八木徹雄の発言 (文教委員会)

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○八木政府委員 大臣がいまちょっと参議院の本会議に出ておりますので、私からかわってお答え申し上げます。
 いま落合さんのおっしゃいましたように、私学がわが国の大学教育に果たしております役割というもののは非常に大きなものがあります。七〇%以上の養成をやっていただいておるわけでございますから、政治がこれに無関心であってはならないことは言うまでもないことでございます。いままで文部省がとっております基本的な態度というものは、前にも大臣が申しましたように、私学の自主性というものを尊重しながら、しかも私学の困難な事情をどのように政治がバックアップしていくか、こういうことだと思うのであります。その前提に立って、一つは私学振興会の基金というものを充実強化さしていこうというやり方、これは私学の施設というものをそれによって有利に確立できるような方策という意味の前提に立って、これがなされておるわけでございます。いま私学の拡充計画が非常に大きいわけでございますから、それだけに年々振興会出資金、あるいは昨年から財政投融資の投入といったように思い切った措置をしながらも、なお要請と比べますならば足らないところがあるわけでございます。その意味でいよいよ高等学校急増が終わって、大学に生徒が殺到するという時点でございますから、これから後も振興会出資金に対するあるいは財投に対する金額というものをうんとふやして、施設設備の面において私学が高利の金を借りないでもやれるような対策を考えていくということが一点あろうか思うのであります。幸いに財投の金が昨年が二十億で本年が四十億というふうに、倍増をいたしておるわけでございますので、このベースの上に立ってそれらの資金源というものの確保に努力してまいるということが一点あるわけでございます。それから、それ以外にいまおっしゃられましたように、理科教育、産業教育というものの充実強化というような意味におきまして、私大の研究設備助成、あるいは理科特別助成という道を開いておるわけでございますが、助成というものがこの二点に大体しぼられる、共済組合の補助金がありますけれども、学校自体に対してはこの二点にしぼられておるわけでございます。
 そこでいま落合さんのおっしゃられました私学の経営というものがいま非常に困難である。その経営の困難性を私学はやむを得ず、たとえば授業料の値上げであるとかあるいは入学金の増額であるとかいったようなことによって、ようやく当面を糊塗しておるという姿は、政治が冷淡ではないかというお話であると思うのであります。その点については全く現実はそのとおりであろうと思うのでありますが、それならば先ほど言った学問の自由あるいは私学の自主性というものとからみ合わせながら、国が経営補助をやり得る可能性がどの程度あるかということについては、なかなか問題のあるところであろうと思うのであります。その点については私学側にもまだ完全な意見の一致を見てないようでありまして、この際経営の補助を思い切ってやるべきであるという議論をなす方々、そういう議論をされる中には三分の一の経営補助が出せるようにすべきであるという意見を述べられる方があるかと思えば、一方にはそういうようなことをやって文部省の介入を許し、あるいは会計検査院の介入を許すということは、私学の自主性に対する侵害であるというようなことで、それに反対する者等もあったりいたしますので、まだ議論が完全に一致しておるとは言いがたい事情にあるのではないかと思います。文部省もそういうような現実の私学側の動きというものをながめながら、自主性を尊重しながら助成し得る方法はどういうものであるか、いま検討をいたしておるというのが現実の姿であります。
 第三点としていま落合さんのおっしゃられました私学の経営安定あるいは施設の充実強化のための一つの手段として、いわゆる寄付行為に対する画期的な措置をやるべきである、これは異存のないところであります。現実にはここ数年来あるいは相続税問題に関して道を開いた、あるいはまた法人税や個人の所得税等も幾らか緩和措置を進めておりますけれども、その現実はまだ十分であると言いがたいわけであります。その意味で大臣も前回のこの答弁において、これから後その寄付行為というものがもっと安直に、しかも大幅にできるような態勢をしくようにしたい、こういうふうに言われたのはその意味であります。そのことについては文部省自体として何ら反対することはないのでありまして、これから後も努力することは間違いはございません。ただ一言、この間の質疑で、私、聞いておりながら感じたことでございますけれども、現在私学が寄付を要請する場合に、いわゆる施設整備等によってこの寄付を行なうという場合には、指定寄付制度というのがあります。これはこれこれの施設を充実するために免税をしてくれということで要請した場合に、もちろんそれは国税庁のほうの許可が要るわけでありますけれども、大多数の学校はその指定寄付の恩恵を受けられる余地が残っております。その指定寄付の制度によった場合には、これは言うまでもなく免税になるわけでございます。問題は一般寄付の場合にもう少し弾力的な運用ができるようにせよということではないかと思いますので、その指定寄付という制度の大幅な活用をはかることも一方にしながら、一方一般寄付というものがもう少しやりやすいようにするということに、文部省も大蔵省に対して強く要請しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。そういう考え方の上に立ってこれから後も相ともにひとつ努力をし合って、りっぱな成果をおさめるようにこれからし向けていきたいと思っておりますので、一そうのお世話をお願いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 八木徹雄

speaker_id: 6079

日付: 1964-04-24

院: 衆議院

会議名: 文教委員会