地方行政委員会

1964-01-31 衆議院 全114発言

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会議録情報#0
昭和三十九年一月三十一日(金曜日)
   午前十時二十六分開議
 出席委員
   委員長 森田重次郎君
   理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君
   理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君
   理事 阪上安太郎君 理事 安井 吉典君
      大石 八治君    大西 正男君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      久保田円次君    武市 恭信君
      村山 達雄君    森下 元晴君
      山崎  巖君    和爾俊二郎君
      秋山 徳雄君    佐野 憲治君
      重盛 寿治君    千葉 七郎君
      華山 親義君    細谷 治嘉君
      栗山 礼行君    門司  亮君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 早川  崇君
 出席政府委員
        警察庁長官   江口 俊男君
        警  視  長
        (警察庁長官官
        房長)     浜中 英二君
        自治事務官
        (大臣官房長) 松島 五郎君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
        自治事務官
        (選挙局長)  長野 士郎君
        自治事務官
        (財政局長)  柴田  護君
        自治事務官
        (税務局長)  細郷 道一君
        消防庁長官   松村 清之君
        消防庁次長   川合  武君
 委員外の出席者
        専  門  員 越村安太郎君
    —————————————
一月三十日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二三号)
 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三三号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第二七号)
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二三号)
 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三三号)
 地方自治に関する件
 地方財政に関する件
 警察に関する件
 消防に関する件
     ————◇—————
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森田重次郎#1
○森田委員長 これより会議を開きます。
 去る二十九日付託になりました内閣提出にかかる公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案及び昨三十日付託になりました内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案及び地方自治法等の一部を改正する法律案の三案を順次議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。早川自治大臣。
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早川崇#2
○早川国務大臣 公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 本法の第一は、政府は、予算で定める金額の範囲内において、公営企業金融公庫に追加して出資することができることとし、この場合において、同公庫は、その出資額により資本金を増加するものとしようとするものであります。
 御承知のように、公営企業金融公庫は、昭和三十二年六月に設立されて以来、地方公共団体の経営する水道事業、交通事業、電気事業等の各種公営企業にかかる地方債につき、低利かつ安定した資金を融通し、その貸し付け累計額は、昭和三十八年末において千億円を突破しております。今後、さらに、地方公営企業の順調な発展を期するためには、公営企業金融公庫の業務運営の基礎を一そう充実する必要がありますので、予算で定める金額の範囲内で、追加出資をすることができることといたしたいのであります。
 なお、別に御審議をいただいております昭和三十九年度予算におきましては、公営企業金融公庫に、産業投資特別会計から一億円を追加出資することとしております。
 第二は、公営企業金融公庫の監事の権限を明確にしようとするものであります。政府といたしましては、公営企業金融公庫設立の目的が十分達成されるよう、常に努力しているところでありますが、さらに公庫の業務が適正かつ能率的に運用されるよう、監事の権限を明確にしようとするものであります。
 以上、この法律案の提案の理由並びにその内容の概要について御説明いたしたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
 次に、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 固定資産税及び都市計画税につきましては、昭和三十九年度分から新固定資産評価基準による固定資産の評価に基づいて課税が行なわれることとなりますので、これに伴い固定資産税負担の調整を講ずる必要があります。このため固定資産税負担の調整措置については別途御審議をいただきたいと考えていますが、さしあたり課税の円滑化をはかるためには、固定資産課税台帳の縦覧期間等を延期する措置を講ずることが適当であると考えられるのであります。これが、この法律案を提出した理由であります。
 次に、その要旨について御説明申し上げます。
 現行の規定によりますと、固定資産課税台帳の縦覧期間は、三月一日から同月二十日までと定められているのでありますが、課税の円滑化をはかるためこれを昭和三十九年度に限り、一カ月延期することに改めたのであります。また固定資産課税台帳の縦覧期間を延期することとしたのに伴い、固定資産税及び都市計画税の第一期の納期、固定資産評価審査委員会の開会の期間等も一月ずつ延期することとしたのであります。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、地方自治法等の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 東京府市を合体して東京都制が制定されて以来、都は、府県の事務のほか、特別区の存する区域においては、原則として、市の事務をもあわせ行なうものとされておりますので、東京への人口及び産業の過度集中が進むにつれて、都行政は質量ともにいよいよ複雑かつ膨大となり、一つの経営体との円滑かつ能率的な運営が期せられなくなり、首都としてまた大都市としてその機能を十分に果たすことができない状態になっているのであります。この法律案は、このような都行政の現状を改善するため、一昨年十月地方制度調査会から提出されました首都制度当面の改革に関する答申の趣旨にのっとり、都と特別区との間において、その事務及び税源の合理的な配分をはかるとともに、当該専務の処理について都と特別区及び特別区相互間の連絡調整を促進し、あわせて特別区の議会の議員の定数の定限に関する規定の整備を行なおうとするものであります。以下、改正法律案の内容の主要な事項につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、都と特別区の間における事務の配分について、都が、その負担を軽くして、総合的な計画の作成、大規模な建設事業、特別区及び市町村の連絡調整等重要な事務に専念できるようにするため、都が処理している事務のうち一般の市に属する事務は、できるだけこれを特別区へ移譲することにより、その合理化をはかるとともに、特別区の権限を拡充することにいたしたのであります。
