河野謙三の発言 (オリンピック準備促進特別委員会)
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○河野謙三君 私は、この段階にきて、記録映画撮影を今後理想的に進めていく以上において、いろいろ問題がまだ残っていることはよくわかったのですが、私がいまさら言うまでもなく、オリンピックの意義は、オリンピックを通じて世界各国に日本をよく理解してもらうという大きな目的もあるわけです。ところが、世界各国からこのオリンピックを、日本に来て直接見ていただく方は当初予定したよりも少ないようだ。かりに予定どおり来ても十数万の人ではないか、十万以内の人だということになりますと、どうしても、この記録映画を通じて、フィルムを通じて、世界に日本をよく理解してもらうという積極性が私はなくちゃいかぬし、その点に少し積極性が足りないと思う。同時に、前段申し上げましたように、国内を見ましても、九千数百万の国民の中で、オリンピックに直接触れることのできる人はわずか一%か二%ということになりますと、国民の血税によって、計算のしようによっては一兆ないし二兆という大がかりな準備をしてオリンピックを開催した、ところが、オリンピックが終わってみたら、大多数の国民には、オリンピックは何であったかわからぬということでは、私は相すまぬと思う。そういう意味合いで、私は、ここに与謝野さんもおられますが、もし希望される資材その他ございましたら、私は積極的にこれには協力すべきであると思うのですがね。
この機会に、ちょっと横道にそれますが、私は、しかもこの金は出しっぱなしではないと思う。記録映画をつくって、これは記録映画をただで方々にくれてやるわけではないでしょう。一体記録映画をつくったあとの処理、処分というものは、どうされるか。いずれ、これは売るのでしょう。考えようによっては、かりに五億、十億かけましても、その金は一時立てかえであって、すぐに五億、十億の金は回収されるものだと思う。この記録映画に投ずる金というのは、予算上は、一体組織委員会なり資金財団のほうは、どういうふうにお取りになっているか。出しっぱなしではないでしょう。そういうことを考えますと、金をかけてりっぱなものをつくれば、りっぱなものが高く売れる、高く貸せるというのでありますから、何もここで、大体間に合っていると市川さんおっしゃいますけれども、田口さんの話を聞きますと、必ずしも間に合ってないというようなことで、この機会に、もう少し私は、田口さんなり市川さんの立場を離れて、組織委員会なり文部省なり、記録映画についてどういうふうな考え方を持っておられるか、これを私は伺いたいと思うのですがね。