池田勇人の発言 (大蔵委員会)

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○池田国務大臣 政府といたしましては、国家国民全体のための利益を考えてやらねばならないのであります。もちろん貿易の振興ということは、国家の利益になることはお話のとおりでございます。しかし国の安全と平和、長い目で見ての国の繁栄、世界の平和ということを考えますと、一国との貿易の増大のみというわけには参りません。したがいまして、私は日本の置かれたアジアにおける地位、また世界における日本の立場等を考えまして、近隣と仲よくすることはもちろんでございまするが、そういう広い大きい立場から中共問題を考えていこうとしておるのであります。もちろん中華民国政府とは、御承知のとおり日華平和条約を結んでおります関係上、しかもまたいまのアジアの情勢からいって、中共政権と中華民国との立場を考え、いますぐ思い切ったと申しますか——人によっては思い切った貿易を池田内閣はやつていると言う人もありましょう。私は政経分離の立場から、できるだけ貿易をふやしていこうという方針でただいまのところはやむを得ないのじゃないかと考えております。
 なお、イギリスがキューバにバス等を輸出したことにつきましては、これはイギリスの立場でございます。これに対していろいろの批判もあることを聞いておりますが、しかしそういうことは他山の石とすべきでございますが、イギリスがそうやったからといって日本が中共に特にどうこうということは、私はいま考うべきではない、われわれはわれわれの立場で中共と適正な民間貿易を進めていくことによって、相当の利益が上がるのではないか。御承知のとおり、昭和三十八年度は一億二千万ドル余りのものが出ました。これは前年に比べますと五割余りの増加、そしてまた前々年、二年前に比べますと三倍近く、ほとんど幾何級数的に近いほどの貿易の増加が見られつつあるのであります。私はこういうたてまえで中共貿易を進めていくことがいまの日本としては一番適正な方法と考えております。

発言情報

speech_id: 104604629X00319640206_009

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1964-02-06

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会