 この法律案によって新たに特別区へ移譲されることとなる事務のおもなものは、一、福祉事務所の設置、生活保護、老人福祉、行旅病人及び行旅死亡人の取り扱い等社会福祉に関する事務、二、保健所及び優生保護相談所の施設の管理並びに伝染病予防、結核予防、トラホーム予防、寄生虫病予防等保健衛生に関する事務、三、清掃に関する事務、四、土地区画整理事業及び防災建築街区造成事業、五、建築基準行政に関する事務等であります。もっとも、これらの事務のうちでも、特別区の存する区域を通じ一元的に処理することが必要なもの、大規模な建設事業にかかるもの等については、政令で除外することができることといたしております。
 第二に、特別区の議会の議員の定数の定限を、六十人と定めることといたしたのであります。
 第三に、都から特別区への事務の移譲に伴い、特別区の存する区域において、都と特別区及び特別区相互間における事務処理の連絡調整をはかるため、都区協議会を設けることとし、事務委任条例、特別区調整条例、都区財政調整条例の制定にあたっては、都知事は、あらかじめ都区協議会の意見を聞かなければならないことといたしたのであります。
 第四に、都と特別区との間における財源の配分については、現行の都区間の財政調整制度を維持しながら、都から特別区への事務移譲により新たに特別区が処理することとなる事務に要する経費の財源を特別区に与えるとともに、特別区の財政面における自主性を一そう強化するために、市町村民税個人分、電気ガス税、たばこ消費税等、固定資産税及び市町村民税法人分を除く市町村税を特別区税として新たに法定することといたしたのであります。
 以上が、この法律案を提案する理由及び法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
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森田重次郎#3
○森田委員長 以上をもちまして三案についての提案理由の説明は終わりました。
 なお、三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ————◇—————
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森田重次郎#4
○森田委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。特に、前国会における早川国務大臣の所信表明に対し質疑の通告がありますので、順次これを許します。藤田義光君。
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藤田義光#5
○藤田(義)委員 日本の地方自治が一応現実的に、また法制上軌道に乗りましてから相当の年月を経過いたしております。しかしながら最近の地方自治の実体はまことに複雑であり、しかも前途憂慮すべき事態も多々出ております。ただいま委員長から御指摘のありましたとおり、私は主として前特別国会における早川自治大臣並びに公安委員長の所見に対する質疑を中心に展開をいたしたいと思いますが、その所信表明の中で申されておりましたとおり、私も今日の地方自治のむずかしさというものが非常に深刻化しているということに対しましては、大臣と全く同感であります。
 私は、まず第一に、執行機関としての首長の問題が深刻になっておると思います。最近地方自治体の政党化というような問題、あるいは首長の四選、五選をどうするかというような問題すら論議されております。
 また第二の問題としましては、議決機関としての地方議会のあり方、あるいは議員の任期、定員の問題等も論議され始めております。
 第三の問題としては、三割自治という表題で昨春の地方選挙が戦われましたとおり、地方財政の問題もございます。特に現在の交付税制度を廃止して、その分だけ地方税に繰り入れたらどうかという問題も出てきております。国の委任事務が、地方自治体の事務の七、八割を占めているという現実からして、まことに今日の地方財政はちぐはぐの感じを持っておるのであります。あるいはまた地方債の配分に関しましても、この際公営企業金融公庫に集中すべきではないか、こういう傾聴すべき論議も出ておるのであります。あるいはまた譲与税という表現は、まことに地方自治を無視するものであるという論議もございます。こういう問題は、初めから自治体の固有財源にしたらどうか、こういう意見も出ておるのであります。
 第四の問題といたしましては、自治体間の地域格差の問題であります。人及び産業による地域格差あるいは所得による格差、これが内政面における当面の一つの大きな政治問題になっておりますが、自治体間における地域格差、これは最も解決を急ぐ焦眉の問題でございます。
 第五の問題といたしましては、経済の伸長に伴う行政の広域化でございます。この点に関しまして私は私見として近畿圏整備の構想等もございます。あるいは首都圏、東海三県の統合などの問題がございますので、後刻御所見を伺いたいと思います。
 第六の問題といたしましては、都道府県と市町村の間に介在します地方事務所の存廃も、この際真剣に考える段階にきていると思うのであります。町村合併促進法が昭和二十八年から実施されておりまして、すでに昨日大会を終えられました全国町村数はわずかに二千九百足らずでありまして、まことに今昔の感をあの大会で抱いたのであります。また市の数が五百六十になんなんといたしておる。こういう現実からして、はたして太平洋戦争の初期にできました地方事務所というものを今日継続存在させる理由があるかどうか、こういうことも解決を要する問題であると考えるのであります。
 最後に、問題といたしましては、政府の地方自治に関する行政機関の一元化という問題があると思うのであります。最近首都圏整備委員会、あるいは北海道開発庁、その他近畿圏整備本部等の群小の地方自治に直接間接関連する役所が簇生いたしておりますが、これらの役所はいずれも自治省に吸収統合いたしまして、地方自治体の相談機関であるところの自治省というものが、もう少しく整然たる地方自治を統合的に処理するという、政府の行政整備も考える段階にきておると思うのであります。こういう問題に関しまして、かつて私はある機関に発表いたしましたので、私が本日質問を展開するにあたり、当面の問題をきわめて簡略に重点的に取り上げてみたのでありますが、地方自治、消防並びに治安問題、非常に広範でありまして、突っ込んで具体的に大臣の所見を伺う時間もございませんので、きわめて重点的に御意見を伺いたい。
 第一点は、最近国の行政施策は地方自治の育成に逆行する傾向があるのではないか。特に国の出先機関、たとえば地力農政局あるいは地方建設局その他の地方庁案等のごときは、地方自治の従来の姿からいって、全く逆行しておるのではないかと思うのであります。また昨年論議されました河川法の改正、道路法の改正、各秘補助金による中央統制、こういう問題に関しましては、よほど腹を据えてわれわれ地方自治に関心を持つ者が処理すべき段階にきておると思うのでありますが、こういう各般の政府の施策に関しまして、地方自治の姿がそこなわれやしないかどうか、大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。
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早川崇#6
○早川国務大臣 ただいま御質問のありました国の出先機関の強化、農政局、地方建設局の権限強化、私はこれは国の、政府機関の内部におきまして、何でも東京の中央官庁というのをブロック別に権限を委譲していくという、政府機関の権限の再配分であると思います。したがって地方自治体の権限をこれによって侵食するという、具体的な法的な基盤もありませんし、そういう意味では、地方自治体に非常に大きい逆行的なものではないのではないかと思っております。それから河川法の改正、道路法の改正等、国が管理する権限が大きくなりつつあるということは、これは率直にいって自治に対する国の権限の拡大だと思うのであります。しかしそのためには、経済が高度発展をいしておりますので、自治体がこれを受け入れる態勢が私は必要ではなかろうか。高度経済発展によって、水があふれ出てきておるけれども、旧来の府県の区域、あるいは市町村の区域というものがその要請にこたえられない姿では、国の権限が出てくるということでございますので、われわれといたしましては、そういった広域的な時代の要請にこたえるため、府県連合、市町村連合という方法も提案しようといたしております。従来の連絡協議会法案も、それに応じた姿で出てきておるわけでございます。
