小平忠の発言 (文教委員会)
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○小平(忠)議員 学校給食法の一部を改正する法律案の提案理由につき、御説明申し上げます。
この法案は、去る五月十九日衆議院農林水産委員会において、わが党より提案説明を行ないました学校給食の用に供する牛乳の供給に関する特別措置法案の関連法案として提案いたしたものであります。言うまでもなく、わが国酪農は、近年著しい発展を見せ、成長農業として、米に次ぐ、わが国農業の二大主柱としてその地歩を固めてまいったのであります。ところが、ここ二、三年間において、飼料の高騰、外国乳製品の輸入増加等の諸事情により、さらには、原料を使わぬ色づき牛乳の消費拡大により、その成長は停滞し、最近においては乳量減少のきざしすら見せておるのであります。
このように、わが国酪農生産の前途が、外国乳製品の輸入、あるいは栄養価の少ない色づき牛乳等によって阻害されることは、国内食糧の自給度向上はもとより、国民栄養の確保上からも、由々しい問題と言わざるを得ないのであります。
このときにあたり、わが国の将来をになう義務教育課程の児童及び生徒の栄養確保は、きわめて重大であり、なおかつ、これら児童生徒の給食が、すべて国内農業生産物によってまかなわれてこそ、政治のあるべき姿と言わざるを得ないのであります。
しかるに、わが国学校給食の現状を顧みました場合、その多くは、輸入脱脂粉乳によってまかなわれ、国産牛乳の使用は、きわめて微少にすぎないのであります。このことは国内産牛乳の消費増進事業の一環として学校給食を行なうとする酪農振興法第二十四条の三の規定に違反するばかりでなく、開放経済にあっての国内産業保護の閣議決定の趣旨にも反するものと言わざるを得ないのであります。もちろん輸入脱粉と国産牛乳とのコスト上の問題点もあろうかと思われますが、国内食糧をもって、児童、生徒の育成に資することは、当然であり、これに関する国庫負担は、幼い国民に対する国の義務と言わざるを得ないのであります。
すでに諸外国においては、同様趣旨による給食制度が実施され、スウェーデン、イタリア、フィンランド等の各国においては父兄負担はなし、父兄負担を必要とする国においても、その額はきわめて僅少であります。
まして国内酪農生産が行なわれておるにもかかわらず、自国の未来をになう、児童、生徒に対し、安いからとの理由のみによって外国輸入食糧でまかなうかのごとき国家は、世界一カ国たりともあり得ないのであります。
このような立場から、衆議院農林水産委員会にわが党が提出いたしました学校給食の用に供する牛乳の供給に関する特別措置法案は、国産牛乳のコスト中、生産者価格相当分は、国が交付金をもって充当する。残り父兄負担となるべき処理、流通経費について都道府県の補助を促進せしめ、都道府県の補助部分については、さらに国が二分の一を助成する。したがって事実上、父兄負担は、現在を最高として、漸次その解消がはかられていくものなのであります。
この法案は、これら学校給食に要する牛乳を計画的に昭和四十年以降五カ年間、すなわち昭和四十四年までに、すべて国産牛乳に切りかえようとするものであります。
そしてそれまでには父兄負担もまた解消せしめるよう、積極的な施策を行なおうとするものであります。
酪農対策のよろしきを得るならば、昭和四十四年度においては推定六百万トン程度の生産乳確保は可能であり、そのうち全児童、生徒に供する六十万トンは、きわめて自然な消費として、消化されるものであります。すなわち、供給に関する一切の懸念はないのであります。
政府は、本年度において生乳四十万石を学校給食に振り向けることを決定し、行政措置をもって、その実施をはかろうとしておりますが、これらの考えは、あくまでも生産過剰を前提とする余乳処理に根拠を置くものであり、その年度の好況、不況に左右され、実施されたり、されなかったりし、そのあおりを食う子供こそ、よい迷惑をこうむるものであります。
これらは、あくまでも計画的に着実に進められるべきであり、ここにこの法案の趣旨を求めることができるのであります。
以上の理由によりまして、国産牛乳による学校給食が計画的に実現し、児童、生徒の健全なる身体の発育に資すべく、この法案を提案するものであります。
山村酪農家が、乳価の引き下げにあえいでいるにもかかわらず、その子供が、学校で外国ミルクを飲むというような、変則的な制度が一日も早く解消するためにも、委員各位の慎重なる御審議を得て、この法案をすみやかに可決くださいますようお願いいたす次第であります。