藤田義光の発言 (地方行政委員会)

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○藤田(義)委員 日本の地方自治が一応現実的に、また法制上軌道に乗りましてから相当の年月を経過いたしております。しかしながら最近の地方自治の実体はまことに複雑であり、しかも前途憂慮すべき事態も多々出ております。ただいま委員長から御指摘のありましたとおり、私は主として前特別国会における早川自治大臣並びに公安委員長の所見に対する質疑を中心に展開をいたしたいと思いますが、その所信表明の中で申されておりましたとおり、私も今日の地方自治のむずかしさというものが非常に深刻化しているということに対しましては、大臣と全く同感であります。
 私は、まず第一に、執行機関としての首長の問題が深刻になっておると思います。最近地方自治体の政党化というような問題、あるいは首長の四選、五選をどうするかというような問題すら論議されております。
 また第二の問題としましては、議決機関としての地方議会のあり方、あるいは議員の任期、定員の問題等も論議され始めております。
 第三の問題としては、三割自治という表題で昨春の地方選挙が戦われましたとおり、地方財政の問題もございます。特に現在の交付税制度を廃止して、その分だけ地方税に繰り入れたらどうかという問題も出てきております。国の委任事務が、地方自治体の事務の七、八割を占めているという現実からして、まことに今日の地方財政はちぐはぐの感じを持っておるのであります。あるいはまた地方債の配分に関しましても、この際公営企業金融公庫に集中すべきではないか、こういう傾聴すべき論議も出ておるのであります。あるいはまた譲与税という表現は、まことに地方自治を無視するものであるという論議もございます。こういう問題は、初めから自治体の固有財源にしたらどうか、こういう意見も出ておるのであります。
 第四の問題といたしましては、自治体間の地域格差の問題であります。人及び産業による地域格差あるいは所得による格差、これが内政面における当面の一つの大きな政治問題になっておりますが、自治体間における地域格差、これは最も解決を急ぐ焦眉の問題でございます。
 第五の問題といたしましては、経済の伸長に伴う行政の広域化でございます。この点に関しまして私は私見として近畿圏整備の構想等もございます。あるいは首都圏、東海三県の統合などの問題がございますので、後刻御所見を伺いたいと思います。
 第六の問題といたしましては、都道府県と市町村の間に介在します地方事務所の存廃も、この際真剣に考える段階にきていると思うのであります。町村合併促進法が昭和二十八年から実施されておりまして、すでに昨日大会を終えられました全国町村数はわずかに二千九百足らずでありまして、まことに今昔の感をあの大会で抱いたのであります。また市の数が五百六十になんなんといたしておる。こういう現実からして、はたして太平洋戦争の初期にできました地方事務所というものを今日継続存在させる理由があるかどうか、こういうことも解決を要する問題であると考えるのであります。
 最後に、問題といたしましては、政府の地方自治に関する行政機関の一元化という問題があると思うのであります。最近首都圏整備委員会、あるいは北海道開発庁、その他近畿圏整備本部等の群小の地方自治に直接間接関連する役所が簇生いたしておりますが、これらの役所はいずれも自治省に吸収統合いたしまして、地方自治体の相談機関であるところの自治省というものが、もう少しく整然たる地方自治を統合的に処理するという、政府の行政整備も考える段階にきておると思うのであります。こういう問題に関しまして、かつて私はある機関に発表いたしましたので、私が本日質問を展開するにあたり、当面の問題をきわめて簡略に重点的に取り上げてみたのでありますが、地方自治、消防並びに治安問題、非常に広範でありまして、突っ込んで具体的に大臣の所見を伺う時間もございませんので、きわめて重点的に御意見を伺いたい。
 第一点は、最近国の行政施策は地方自治の育成に逆行する傾向があるのではないか。特に国の出先機関、たとえば地力農政局あるいは地方建設局その他の地方庁案等のごときは、地方自治の従来の姿からいって、全く逆行しておるのではないかと思うのであります。また昨年論議されました河川法の改正、道路法の改正、各秘補助金による中央統制、こういう問題に関しましては、よほど腹を据えてわれわれ地方自治に関心を持つ者が処理すべき段階にきておると思うのでありますが、こういう各般の政府の施策に関しまして、地方自治の姿がそこなわれやしないかどうか、大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 104604720X00319640131_005

発言者: 藤田義光

speaker_id: 22124

日付: 1964-01-31

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会