 それから補助金の問題でありますが、補助金が非常に多くなることによって、国のコントロールが自治体に行なわれる。これはもう、旧来からも非常に多くの補助金があるわけであります。できるだけこれが整理簡素化されまして、それだけの財源が地方自治体の自主財源になるように、何らかいいくふうはないか。補助金合理化審議会におきましても御検討いただいておるわけでありまして、なかなかこれはむずかしい問題で、一朝一夕にはいきませんけれども、お説のとおりの方向が今後検討さるべき方向だと思っております。
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藤田義光#7
○藤田(義)委員 次にお伺いいたしたいのは、経済の高度の伸長並びに交通の非常に便利になったこと、その他いろいろな条件が集積いたしまして、今日行政、特に地方行政というものが国の経済の実態に沿わない。広域行政に対する住民の希望は相当熾烈になっておるのでございます。政府は首都圏整備委員会あるいは近畿圏整備本部等のごとく、一つ一つ問題を解決するという措置を講じておるのでありますが、そういうことではとうてい日本の今日の経済の実情、地方自治の実態に沿わない。いずれは非常に大きな破綻を来たすということを憂慮する一人でございますが、この際広域行政に関しましては、早川自治大臣は就任早々、ヨーロッパのEEC的な、経済を主体とした府県連合という構想を打ち出されております。一応の見識として、私たちも心からその構想に敬意を表したのでございますが、この際府県合併の動向、特に東海三県その他に府県合併の動きが出ておるのでありますが、これに対する政府の方針はいかがであるか。
 また第二の問題としましては、いま申し上げました地方公共団体連合の広域行政との関係はどういうふうになるのか。あるいはまた、現在の広域行政処理機構をどうするのか。こういう問題を中心に、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
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早川崇#8
○早川国務大臣 私は、広域行政、府県連合を考える場合に、二つ基本的な政治理念がございます。
 一つは中央集権的な国家は栄えない。やはり連邦的な、多元的な、自治体あたりがたくさんある多元的な国家、多元的な社会——アメリカしかり、イギリスしかり、中共のようなものは中央集権的な国家と言えましょうが、ソ連においても多元化の方向ができておりますので、そういう意味で、それが一つの政治理念でなければならない。同時に、したがって国がそういう経済の発展に伴って広域的に処理しなければならぬ問題を、国の機関で中央集権的に処理していくということは好ましくないということが根本であります。
 次の命題は、しかしながら経済の高度発展に伴いまして、住民の福祉、社会経済の面において、明治以来の八十年来の府県の区域、あるいは市町村の限られた行政区域では非常な不便が出てくる。また経済の潜在的な発展を制約するという事態が出てきつつあるわけであります。すでにこういった水があふれ出ようとしておるものに対して、水路をつけなければならない。これを自治体の自主的なあれで水路をつけていくというために、われわれは府県連合、市町村連合という方式の法案をつくってやって、その水路を利用するかせぬかは関係府県、関係自治体の御自由にやりなさい、こういうのが広域行政に対する、あるいは府県連合、府県合併に対する考え方でございます。それから現実的に府県合併という機運のあるところもございます。しかしなかなかこれは一挙に解決できる問題ではございません。したがってわれわれといたしましては、合併を前提するとかしないとかいうことではなくて、現実的に、各府県、各自治体の政治的独立を存置しながら、経済の面あるいは社会、住宅その他の面におきまして、広域的に処理するものを処理できるような機構をつくっていく。これが府県連合法案あるいは市町村連合法案でありまして、ちょうど欧州のEECに似ているから府県EECなんて言われるものの構想でもございます。そういうことをしなければ、時代の要請は強くなっておりますから、国の権力、国の機関がそれを取り上げていくということになることを私はおそれる。これは自治の後退になるわけでありますから、自治省といたしましては、今国会にそういう法案を提案すべき時期が来た、おくれてはならない、かように考えておるわけであります。
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藤田義光#9
○藤田(義)委員 具体的な一例を申し上げますが、愛知県、岐阜県、三重県この三県におきまして、府県統合の機運が非常に強くなっております。現にこの当該地区における有力経済団体等は、すでにはっきり決議をいたしまして、政府の措置を要望いたしている現状でございますが、こういうような事態が今後各地に発生するということも予想されるのであります。連合の構想は、この国会に法律案として出される統合合併の法案は御用意がありますかどうですか、この機会にお伺いいたしておきたいと思います。
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早川崇#10
○早川国務大臣 現在の法律でも、住民その他が望めば合併はできるわけであります。藤田先生の御質問は、それをさらに促進する何か法案の用意はないかという御質問だと思うのですが、われわれとしてはいま考えておりません。いわゆる政治的独立はそのままにしながら、府県連合あるいは市町村連合という方式で広域的に処理するということを考えておるわけであります。といって合併を反対するのでもありません。そういう機運が起こったところは、むろん自主的に合併されることは決して悪いことではないし、いいことでもございますから。しかし国会に対しましては、現実的な、漸進的な府県連合、市町村連合法案を出すことにいたしておる次第でございます。
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藤田義光#11
○藤田(義)委員 次の問題は、昨日の町村大会においても決議されておりますが、地域格差の問題でございます。自治体間の地域格差、行政水準の格差というものが非常に深刻になる傾向にあることは御存じのとおりでありますが、私は問題をしぼりまして、昨年七月、政府が指定をいたしました新産業都市の建設に対する自治省の指導方針、あるいはまたこれに対する財政援助の具体的方策はどのように考えておられるか、この点をお伺いしておきたいと思います。
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早川崇#12
○早川国務大臣 地域格差が町村大会でずいぶん強く要望されましたけれども、むしろこれは豊富の中の格差の拡大だと私思います。私が九年前に自治省の政務次官をやっておったときに、公債費の処理、それがもう地方財政として手一ぱいであった。八、九年の間にこのような地方財政が豊かといいますか、赤字団体がほとんどなくなるという事態、来年度は自主財源で二千数百億円、交付税で八百十数億円というものが見込まれる、三兆円を突破するという状態ということは、全く夢想だにできなかった財政力の強化であります。そういう意味におきましては、ある程度豊かになった中の、さらに豊かなところとそれに追いつけぬところとの格差の問題が現在の大きな課題だと思います。これに対しては、まず産業の面で東京や大阪や名古屋という都市集中ではなくて、全国十三の経済単位に分散していくというのが新産都市の構想であります。それから格差是正に対しては後進地域の特例もたくさんございます。ですからその一環として新産都市を私たちは考えたわけでありまして、われわれはこの産業分布というものを通じて、それに伴う自治体の発展を念願すると同町に、これに要する先行投資のためには、起債の面、あるいは交付税の面、あるいは補助率の引き上げ等の面につきまして格段の努力をいたしたいと思って、特に地元負担の軽減につきましては目下大蔵省や企画庁と検討中でございます。
