学的な見地から結論を出したというふうにお答えを出しておられますが、どうも私どもといたしましては政治的判断が勝っておるというふうにしかとれないのでございます。こういう点、最後に私は大臣の御所信をあらためて承って、自後の質問は別の機会に譲らしていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 104603913X02019640909_021

発言者: 西村関一

speaker_id: 8562

日付: 1964-09-09

院: 衆議院

会議名: 科学技術振興対策特別委員会