浜中英二の発言 (地方行政委員会)
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○浜中政府委員 御指摘のように、現行法におきましては、警察官が管轄区域外において職権を行なう場合の例外が規定されておるわけでございます。
第一は、六十条におきまして、それぞれ公安委員会の援助要求によりまして派遣された警察官が、援助の要求をした都道府県警察の管轄区域内において職権を行なう。第二番目には六十一条でございますが、都道府県警察が、その管轄内における公安の維持に関連して、必要がある限度においてその管轄区域外に権限を及ぼすというふうに規定されております。それから六十五条では、現行犯人の逮捕の場合であります。それから六十六条では、移動警察等におきまして管轄区域外に職権を行なう。それから七十三条に、緊急事態の布告が発せられた場合、こういうふうに管轄区域外に権限を及ぼす場合が五ヵ条法定されておるわけでございます。ところで、御承知のように都道府県の警察は、あくまでもその区域内において権限を行なうというたてまえをとっておりますし、お互いの県の間には何ら上下の関係、指揮命令の関係がないわけでございます。
それで、今回お願いいたしておりますのは境界付近の事案についてでございます。その点につきまして少し具体的な事例をもって申し上げますと、一つの施設が二以上の都道府県の区域にわたって設置されておる、そういう場合の施設内の事案の処理の問題でございます。たとえば建設中の東京都、神奈川県の両方にまたがる中央児童厚生施設としてのこどもの国とか、あるいは大阪と兵庫の間にあります伊丹の大阪国際空港の事例、第二点の事例といたしましては、警察署から非常に離れた県境付近におきまして、水力発電所の建設等の工事が二以上の府県の区域にわたって行なわれている場合、そういう場合に、その地域内の事案の処理の問題でございます。さらに第三点といたしまして、警察の山岳のパトロール隊が職務に従事中に、管轄区域外における遭難者を発見した場合または現場に到着して区域外の遭難事故であるということが判明した場合、こういう場合の事案の処理の問題。さらに、府県の境界付近に、駐在所とか派出所がございます。そこに勤務する警察官が、隣接する他の府県の管轄区域において発生した事案の届け出を受ける等の方法によりましてその事案を認知した場合に、地形その他の理由によりましてその事案が発生した場所を管轄する都道府県警察の警察官の適応な活動が期待されない、こういうような場合の事案の処理の問題でございます。こういうような場合には、県境に必然的に伴います特殊な性格から、現在はお互い関係府県間におきまして協定とか申し合わせによりまして事実上の処理を行なっておるわけでございます。しかし、こういうような事実上の処理というのでは法的な根拠がございませんために、事案処理がどうしても徹底を欠き、住民感情にそぐわない、そういうような立場から、法的な根拠を明確にすることによりまして相互協力の体制を一そう推進したい、それがまた住民の期待にこたえるゆえんでもある、そういうことによって能率的な警察活動を実施して公安維持の万全を期したいということでございます。さっきの御指摘のような六十条の場合におきましては、これはやはりその府県の能力をもってしてはどうしても処理し得ないような、そういう事態の起こりました場合に援助要求をする、そして要求した公安委員会の管理のもとに職権を行なわせるという規定でございますので、どうしてもこの六十条にはなじみにくい、それから六十一条のような場合は、これを自分の管轄区域内に起こった事案について他の府県に権限を及ぼしていく、こういう場合でございますので、いま申し上げましたような区域外の事案ということでは六十一条の規定を活用することもできない、現在は五十九条によりまする協力規定、お互いに協力する義務は負うというような形で申し合わせ等でやっておりますが、これはあくまでも事実上の応急処理である、そういうような状況でございますので、現行の規定ではどうしても不徹底になりがちだ、こういうような見地から六十条の二を新設いたしたいと考えておるわけでございます。