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藤田義光#13
○藤田(義)委員 第四の質問は、地方団体の自主財源が非常に少ない、これはもう長年のきまり口上でございますが、しかも地方団体間の不均衡が非常に激しい。これの根本対策に関しまして逐一御所見を伺う時間がございませんが、この問題を論議する際においては、どうしても国と地方公共団体の税源再配分ということが非常に大きい問題であります。今回の国会にも地方税法の改正案を出されておるのでございますが、その際何と申しましても、今日の地方税法というものは、占領中のシャウプ博士の勧告を中心にした税体系であるという印象がまだ残っておる。すでに十数年を経過した今日におきまして、ほんとうに地方自治体と国の行政の事務の量の実態に即した財源を確保するためには、まず私はこの税源を根本的に国と地方自治体間に再配分することが絶対必要であると思うが、このことに関しまして大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
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早川崇#14
○早川国務大臣 よく三割自治といわれるのでありますが、地方の自主税収入は四割に達しておりますから、四割自治というのが正確かもしれませんが、私は、四割自治というのもおかしい、これに加うるに交付税という、自治体としては別にこれこれと指定する財源ではありませんから、これもやはり自治体の財源と見るならば、現在の地方自治は三割自治ではなくて、少なくとも六割自治であり、七割自治であるという実態は御理解いただきたいと思うのであります。しかしながら公共投資の非常な増大その他に伴いまして、投資需要が非常にふえてまいりました。したがって、それに伴って財政が窮屈だということも私は正しい気持ちだと思うわけでありまして、できましたらほんとうに伸縮性のある自主材源を、四割といわないで、一〇〇%自治体が持てるような仕組みにしたいのであります。しかし、これは国の経費その他との税源調整ということになりまして、所得税とか法人税とか、有力ないろいろな間接税を一挙に再配分するということは、これはなかなか困難な問題でございますので、現在税制調査会並びに地方制度調査会におきまして、根本的に地方自治体の財源をふやす何かいい財源はないかということで、いま検討し、また探しつつあるわけであります。それとひとつお考えいただきたいのは、何といいましても地域的に所得の格差がございますから、所得の格差に伴って税源の格差が出てくるわけですね。したがって、どうしてもやはり交付税制度といいますか、あまり年産のない市町村に対しては、どんなに税制改正をしましても、やはり私は格差是正ということは残ると思うのです。したがって交付税というものの内容の合理化あるいはまた傾斜配分方式の検討ということは必要でございましょうが、交付税を廃したらどうなるかということにつきましては、私は名案はないと信じておるものであります。
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藤田義光#15
○藤田(義)委員 地方財政を混乱させている一つの大きい禍根といたしまして、国庫補助金の乱発ということがあることは御存じのとおりであります。一例を申し上げますと、昭和三十九年度予算の中には、たとえば農林省が農道という一本の柱をつくりました。従来土地改良費の費目で出しておった補助金が今度は農道という別の一本の柱で出された、この百億の補助金を予算化した際において、この農道という新しい費目に対する地元負担ということを農林省は考えていない。結局農道は必要であるが、地元負担で地方自治体が行き詰まってしまう。こういうような矛盾が毎年むしろ激増しつつある。これは自治大臣が中心になって思い切って国庫補助金を整理していただきまして、一般地方財源に繰り入れる、そしていま申されたような交付税の傾斜配分というような姿をますます強くしていく、こういうことによりまして、税外負担の解消にも役立つであろうし、地方財政秩序の確立ということが少しずつ軌道に乗ってくると私は思うのであります。三割自治は四割であって、しかも交付税の額を加えれば大体六割は自主財源である。形式はとにかく、実質的にはさようになっておりますが、私はやはりそうであれば初めから六割というものを地方自治体のさいふの中におさめさせておいて、そして四割についてむしろ政府が調整的な傾斜配分をやるというくふうに飛躍するほうが、地方自治の姿からいっては適当ではないかと考えているのでありますが、国庫補助金を整理して地方の一般財源に繰り入れてしまう、あるいは税外負担を解消する、こういう問題に対しまして、何かひとつこの際くふうをこらしていただきたいと考えておりますが、御所見を伺いたい。
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早川崇#16
○早川国務大臣 一般的な御質問でございますから、私も一般的なお答えしかできませんが、私はこう考えます。アメリカとかイギリスのように地方自治体のほうから発展していった民主主義の歴史を持つ国においては、国のほうが、ステートなんかの権限、お金を取り上げる時代になりつつあると思います。アメリカなんかそうです。日本の場合には中央集権の官僚国家から誕生したわけです。したがって、日本の官僚機構というものは、一つの指導者、エリート意識というもので日本を発展させてまいったわけであります。したがって自治体があとからくっついてきたわけですから、どうしても中央集権的な長い伝統と意欲があるわけでありまして、私は日本の官吏が、補助金制一度によって自治体をコントロールするという意欲で動いておるとは思いません。しかし潜在意識的にはそういう歴史のおい立ちの関係上、ややともすれば補助金によってコントロールしたい、中央官庁の権限をさらにふやしたいというのが偽らざる、無意識のうちにある大勢でございます。したがって逆に言えば、自治体に補助金もつけない——補助金の総額が幾らになるか数千億円になるでしょう、これを自治体におまかせして、りっぱにやってくれという、いわゆる自治体なり住民に対する信頼というものが薄いことも私は事実だと思う。そこに基本的な問題がある。したがって、この補助金制度というものは、いつも言われるのですが、これだけの金があれば自治体に全部まかして、自主財源にしたらどうかという議論が、なかなか実現できない歴史的な日本の国家の発展過程というものが背後にある。いいとか悪いとか私は言うのではありません。そこまで掘り下げなければ片づかない。幸い、先般合理化、審議会というものをつくりまして学識経験者の答申をしていただきまして、その答申の趣旨は、いま藤田先生の言われますようになるべくそういう零細補助金を整理して、そういうものは一括して自主財源に持っていくという方向に答申が出ております。したがってその答申をどう具体化していくか。これは一自治大臣の力ではいけませんが、政府全体として考え、また努力していくのが正しい方向であると考えておるわけであります。
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藤田義光#17
○藤田(義)委員 時間の関係もありますが、もう少し質問したいと思います。
