池田勇人の発言 (大蔵委員会)

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○池田国務大臣 貿易外収支の赤字をできるだけ少なくするためにいろいろ私も考えまして、昨年措置いたしましたことは、いわゆるとん税、上屋の使用料の引き上げ、私はとん税を調べてみますと、日本のとん税は非常に安い。だからこれは大いに上げるべきだ。なぜ上げないかというと、やはり日本の船会社の収支があまり芳しくないから、船会社に直接相当の負担がかかるというので、とん税を各国よりも非常に安くしておった。ぼくはそれはよくない、各国並みあるいはそれ以上に上げてもいいじゃないか、そうして外国の船舶にもとん税の負担をよそ並みにさすべきだ、よそ以上にさしてもいいじゃないか、そして日本の船会社が困るのならば固定資産税を安くしろ、こういうことでとん税の引き上げをやった。これは金額にしてはそうたいしたものではございませんが、考え方としてそう進むべきだというので、昨年その措置をとったのでございます。しかしそれにいたしましても、その金額は微々たるものである。何としても貿易外収支の赤字のおもなる原因はやはり船賃でございます。毎年輸出入が一割以上ずつふえていく国は世界にほとんどございません。しかも日本の輸入は非常にかさが多いものばかりで、船賃でかかる費用は相当なものなんでございます。そこで私はまず第一に、船会社の整理、そしてまた日本の船をたくさんつくる。私は誤りであったとは申しませんが、いままで輸出のために、相当外国船の受注を受けて、年に百万トン余りも、平均で百万トン以上、いまは二百万トン以上になっておりますが、そういう船を日本でつくって外国に持たす、その外国の人が日本の品物を運んで船賃をとる、こういうことはよくない。輸出船は非常に輸出貿易の促進に役立つというので奨励したのですが、もう一ぺん考え直して、輸出船もさることながら、日本の船をつくったらどうだ、こういうことで昨年来私は強くこれを言っておるわけであります。したがいまして、船会社の整理ができ、そして政府がもっと力を入れていくならば、私は貿易外収支の赤字を少なくする上に一番必要だ。所得倍増計画で申しますると、大体輸出入の六、七割を日本の船で運ぶということになりますと、千三、四百万トンの船が必要であるのであります。私はそういう方向で船腹の増加をはかっていくべきだ、こういう方針をいま立ててこれに向かって進んでおります。またその他の貿易外収支の赤字はいわゆる特許料、金利等でございます。特許料なんかも、日本の戦争によりまする科学技術のおくれを取り戻すために相当やってまいっておりましたし、またそれも必要であったのであります。これを一がいにとめるわけにはまいりませんが、これは国内の科学技術の進歩によってだんだんこれが減ってくることをわれわれ期待いたしております。また金利の問題につきましては、日本の経済の成長のために、商売を繁盛させるのに銀行から借りるのも一つの手であります。これは適正な借り入れ金ならやむを得ない。これは今後減るとは考えられないが、ふえていくものはやはり船腹によって補う。また一方は観光事業でそれを補っていく、こういうことで、私はこの前本会議で、貿易外収支を黒字にするのには四、五年かかるだろうと言ったら、意外に長いというようにお考えになりますが、四、五年でなかなかこれはむずかしい。六、七年かかるかもわかりません。しかしそういう方向で、日本の長期に見た国際収支の均衡をはかるようにいまから強力に施策を講じなければならぬ。もちろん貿易の振興も必要でございますが、日本の置かれた立場では、戦前のごとく貿易外で黒字をとるということがやはり基本方針でなければならぬというので、そういう方向で今後強力に進んでいきたいと考えております。

発言情報

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発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1964-02-06

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会