大出俊の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)

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○大出委員 いまの点とからみますのでもう一つ申し上げますが、また昨日の労働大臣の答弁にもあったのでありますが、よく全体の奉仕者ということをあげられるわけであります。スト権剥奪——剥奪という言葉はなるべく使わないようにしているのでありますが、まあスト権がなくなったということが憲法二十八条違反にならない論拠として政府はあげられておる中に、全体の奉仕者ということがある。これについて官公労働者は国民全体に奉仕をする義務を負っているのだ、その雇用主は国民全体であるのだ、こういう前提に立っているわけであります。その雇用主たる国民全体に反抗することになる、これは民主主義の原則にもとるのだ、こういう立論になってくるわけでありますが、官公労働者の争議権が問題とされますのは、ここが一番重要だと私は思うのでありますけれども、現実に指揮命令を受けて労働を行なうという労使関係、労働関係の場においてのみであるというように私は考えるわけであります。その公務員という意味における職務の地位に関連した場における論争ではないのであります。したがって、官公労働者の相手とされるのは、国民全体ではなくて、あくまでも労働に関して直接指揮命令をなしてくるところの使用者としての当局であり、政府であるということになります。もしこれを混同、混淆いたしますと、その結果、国民全体即政府ということになってしまいまして、今日国民全体が政府であるというふうに考えている人はないと私は思うのであります。したがいまして、憲法十五条にいう「すべて公務員は、全體の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」という規定は、天皇の官吏といわれた旧憲法から、そうではないのだという点を明確にする意味における国民の奉仕者という概念であるというふうに私は存じますので、その点についても明らかにした上で問題の処理に当たっていただきたいと存じます。御見解を賜わりたいと思います。

発言情報

speech_id: 104604313X00519640508_025

発言者: 大出俊

speaker_id: 17168

日付: 1964-05-08

院: 衆議院

会議名: 国際労働条約第八十七号等特別委員会