 次は、先般の衆議院総選挙におきまして与野党の争点の一つの大きな問題でありました住民税あるいは固定資産税の問題に関してお伺いしたいと思います。これらの問題に関しましては、自治省においては今国会で相当思い切った改正案を用意されておるようであります。また電気ガス税に対しましても相当の改正を予定されておるようであります。住民税、固定資産税は町村税源の中核をなすものであります。また電気ガス税は年々歳々相当の増収を見越される有力な税源でございます。ところがこの電気ガス税は年々減税の方向にいっておる。地方自治体としては非常に惜しい税源を失うのではないかという不安が出てきておるのであります。私がお伺いしたいのは、この総選挙の争点の一つでありました住民税、これを相当思い切って減税されるようであります。特に従来自治体間に相当論議がありましたただし書き方式をやめまして、本文方式一本に移行するという英断に出られたことは全く御同感でございますが、私は、この減収分の補てんというものに対して、自治体が非常な不安を持っている。これはどういうふうにするか。大体大方針だけをお伺いしておきたい。それから固定資産税というもの、これは将来どういうふうに持っていこうとするのか。また電気ガス税は、将来税の中から姿を消すのではないか。だんだん減税していく、こういう方向にありますので、将来の明確な方針があればお示しを願いたい。
 以上、三点をお願いいたします。
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早川崇#18
○早川国務大臣 御指摘のとおり、住民税のただし書き方式を本文方式に及び準拠税率を標準税率に統一するという改革は、画期的なものでありまして、私は池田内閣の最大の善政の一つだと思っております。問題は、これによって二カ年間で三百億円のただし書き方式の市町村の穴があくわけであります。約二百九十万人の所得税を納めない低所得者が、今度住民税の面で免税になる。この住民の喜びと、市町村の財政の穴があくという二つの課題をかかえておるわけであります。幸い政府におきまして、これによって生ずる約三百億円の財源の補てんにつきましては、本年度から二カ年にわたってやりたい。そこで本年は百五十億円、その百五十億円の穴の三分の二は、国で元利を補給する臨時減税補てん債を設けまして、全額元利とも国で補てんしていく。これがどのくらいの期限かということは、目下四年か五年かまだきまっておりませんが、大蔵当局で検討していただいておるわけであります。あとの三分の一の五十億円は地方債、長期債を認めまして、これによって生ずる減税補給の項目を基準財政需要額の中に算入しまして、交付税全体として、しかも長期にこれを処理していく、こういう考えであります。ただし、これはあくまで臨時的なものでありまして、初年度さっき言ったように一〇〇%の補てんをいたしますが、次年度からは二〇%ずつこの補てん率を減らしまして、五カ年間では補てんの措置をなくするわけであります。と申しますのは、その期間に財政上自然増収も出てまいりましょうし、われわれがいま考えておりまする交付税の傾斜配分の一助といたしまして、基準税収入額七〇%を七五%にするとか、いろいろな措置によりまして、そういった後進市町村に対する財源措置がふえてくるわけであります。それに見合って五カ年という期限で補てんを打ち切っていく、こういう考えでございまして、そういう意味では、住民の福祉とそのただし書き町村の行政水準を下げないという二つの目的を達成することができると信じております。それから電気ガス税は将来なくなってしまうのではないか、こういう御質問でございますが、現在そういうことは考えておりません。
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藤田義光#19
○藤田(義)委員 地方公営企業、なかんずく電車、バス、あるいは水道、自治体病院に至るまで、地方公営企業は一様に経営が悪化してまいっております。戦後、自治省当局が企図いたしました地方公営企業というものに対する財政上の希望は全くなくなってしまいまして、最近の情勢は地方公営企業の存続にも相当問題があるのではないかという論議さえ出るに至っておりますが、私はただ一つの問題だけを取り上げて、この際御所見を伺っておきます。それは五大都市のバス料金の問題でございます。これはすでに現在の料金は十数年前のままの姿でありまして、二年近く前に政府に料金の引き上げの書類を提出いたしておるのでございますが、最近の消費者物価抑制対策の一環としてこれがついに押えられてしまった。ところがすでに相当の赤字が累積しておりまして、五大都市におきましては財政上の一つの大きな問題になってまいっておるし、現状で放任すれば昭和三十九年度末におきましては数百億の赤字が出る。現在においてすら東京都だけでも百億の赤字を持っておる、こういう状態でありますので、何とか早急にこれは政府の責任において手を打つべきではないか。自治大臣の御所見を伺っておきます。
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早川崇#20
○早川国務大臣 全く藤田委員の申されましたように、地方公営企業はもうこのままに放置できない段階にきておることは、私も十分認めておるわけであります。特に交通、バス関係は七割、病院事業は五割、水道事業は三割の事業が赤字になっております。したがって、これは当然経済原則に伴いまして、上げるべきものがあれば上げざるを得ない面も、私は率直に言ってあると思います。しかしながら政府全体の物価対策といたしまして、一年間とにかく公営料金その他公共料金につきましてはストップするということにきまったわけであります。したがって、一年の経過を見まして、根本的に考えてまりいたいと思っておるわけであります。しかし同時に、公営企業全体のあり方がどうかという面にいろいろの問題がございますので、地方公営企業制度調査会の設置を本国会にお願いをいたしておるわけでございまして、それには民間人、学識経験者あるいは公営企業担当者に委員に入っていただきまして、公営企業の根本問題についてひとつメスを入れたい。特に私の望みたいのは、最近の近代的な経営学、近代的な管理方式につきまして、公営企業の経営者というものが必ずしも熟知しておらないうらみもあるわけであります。私は公営企業を民営に移せということを言うのではありません。しかし民営の能率的な、発達した管理のやり方というものもやはり相当検討しなければならぬ面もあると思いますし、そういった問題も含めて、根本的に公営企業のあり方を御審議願う制度を早急につくりたいと思って、本国会にこの法律案を提案いたしておる次第であります。
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藤田義光#21
○藤田(義)委員 消防の問題に対して一点お伺いいたしたいと思います。最近の火災被害は累年激増いたしております。また交通事故等に伴う消防活動は、非常に重大化してきておるのであります。したがいまして、私は消防施設の近代的な整備拡充が緊要とされておると思うのであます。特に衛星都市、あるいは新産業都市の構想が具体化するにつれまして、またこれらの新しい都市づくりに即応する新しい消防体制を考えていく段階にきておると思うのであります。したがいまして、この際消防機能を高度化して、救急体制を整備強化する。その反面におきましては、消防団員を思い切って処遇をよくする。特に農村地帯に参りますといわゆる三ちゃん農業、ばあちゃん、じいちゃん、かあちゃんという、年寄りと奥さんだけの農業になりつつある現状におきまして、地方農村における消防団員の確保ということはきわめて困難な現状であります。したがいまして、この際消防団員の処遇に関しましては、政府としても思い切った措置を講じていただきたい。これらの点に関しまして大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
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早川崇#22
○早川国務大臣 火災のみならず、最近は水防あるいは治安あらゆる面におきまして、報いを求めない奉仕をしている義勇消防団員約二百万の人たちの存在は、単に消防という問題だけでなく、私は日本の社会をささえる道徳的なモラルの、源泉であると思っておるわけであります。したがってわれわれとしては、この人たちは報酬を求めるためにやっておらないというこの崇高な消防精神、これは私は日本をささえる力だと思っておるわけでございます。したがって、この処遇という場合には、それに対する反対給付でお金をやるんだという気持ちであってはいけない。あくまでもそれは国なり社会全体が感謝するという気持ちでこの問題を考えなければ、せっかくの消防精神というものをスポイルするわけであります。
