池田勇人の発言 (大蔵委員会)

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○池田国務大臣 三月危機ということが一番強く叫ばれたのは、昭和二十五年の一月、二月、三月でございます。これがなぜ起こったかと申しますると、昭和二十四年に、いわゆる第三次吉田内閣で、私が大蔵大臣としてあのインフレを防止するために非常な強力な超均衡財政をして非常に不景気にしたときでございます。これは日本の経済立て直しのために非常ななたをふるったその余波が来まして、二十五年の三月に中小企業の大危機と叫ばれたのでございますが、しかしこれは首尾よく通過いたしました。だからいま高度成長だから三月危機が来るというのじゃない。不景気政策をやったときのほうがもっとひどくくるわけなんです。その後数回にわたって三月危機というのが出てまいりました。三十三年の三月、またさかのぼりますと二十九年の三月、こう出ておりますが、いままでずっと切り抜けておる。危機ありというときにはなかなか危機がないのです。通り越えられるものだ。うっかりしていると危機がくるということがある。私は日銀総裁のきのうの話は、日銀総裁として相当自信のあることばだと考えております。高度成長によって危機があるのじゃない。今回の倒産の問題は、私は予算委員会でも申し上げましたが、個々の会社をずっと見てみますと、かなりいわゆる思惑の点があったのじゃないか、そうしてまた主として繊維関係ともう一つ特殊な化学関係でございますが、この繊維関係というものがどうもいつも三月危機、中小企業の危機ということになると一番先端を行くわけです。ことにことしは暖冬異変あるいは取引関係でこういうのが起こったと思うのでございますが、個々の会社を大蔵省の報告から見ますと、かなり思惑の点もあった。そしてまた思惑をやったんだからいかぬというので、銀行がまたひどく引き締めた場合もある。だからそういう原因を究明いたしまして、私は三月のいわゆる危機の起こらないように、いま万全の方策を大蔵省、日銀でとってもらうように進めておるのであります。もちろんこういうことは避けなければなりませんが、これが経済の成長によってくるものだとすぐお考えになることはいかがなものか。そして昭和二十五年にもあったので、不景気のときにもくるのであります。その点はそのときの様子を見てあれしなければいかぬ。いま大蔵大臣のメモによりますと、百億円のオペをやるし、また中小企業関係に別に百億円の融資をする、こういう手配をしておるようでございますから、ひとつ全知全能をしぼりましてその危機を乗り越えたいと考えております。

発言情報

speech_id: 104604629X00319640206_017

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1964-02-06

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会