大出俊の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)

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○大出委員 ただいま御発言がありましたように、ILOに提訴した当時の一人でありますが、それだけに実は国際的な事情というものについても、戦後七回ほど外国に行っております関係で多少知っているつもりでございます。そういう意味で実は昨日、稻葉さんからの御発言に、最初のところでありますけれども、どうも国際的ないろいろな事情があってどうやら差し迫られているようだけれども、そんなことは一口に言えばどうでもいい、日本の自主性に立って、それが一体日本という国にとってプラスかマイナスかなどということを考えて、自主的にきめるべきだというお話があったわけでありますが、ここで論議されておりますことも、いろいろな方面から議事録という形でILO事務局にそのまま入っていく性格でもありますので、私は、多少事実も明らかにしていただきながら、その間の事情をひとつ御認識を賜わりたいと考えるわけであります。
 そこで、お忙しいところをまことに恐縮でありますけれども、外務大臣の御出席をいただいたのでありますが、日本がILOを脱退いたしましてから、つまり一九五一年の第三十四回ILO総会におきまして、再加盟が実現したのであります。国際連合に入ることが即ILO加盟の条件になるという方法と、総会の決議を得るという二つの方法がありますが、当時入っていなかったために、もう一つの方法をとったわけでありますけれども、一九三八年の脱退以来十三年ぶりにILOに復帰したわけであります。このときにたくさんの国から相当手ひどい反論が出されているわけであります。当時の議事録に明らかでありますが、さらに当時ILOの長老といわれ、フランスの前総理大臣であった。ポール・ラマディエ氏等が仲に立ちましてこの反論を押えて、われわれはこの放蕩むすこの帰宅を迎えようではないか、そして全く違った経験を経てきた日本が、最もよき経験はその社会福祉をより高い段階に尊くことにあると将来認めるであろうことを希望する、こういう、ILOの歴史の中では歴史的な発言をされて、かくて各代表が納得をし、日本の再加盟が認められた、こういう経緯になっておるのであります。この間に、脱退以前に批准していたILO条約なりその後の条約等についての扱いが論議されておりますけれども、日本はそこでは大きな道義的責任を負って復帰をしたといういきさつになっておると存ずるわけであります。したがって国際事情がどうあろうとも、その前にまず、これは稻葉さんもおっしゃったとおり、日本の道義的責任、前向きで考える意味の自主性という点で、どこからどうお考えになろうとも、八十七号という基本的な条約は批准すべきものだと私は考えるわけでありますが、八十七号を担当する外務大臣の立場でまずどうお考えになっているか、明らかにしていただきたいと存じます。

発言情報

speech_id: 104604313X00519640508_004

発言者: 大出俊

speaker_id: 17168

日付: 1964-05-08

院: 衆議院

会議名: 国際労働条約第八十七号等特別委員会