 そこでわれわれとしてはいろいろ苦心をいたしまして、従来十五年以上の方には銀杯を差し上げておりましたが、せめて十五年勤務された方にはお伊勢参りもしてもらおう、東京へ見物にも来てもらおう、そういうささやかではありますが、十五年以上勤続の方々に対しまして、国、地方団体のほんとうの感謝の気持ちとして、三万ないし七万に及ぶ退職時における報償金と申しますか、そういうものを銀杯に添えまして差し上げるということになりまして、これに伴いましてこの法律も提案し、またこれを地方財政計画にもその費用を織り込んでおるわけでございます。もちろん対価というか、契約的な報酬という意味では非常に少ないものですけれども、私はあくまで消防精神というものに対する国、地方団体としての感謝の何といいますか微衷という意味で、この制度をぜひともひとつ今国会で御審議いただきまして成立させていただきたい、かように思っておるわけであります。
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藤田義光#23
○藤田(義)委員 最後に、治安の問題に関しまして二、三お尋ねしたいと思います。
 私は、国民が平和で健康な生活を営むといういわゆる福祉国家を実現するためには、どうしても、何よりも治安の確保が根幹である、こういう感覚でおる一人でございますが、そのためには真に国民の信頼と期待にこたえ得る民主的な警察というものが絶対必要である。この点に関しまして治安を預かっておられる国家公安委員長たる早川大臣の御所見はどうであるか。
 また、せんだって一万人の交通警察官の増員を実施されましたが、来年度予算におきましては五千名の刑事警察官の増員が決定しておるようであります。これだけの増員によって、はたして国内の治安は自信が持てるのかどうか。先進国の人口一人当たりの警察官の負担率はどうなっておるのか。先般、昨年の十一月二十二日のアメリカの大統領ケネディ氏の暗殺事件は、治安を預かる日本の警察にとりましても、他山の石となったと思うのであります。昭和三十五年十月社会党の浅沼書記長が暗殺されまして、日本はまた何十年か前の暗黒時代に逆行したというような憂慮すべき雰囲気も国内にあった。ところが民主政治の先進国といわれるアメリカにおいてすらあのような不祥事件が起きて、世界の平和に暗い影を宿すという憂慮すべき事態が発生しておるのであります。したがいまして、この治安に対する大臣の御所見あるいは今後の警察官、数だけではもちろん治安は完ぺきではございませんが、昭和三十九年度予算に増員された警察官、これによってどの程度われわれは国内治安というものに対して信頼を持てるか、この点に対して御所見を伺っておきたいと思うのであります。
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早川崇#24
○早川国務大臣 警察官は言いわけせずという原則は、検察官とともにございます。したがって私は制服の警察官としての立場でなくして、政治家として国家公安委員長としてお答えを申し上げたいと思うのです。
 そういう点から見ますと、私は率直に言って、現在の警察官はかなりよくやっていると思います。といいますのは、手かせ足かせされながら検挙に当たっている。いうまでもなく戦前非常に有効な手段でありました戸口調査というものもできません。したがって、交番が自分の所管の住民がどういう人たちかということは、事実上つかみにくい状態であります。それから警職法その他におきまして、世界で最も民主的な警職法になりまして、アメリカのようにかってにすぐ撃ち殺したり、トランクの中をすぐひっくり返して調べたり、そういうことはもちろんできません。そういう意味におきましていろいろな制約下において、とにかく世界一、二の検挙率を凶悪犯罪その他であげているという姿は、捜査に当たっておる警察官の諸君は言いわけは許されませんが、担当の大臣といたしましては、——もちろん吉展ちゃん事件、あるいはにせ札事件、そういった重要な犯罪でつかまらぬ者もありますけれども、全体でみればよくやっていると、私は大臣就任早々約半年間の経過を通じまして思っております。しかしさればといって、われわれは未検挙犯罪に対して言いわけをしておるのでは断じてない。これはあくまで政治家としての私の発言としてお受け取りいただきたい。
 それからもう一つは、交通警察官一万人、刑事警察官五千人、昨年は一万人、今度は刑事警察官五千人ふやしていただくことになりまして、これでも先進諸国の警官一人出たりの人口比率からみますと、非常に低いのであります。いま試みに申しますと、警官一人当たりの人口は西ドイツで四百六十五人に一人、フランスは三百十人に一人、イタリアは三百十九人に一人、イギリスは五百七人に一人、アメリカは五百六十五人に一人であります。これに比べまして、現状は六百九十一人に一人の日本の警察官、さらにこれに五千人加えましても、六百人以上に一人という大きい負担がかけられておるわけでありまして、少なくとも私は諸外国並みの人口当たりにいくまでには、さらに四、五万人の数が足りないと思います。しかしそれは直ちに実現もできませんので、われわれは来年度五千人の刑事警察官を増員することに財政的見地からとどめざるを得なかったわけであります。
 それと同時に、もう一つお考えいただきたいのは、アメリカ、イギリス、フランス、西、ドイツその他この背後に、何といいますか軍隊があるということです。日本は軍隊はございません。憲兵もございません。あるのは自衛隊で、諸外国に比べると、非常に数の少ない自衛隊よりおりません。そういう関係から見ますと、客観的に見れば、数の面から見れば、この一億国民の治安を守るには不十分であるということが予想されるのではないか、しかしながら別に数が多い少ないによって治安力がどうこうされるという考えは私は持っておりませんし、この与えられた警察官をフルに、しかも責任感を持って活動していただき、同時に処遇の面も考えて日本の治安を万全なものにしていきたい、こういう努力をいたしておりますので、そういう意味ではしかるところはしかり、ほめるところはひとつほめてやっていただいて、犯罪なきりっぱな社会実現のために御激励賜わりたいということを切にお願いを申し上げる次第でございます。
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藤田義光#25
○藤田(義)委員 ただいま日本は警察官一人当たりの負担人口が六百九十一人ということでございましたが、私の郷里の熊本県のごときは千人に一人ぐらいでございまして、警察官の数にも非常な地域格差がございます。十分ひとつこういう点も考慮して、今度の警察官の配分に対しましてはひとつ善処していただきたいと思います。
 次に、お伺いいたしたいのは、第一線の警察官は肉体的にも精神的にも非常に苦労が多いことは御存じのとおりであります。特に警察官はその職務の性質から居住制限を受けております。住宅の確保がきわめて困難でありますが、その反面、公務上の死者の比率も各国に比べて非常に商いという気の毒な現状であります。こういう点に関しまして、警察官の待遇改善、なかんずく住居の確保ということを真剣に考える段階にきておると思うのでありますが、この点に対して大臣の御計画をお伺いいたすとともに、私は最近の犯罪の内容を見るにつけまして、一番憂慮すべき点は少年犯罪であります。十歳から二十歳までの少年千名に対して十・八人の犯罪者があり、また成人を加えた全犯罪者のうち、三五・二%がいわゆる少年犯である、きわめて憂慮すべき事態であります。しかもこれは政治、教育、社会万般の施策が、総合して少年犯の防止に役立つことはもちろんでありますが、直接この問題と取り組んでおられます警察当局としましては、この少年犯のすさまじい激増に対ましては、何かここで一くふうあってしかるべきではないか、かように考えるのであります。警察官の待遇改善、なかんずく住居対策をお尋ねするとともに、少年犯の防止に対して何か直接一くふうないかどうか、お伺いしておきたいと思います。
