曾禰益の発言 (外務委員会)

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○曾祢益君 もう一点だけお伺いします。
 そこでいろいろな懸案が内容的にだんだん解決されていき、最後に、全体を包む一つの共同宣言なり、あるいは国交条約というものが、これがやはり筋骨としてできなければいかぬわけですが、韓国の金議長のお話によると、基本条約のほうがいいということを言われたそうです。その点の形式は私は二の次であって、これは基本条約でも共同宣言でもいいと思います。一番デリケートな問題は、言うまでもなく、韓国側としては自分の主張もこの中に持ち込んで、要するに、韓国が全朝鮮を支配する政権であるという主張を、条約文の中でもはっきり書く、あるいは日本側に認めさせたい、この気持ちがあると思います。そういうことはわがほうとしては当然にやるべきではない。そこら辺のことは、非常に熱っぽい話になっても、やはり日本として三十八度線以北における事実上の政権の存在を無視したような、現実と離れた問題を条約というものによって法的に認めることは、これは日本のためにならない。こういうことを、基本条約なりあるいは共同宣言なりの場合に、むろんこれは貫いていかなければならぬと思うのです。
 もう一つは、基本条約ばかりでなくて、大平さんと金鍾泌氏との間で妥結のできたいわゆる請求権問題についても、その内容のよしあしはここでは論議しませんが、いわゆる三億ドル、一億ドルといわれるこの問題についても、最後の文書の書き方一つ、これが重大な問題になることは御承知のとおりでありまして、もしこの文書の中で、請求権の解決の方法として、三億ドル、二億ドル云々を支払うということを書けば、これは完全に、日本が認めていけないそういう不当な請求権をこの条約によって公認したことになるのであって、その場合には、政府も認めておられるように、北鮮側のクレームという問題からいっても、非常に重大な事態になろう。したがって、そういうことはできない。したがって、この場合に、まあ政府のほうではそれぞれお考えはあるのでしょうけれども、大平さんの従来言っておられたような、経済の無償援助、有償援助をやる。その結果、双方の請求権問題がここで処理される、そういったような締めくくり方は、これは非常に重大な条約のたてまえの問題となると思うのですが、その共同宣言なり基本条約における南北朝鮮の問題といいますか、韓国の支配の地域、何といいますか、三十八度線以南の韓国との関係であるという、この出し方、それから、いま申し上げた請求権の解決と五億ドルの問題とのその関連の表明のしかたというものは、わがほうの正しい主張を貫くようにしていただきたいと思うのですが、その点に関する外務大臣のお考えを伺って私の質問を終わります。

発言情報

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発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1964-03-12

院: 参議院

会議名: 外務委員会