大平正芳の発言 (本会議)
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○国務大臣(大平正芳君) 補足して御説明申し上げます。
日韓会談につきましての北鮮の取り扱いでございますが、たびたび申し上げておりますように、私どもは大韓民国が現に支配しておる領域の問題として取り扱っております。したがいまして、北鮮につきましては白紙の状態で臨んでおります。
それから、一昨年の末に大筋において合意を見ておりまする請求権三億ドル、二億ドルの根拠でございますが、これは前の通常国会におきましても御説明申し上げましたとおり、戦後二十年近くたちまして、物理的な証拠というものはだんだん散逸いたしておりまするし、また、かりにあるものにつきましても、それをどう評価するかにつきましての判断の基準を両国は異にいたしておりますので、望ましいことではございますけれども、これを正確に、法律的根拠を見出してそれを裏づけるということは困難でございます。したがいまして、私どもとしましては、過去を分析することによって何ら値打ちのあるものを発見できませんので、将来に向かって日韓両国が経済の面で協力し合って相互の利益になるようにはかろうという、経済協力方式でこの問題を片づけることによって、平和条約第四条にいう特別取りきめができたということに合意しようとしておるものでございます。(拍手)
それから、漁業協力の性質の問題でございますが、これはいまいうところの経済協力ではございません。すなわち長期低利の資金ではなくて、通常の輸銀の融資という性質のものとして私どもは考えております。
それから、アメリカから日韓会談につきましての干渉ないし介入ということは、過去においてありませんでしたし、また、アメリカもそういう意図は持っておりません。
日米合同委の論議は、ちょうどわが国におきましても三十九年度予算ができ、経済の見通しも立ちましたし、アメリカにおきましても予算教書も出てまいりましたので、そういう新しい前提で、日米間の経済、貿易問題についてとくと懇談をいたしたいと思っております。したがって、貿易・為替自由化の問題は日米双方関心を持っておるわけでございまして、私どもは貿易・為替自由化のかがみに照らしまして、アメリカ側のとる措置にふに落ちないことがあれば、われわれ同僚閣僚とともに鼓を鳴らしてその非は是正を要望いたしたいと思います。(拍手)
それから利子平衡税の問題でございますが、利子平衡税はただいまアメリカの下院の歳入委員会が通ったところでございまして、まだ本会議に上程されるに至っておりません。今日まで、政府が最初発表いたしました原案に比べますと、三カ所重要な技術的な改定が施されております。これが上院に回りましていずれ成立することと思うのでございまするが、私がアメリカに参りましてその際に出しました共同声明にも盛られてありますとおり、この利子平衡税の免除の問題は、わが国の国際収支が困難になりまして危機に瀕するというような状況になれば、この平衡税の免除も含めて特別に協議をしようという約束になっております。しかし幸いにいたしまして、わが国の国際収支はさような困難の状況に立ち至っておりませんし、また、そういうことを私どもは希望もいたしませんし、そういう事態にならぬように、政府はいま努力しておるところでございます。(拍手)
〔国務大臣田中角榮君登壇〕