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早川崇#26
○早川国務大臣 警察官の処遇の問題で一番心をいためるのは、住宅の問題でございます。大体平均二号敷きくらいの居住に甘んじている人が、昭和三十七年六月一日現在で一八・二%でございます。そのために私たちのよく聞くのは、せっかく婚約ができておっても、犬小屋みたいなところへ来たために、親がこれはどうにもならぬというので、結婚ができないという残酷物語もよく耳にするのであります。私は昨年末警視庁管下の警官諸君の住宅事情を視察いたしました。総理大臣の護衛に当たっているあの裏の独身寮を見ましたけれども、四畳半に四、五人ごろ寝をしておるという姿を見まして、私は非常に心を打たれました。また一般の警察官が焼けビルのあとの、ちょうど戦争直後のバラック建てのようなところに四人、五人の家族の人たちが入っておる。しかも私が心を打たれたのは、警官の誇りを持っておるので非常に清掃がよく行き届いておる。私はふしぎに思ったのですが、奥さんもみんな美人です。美人というのは、いわゆるきれいなんですな。そうして夫が六十二時間の勤務で帰ってくる、何とか心づくしをしてやりたいという奥さんの心づもりで、六畳くらいのところに五人家族ですけれども、必ず金魚ばちと鳥かごをつってある姿を見まして、私は非常に目がしらが熱くなりました。こういうことをほっておいて、治安の確保はできない。そこで何としてもひとつ住宅だけは早急に整備したいと考えまして、来年度予算におきまして従来の待機宿舎に対しまして三倍の予算をつけることにいたしました。待機精舎の三倍増強。そして私は二年間で住宅不足を解消したいと思っておりましたけれども、まあ三年で最小限度の住宅不足を解消するという措置をとって目下予算に計上しておるわけであります。これと同時に待機宿舎に入らない一般の警察官に対しましては、共済組合の資金、起債を通じまして、一般警官も大体待機宿舎とほぼ同じ程度の宿舎をつくりたいと思っておりますので、三カ年間には二割の警官がいまどうにも困っておる最低の住宅難は、解消できるものと確信をいたしております。
 もう一つの問題は、少年犯罪の問題ですけれども、御指摘のように刑法犯の三割をこえる、特に凶悪犯罪の四割が二十歳以下の青少年によって犯されておるという事態は、ほんとうに憂慮すべき段階であります。しかしこれは警察だけでは片づかない問題、政治全般の問題でございまして、まず学校教育の面あるいは社会環境の浄化の面、マスコミの御協力、それにも増して人生の価値は何ぞやという人生観の問題、すべてがからむ問題でございまするが、警察当局としては自分の持ち場でできるベストを尽くしたい、かく考えまして、不良環境である、不良化の温床である深夜喫茶なんかも廃止することにきめました。また少年担当の警察官もふやしまして、少年係は警察官であるとともに、非行少年に対しては町の教育者として接してもらいたいと訓示いたしております。われわれの主張によりまして、青少年の非行化を未然に防止するための補導センターを、学校の先生と警察官、民間人、全部が相談して補導していく補導センターを全国で九十二カ所来年度につくりまして、それからこれまた私の提案でありましたが、学校に非行少年を補導することを専門に考えていく専門の補導教官、これはコンサルタントとか、カウンセラーというものですが、これを新たに国の定員として来年度やることになりまして、すでに各府県で自主的にやっている県がたくさんあります。そうして非行化を未然に防止するために家庭にも行く。いまは英語とか国語とか、専門の教員ですから、子供の不良化なんかに対してはあまり情熱を持たない方が多い。そうではなくて、一生を台なしにする青少年の非行化という問題について補導を専門にするカウンセラーを中学校、高等学校に置くことになりまして、これを全国的に全部というわけにはいきませんが、暴力的な非行化の多い学校、東京でもずいぶん成績を上げておるようであります。まあそういったことをやりながら、青少年犯罪を未然に防止していくということに対しまして全力をあげていこう、それから各府県で青少年保護条例というものをつくりつつあるところもございます。神奈川県しかり、警察としてやり得る力がこの問題については限られておりますので、それによって非行青少年が減るとは思いませんが、学校当局、家庭、社会環境、マスコミ、あらゆる政治の総力をあげまして、幸い総理府に青少年局というものができますので現在の日本政治の大きい悩みであり課題である非行青少年問題に真剣に取り組んでまいりたい、かような念願でおるわけであります。
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藤田義光#27
○藤田(義)委員 最後にお伺いいたしたいのは、暴力排除の問題でございます。昨今、暴力団の組織が非常に伸びてきておるとともに、その活動範囲が広くなってまいっておるのであります。私は、個々の表面にあらわれた暴力の追及、だけでなくして、そのうしろに介在する暴力の実態をよく把握することが暴力団対策の一番重要なかなめであると思うのであります。特に最近、職業右翼と組んだ暴力団というような、実に憂慮すべき動きもあるやに聞いておりますが、この問題に関しまして所見を伺うとともに、交通戦争の問題でございます。一昨年の交通事故による死者は一万一千人でございましたが、昨年はさらに千人ふえて一万二千人をこすという状態であります。特に先般東京で開かれました交通安全協会の総会の席上に出されました東京都内のある母親の手紙は、全く全国民のはらわたをえぐるような悲痛なものがあったのであります。誕生日前日に、バックしてきたトラックにいたいけな自分の娘をひき殺された。もう一回あの娘を返してくれという悲痛な母親の叫びを新聞紙上で拝見いたしました。何とかこういう深刻な問題に対しまして打つ手はないものか。思い切ってひとつ、交通戦争という近代文明が生んだ一つの悲劇に対しまして、政治家が何とかここで徹底した方策を考えることがもう一刻を争うのじゃないか、こういうことを私はしみじみと感じたのでございます。これらの交通地獄対策に関しましてもこの際御所見を伺っておきます。
 以上をもちまして私の総括的な質問を終わりますが、地方自治、消防、治安問題等、きわめて広範にわたりましたので、核心をつく質問ができなかったことを非常に残念に思いますが、自治大臣であり、また国家公安委員長をされておる早川大臣は、この池田内閣においては一番若手であり、その若さと行動力に委員会としまして非常な期待をいたしております。
 以上私が質問しましたことで、逐一御答弁がございましたが、ぜひとも何か一つ大臣の在職中に、自治あるいは消防、治安の問題に対しまして、思い切った措置を残していただきたいということを最後にお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
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早川崇#28
○早川国務大臣 暴力団の増加、五千団体、十六万人といわれるわけでありますが、現代の法律では、御承知のようにこういう団体を解散さす憲法的な規定がございません。西ドイツにおきましては、構成員が多数犯罪を犯した場合には、その団体を憲法上解散する権限を与えております。そういう関係で、西ドイツには暴力団の存在はほとんどありません。イギリスにおきましても暴力団といわれるものは非常に少ない、皆無に近いのであります。それに比べまして日本では、いわゆる暴力団、暴力組織というものがかなり目立ち、また暴力犯罪の三割近くは暴力団員の手によって犯されているということも数字上出ておるわけであります。
