大出俊の発言 (国際労働条約第八十七号等特別委員会)

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○大出委員 ところで、この特別委員会の論議の中でもちょいちょいことばに出るのでありますけれども、四・一七の違法ストというわけでありますが、これについても、私は、あとでこれはILOレポートとからむので申し上げておるのでありますから、そういう意味でお聞き賜わりたいのであります。はっきり申し上げておきますけれども、憲法九十八条におきまして、国の最高法規たる憲法に違反する法律、命令は効力を有しないと宣言しているわけであります。最高法規の宣言があるわけであります。さらに憲法第八十一条で、最高裁判所の違憲立法審査権というものを明らかにいたしております。しかしこの審査手続その他を調べてみますと、違憲立法審査権というのは、一般的に、さらに抽象的になされるべきものではなくて、個々の係争事実としてのケースを通じてのみ審査し得るとされているわけであります。国民が違憲だと感ずる悪い法律につきましては、これに反する行動をもって違憲審査を求める以外に法律的に憲法改正をさしていくという法律的な手続はないのであります。この点はILOでも同様でありまして、慣行としては、国内に問題が起こらなくなれば、ILOの結社の自由委員会の働きも終わってしまいます。本来批准するべきものでありますけれども、しかし現実にはそういう面があります。だから日本の国内で労働組合はいろいろなことをやるのだが、いいかげんで腰くだけでやめてしまうのではないかということをILOの場における労働者側委員のたくさんの人から注文がつけられた上で、それならばわれわれも本腰を入れて審査に出たる、こういうことを言っているわけであります。同じようなことになろうと私は思うのでありますけれども、国内に係争事実がなくなれば、なかなかILOの結社の自由委員会の審議も進展をしない、こういうたてまえがあろうと思います。したがって、先ほど申しましたように、いつも労働者の権利を下に抑えておくという筋道は、逆に違憲審査の場をつくり出して国の憲法を、ないしは国の憲法的秩序、こういうものを正していくということに憲法解釈論上から運動が進んでいく、こういう結果に私はなりかねないのではないかと思うわけであります。したがって、そういう基本的な問題を俎上に乗せての今日の段階における、——ILOのレポートも、いろいろあとから申し上げますが、あるのでありますから、そういう時期のとらえ方が私は必要ではなかろうかというふうに思っておるのでありますが、御所見を賜わりたいわけであります。

発言情報

speech_id: 104604313X00519640508_027

発言者: 大出俊

speaker_id: 17168

日付: 1964-05-08

院: 衆議院

会議名: 国際労働条約第八十七号等特別委員会