大出俊の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)
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○大出委員 このあたりで明らかにしておきたいのでありますけれども、欧州各国等における団結権あるいはストライキ権、特に公共部門あるいは公務員についてのストライキ権の問題、団交権の問題がどうなっているかという点であります。いろいろ現地に行って調べて記録をいたしておりますけれども、その内容からいたしますと、イギリスなんかでも、公務員をはじめとする公共部門の労働者にも争議権が明確にございます。団結権はもちろんのことであります。それから西ドイツあたりにおきましても、私も一昨年半月ばかり行っておりましたが、公共部門の労働者には争議権が明確になっております。公務員の場合には、向こうの基本法の三十三条をもちまして官吏の争議を禁止したのだという学説と、そうでないのだという者との争いがございますが、官吏の争議行為は、一般労働者の場合と同じように、一般の法秩序のワク内で法的評価を狩ることになる。つまり争議行為禁止の規定がない、こういう状態になっております。フランスにおきましても、公共部門、さらには公務員、これに争議権が存在をいたします。例のラニエル内閣が退陣をしたときの、フランスのゼネストの発端はボルドーの郵便局でありますから、その事例をお考えいただいても私は明確だと思うのであります。さらにイタリアにおきましても、公務員をはじめとする公共部門の労働者には争議権があるのであります。スエーデンの場合なんかは、禁止されているけれども、ボイコットやあるいは集団的に雇用契約の解約告示をして仕事をやめて、ストライキと同様の形をとっております。さらにデンマークなんかにおきましても、公務員をはじめとする公共部門の労働者にも争議権があるわけであります。さらにオーストリア等におきましても、同様に何らの制限立法はございません。オランダ等につきましても、さらに欧州の各国を洗った場合に特に言えることは、前回の特別委員会でも問題になっております消防なんかにつきましても、団結権があり、警察につきましても団結権がある、大多数であります。しかもフランスの消防などはストライキ権さえ持っておる、こういう事情にあるわけであります。しかも明確になっております。学説的な争いが一つある西ドイツなんかにおきましても、戦後の事情としては、戦前に世界で最高のストライキ件数を数えた西ドイツの場合に、ほとんどストライキ権、争議行為というものが、寸前で良識によって片づいている。つまりストライキ投票が行なわれて、それが一〇〇%に近づくと資本の側が譲歩をし、八〇%を割るなどということになると組合の側が譲歩をする。私的といいますか任意といいますか、調停制度もできていて珍重をされ、解決をしている、こういう事情等を考えるときに、四・一七をめぐって総理が前に出られての解決が、労働大臣以下の努力も含めて行なわれたわけでありますけれども、組合の内部事情等をながめておりますと問題はありますけれども、世上一般がこれについて認識をしている限り、一つの好感を持っているという見方がある意味ではできる。その意味で一つの意義があったと私は考えるわけでありますが、そういう時点に今日きているということを考えていただいて、今日まで政府なり資本の皆さんの側が、労働者側の権利というものを、常に対等ではなくて、一段も二段も低いところに置いておかなければ満足をしない、こういう立場をとってきておられるわけでありますが、そのことは結果的に何を意味するかといえば、失われた権利の回復を水平運動という形で行ない続けるという結果に通ずるわけでありますから、このあたりでストライキ権という問題を天下の学識を集めて論議して、国民の納得を求めて確立をし、憲法二十八条の趣旨に沿い、そしてその結果として与えるものは与えた上で、労使関係のあり方を真の意味における正常な段階に持っていく必要があるのではないか。そうしないことが今日混乱に混乱を重ねざるを得ない理由になっているのじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点についてもこの際明らかにしておいていただきたいと思います。