 そこでこれをどうするかという問題でございますが、私は二つ考えなければならないと思うのです。一つは暴力というものは引き合わないんだということを徹底さすことであります。それに対しては日本の現在の刑法あるいは裁判の判決というのが、強盗殺人とか、そういう財産にからんだあれははっきり法律で無期または死刑となっている。一般の殺人、傷害、暴行その他は、戦後いわゆる人権思想といいますか、教育刑思想というので、非常に軽い。人を殺しても仮釈放、恩赦その他を含めますと、統計上三年という数字が出ている。単なる暴力殺人の判決は七年平均ですけれども、実際牢屋に入っている期間は三年という統計数字も出ておる。傷害につきましては御承知のようにこれまた体刑率が非常に低い。暴行に至りますと、〇・六%程度より自由刑にならないというわけでありまして、いわば暴力というものは引き合う——引き合うということばが語弊がありましたならば、殺されたり被害を受けたり恐喝された人の人権は永遠に返らない、しかしそういった無法なる者に対する人権保護というものは世界で一番完全だ、これでは暴力犯罪もなくならない。したがって私は行き過ぎた人権思想が、結局無法なる者の人権を尊重するあまり、善良なる市氏の人権は無視され過ぎているのが現在の世相ではないか、だから、こういう点を改めなければならないというので法務省から提案しておるのが、いわゆる凶器を持った傷害、犯罪、常習暴力に対して刑罰を強化する暴力行為等処罰に関する法律の一部修正案であります。そのほかいろいろあるでしょう。暴力犯罪に対してはピストルとか銃砲刀剣所持禁止法という法律がある、これもピストルや日本刀をしょっちゅう持っておりましても罰金三千円、五千円という判決が非常に多い、最高は三年あるのですけれども……。これもその程度では抑制的効果を持たない。この銃砲刀剣類所持禁止法の処罰をどうするかという問題、これは非常に有力な法律であります。そのほか裁判が非常に長引きますので、ポリス・コートといいますか、一部の学者においては諸外国でやっているように。ポリス・コートという制度を設けてこの迅速化をはかっていくということが、暴力排除に大きい役割りをするのではないか、これは法務省当局でも検討を願っておる問題でございます。こういった立法的な裏づけをやりながら、暴力は引き合わないという態勢をつくっていく、これが一つであります。もう一つは、国民の間に、憲法におきましては、対外関係においては暴力を使わない、武力すなわち暴力です。ところがこの憲法の精神が、国内の紛争処理においては暴力を使うという矛盾した風潮がある。私は、新憲法は国内問題にも紛争処理をするには暴力手段を使わないということが国民に徹底することが大事だと思うのです。幸い国民に小暴力の追放、暴力排除という機運が、憲法の精神のとおり非常に上がってきておるわけでありまして、そこで警察当局としてはこの要望にこたえるために、いままで末梢的に、ちょっとハエを追うように、事件が起こったときにつかまえる、ところが刑罰が軽いから、じき権利保釈で出てくる、これでは片づかないと思う。そこでその組織の核心にメスを入れる、常時その動向を内偵調査する、そして未然にそういうことを防いでいく、また麻薬その他の資金源というものも断ち切っていく、最近は刑事だけではいけないので、刑事、保安、警備という三局が一つの暴力対策本部を設けまして、いま警視庁はじめ全国二十府県に、いままでは刑事だけだったのですが、少なくとも刑事に警備、保安を加えまして、暴力組織の犯罪を防止する対策本部を設けるという指示を、すでに管区局長会議でやったわけでありまして、そうすることによって、これは簡単にはまいりませんが、本年度の大きい警察庁の目標として取り組んでいこう。
 それからもう一つは交通事故でございます。一万二千人の死者、三十数万人の負傷者、これによる家族の悲嘆、私は非常に大きい問題だと思う。そこでこれを本年度半減さす方法はどうか、それにはどうするかということで、交通担当者で目下具体案を検討いたしておるわけであります。この面も暴力犯罪よりはもっと単純な問題でありますから、もっと科学的に、ここの踏切には死者が多い、歩道のところをどうする、あるいは取り締まりの警官をどう配置するとか、いま緻密に対策を立てておるわけでありまして、何とか、半減できなくても、その目標を立てることによって一割でも二割でも減れば、これほど幸福なことはないわけでありますから、暴力と交通事故半減ということを本年度の最大の課題にして取り組んでおる次第でございまして、なお警察庁長官から、暴力根絶に対する要綱につきまして補足説明をしていただきます。
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江口俊男#29
○江口政府委員 ただいま国家公安委員長から詳しい御説明がございましたので、私から暴力取り締まり対策要綱について御披露申し上げろというお話でございますけれども、ほとんどただいまおっしゃったような内容につきまして、昨日も公安委員会で最終的にお取りきめを願い、それに従いまして私たち一生懸命努力するということに相なったわけでございます。
 時間の関係もございますから、項目だけ申し上げますと、二つに分けて考えておりますが、一つは取り締まりの強化対策というものを立て、それからもう一つは、ただいまるるお話しになりました法的な措置について今国会でお願いする分もありましょうし、また将来に向かってそういう法律をつくるということで努力するという面がございます。
 まず取り締まり強化対策といたまして私たちが考えておりますものは、中身はいろいろ書いてございますが項目だけ申し上げますと、一つは暴力組織の実態の解明がいままでのところ十分できていないので、これはただいまお話しのように単に刑事の面だけじゃなしに、思想を担当いたしております面、あるいは防犯をやっております面等、みんな一緒になって暴力組織の実態を解明しようというのが一つでございます。
 それから第二には、そのような特別取り締まりの体制を確立しようというのが第二でございます。
 第三は、暴力組織に対する視察、内偵の体制を強化する。同じようなことでございますが、これを継続的に、事件の前からやっていき、さらに事件のあとにおきましても、常時これをにらんでおるという考え方でございます。
 第四には、暴力犯罪に関しまする初動捜査体制、すぐ手をつけるという体制を強化するということでございます。
 第五には、暴力組織の存立の基礎に対する取り締まり、ただいまお話しになりましたような資金源その他についても十分な取り締まりをやるということでございます。
 第六は、暴力犯罪の温床に対する取り締まり、これも五と関連した問題でございます。
 それから第七には、暴力団同士の争いが最近きわめて例が多いのでございまして、これに対する取り締まりを徹底するということでございます。
 第八には、拳銃その他の銃砲刀剣類の取り締まりをさらに徹底するということでございます。
 第九は、暴力犯罪の被害者の届け出の促進をはかりますとともに、被害者、参考人等について、従来にも増した保護措置をとるということでございます。
 第十は、暴力取り締まりについての民間協力関係の強化につとめるということで、これは九と関連する問題でございます。
 十一には、暴力犯罪を犯した者に対する保釈等の適正化をはかるために、裁判や検察機関との連絡を一そう緊密にするという考えでございます。
 十二には、暴力組織の構成員については、単にこれを検挙して刑罰を科するということに終わることなく、さらに正業への転換まで、これはわれわれのできることじゃございませんが、関係機関とはかりまして、そういう努力をも要請するということでございます。
 それから十三には、暴力団ではございませんけれども、暴力犯罪を犯すおそれのあります精神障害者というのが非常に多いのでございますが、これについての発見とその保護取り締まりの措置を強化するというようなことを取り締まり対策の要点といたしまして、さらにその裏打ちのために、先ほど大臣からお話のございました暴力行為処罰に関する法律の改正、これは今国会で法務省からお願いをいたしておる点でございますが、これについて私たちも全く同じ気持ちを持っているということと、第二には、暴力の犯罪に使用されておる銃砲または刀剣類の所持、譲渡、携帯等に対する規制を強化する方向で罰則を強化したい、これは今国会でお願いすることができるかどうか、現在検討中の法案でございます。さらに、これは今国会ではおそらくできないと思いますが、簡易な手続による早い裁判ができるような機構というものを考えていきたい、こういうことを内容といたしました対策要綱を、実は昨日の国家公安委員会で最終的に決定をし、閣議にも大臣から御披露になった次第でございます。
 一応私から御説明申し上げました。
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