落合寛茂の発言 (文教委員会)

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○落合委員 私立学校振興会法等の一部を改正する法律案につきまして、御当局に御質問をしたいのでありますが、法案に対する個々の問題につきましては、いろいろ疑問もあり、質問もあるのでありますが、この際は、私学振興会法の根本的な問題について検討の機会を与えられたという考えのもとに、総括的に本案に対して質問をしてみたいと思うのであります。
 御承知のように、私学振興会が発足しまして、ことしですでに十二年をけみしております。その経過をいろいろな記録やその他で見ますと、きわめて不燃焼と申しますか、不完全燃焼と申しますか、出発当初のいろいろな理想的な考えからだんだん遠ざかっておるというふうに見られるのでありまして、まことにこれは遺憾であります。そこで今回また新しくこの振興会法に対して、各種学校の問題がそこに包括されるようなことになってまいりましたので、この際は、むしろ振興会法に対する根本的な検討をしてみたらどうであろうか、こう考えるものであります。
 最初に、私、さきの委員会で問題にもなりましたが、学問の尊厳は画一的でない自由さにあるといっても過言ではないと思うのでありまして、遠くオックスフォードとかケンブリッジとかにその例を求めなくても、わが国の著名な各私立大学の持つおのおのの権威ある特徴、これがすでに国家的にあらゆる方面に貢献してまいりましたことは、いまさら申すまでもありません。しかるにどういうものか、従来長い伝統によりまして、わが国は官尊民卑というような風潮に災いされて、国立、公立の大学と、私立のそれの間において幾多の偏見が持たれてきておる事実は、今日でもなおこれが消え去ってないのであります。その最も顕著な一例を見ますと、その経営面において、これらの差別がそれを非常に雄弁に物語っております。で、私調査をしてみますと、三十八年度の予算面におきまして、国立大学七十二校、これは二十一万五千人ですが、これに要する経費が千百十億円、学生一人当たりの平均が五十一万五千円かかっております。わが国大学の教育の現状から言いまして、それならば私立大学の受け持つ学生はどのくらいあるかといいますと約六十万人、国民の要求しております大学教育の約七五%を民間で受け持っておる実情であります。これに対しまして、国がどれだけの補助、助成をしておるかといいますと、八億二千五百万円が私立大学研究設備助成金、これが学生一人当たり千五十六円平均になっております。それから理科特別助成補助金十四億九千二百一万七千円、一人当たたり一万五百九十四円、これを見ましても、国立、公立に比べまして、私立大学の経常費というものは、まことに軽微なものでありまして、国から受ける補助の率というものが驚くべき低率なものなのであります。私立大学の経営の内容等について見ますと、やむを得ず学生の授業料とかあるいは納付金、寄付金、その他足りないところは各大学がくめんをして、高利の市中銀行から借り入れ金をたいがいやっております。私今回二、三の著名な私立大学に参りまして、直接いろいろな収入財源とかその他それを確保する方法等につきまして見聞いたしたのでありますが、これは先日の委員会でも非常に問題になりまして、南先輩をはじめとして与党の方、野党の方すべてが一致して非常な議論が持ち上がったのでありますが、結局その私立大学に対する寄付金というものにも全部税金がかけられております。ところが国立、公立の大学に対する寄付金には税金が全免されている、こういう状態なのでありまして、これを要するに、最初に申し上げましたように、十二年前に私学振興会が設立されました当初のいわゆる理想的な考えからいうと、これはその理想からまことに遠く離れたものである、こういう事実がある以上、私は今日この私学振興会の性格というものをもう一度よく検討してみなければならないと考えるものであります。幸いにさきの委員会におきまして、この問題が提起されましたところが、灘尾文部大臣が答弁に立たれまして、はっきりと大蔵大臣とまっこうから対立するような答弁をされまして、私はこの異例なくらいと思われる文部大臣のき然とした御答弁に非常な敬意を表するものでありますが、この際ぜひこの振興会法の根本的な検討をしていただきたい、こう思うのでありますが、これに対しまして、文部大臣が先日御答弁くださったように、そのお考えは今日でもそのままであるかどうか、さらに大蔵大臣をここに呼んで、文部大臣と大蔵大臣、大蔵、文部が相ともに、ここで何と申しますか、両者の主張をわれわれ委員の前で、委員会において、対決をしていただいて、そうしてあくまでもこの議会における一つの成果として、これがわれわれの望んでおります私学に対する寄付金にも、決して将来課税はしないという実際の政治上の確約をとりたいと私は思うのでありますが、これに対しまして文部大臣のお考えをひとつ率直にお披瀝を願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 104605077X02219640424_028

発言者: 落合寛茂

speaker_id: 21871

日付: 1964-04-24

院: 衆議院

会議名: 文教委員会