池田勇人の発言 (外務委員会)

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○国務大臣(池田勇人君) この国際収支の問題、外貨保有の問題につきましての御心配でございますが、これはOECDへ入ったから国際収支に非常な影響があるという筋合いのものじゃないと思います。それは海外旅行等につきましての制限については、いろいろの制限を受けることもございます。これは一部分でございまして、たいしたことはない。いまの状態から申しますと、私は日本の国際収支につきまして外国人はどう見ているかといったら、外国の人は非常に安心しております。先般の東京都債の二千二百五十万ドルも非常な応募超過でございます。で、私は何も手放しに楽観しておりません。常に毎日国際収支を見ております。今月のたとえば輸入、輸出の信用状はどうか、毎日見ております。いまのところ、おとといまでは輸入信用状が一億九千万ドル、輸出信用状が二億九千万ドル、本月はもうすでに一億ドルの輸出入の信用状の黒。毎日見ておりますが、しかし、それだけ手放しで安心してはおりませんが、注意深く見ております。一般にいわれるほど、私は日本の国際収支というものは不安じゃない、気をつけなければならぬけれども、不安じゃないという確信を持っております。それで去年の十一月、十二月の思惑輸入の影響がございますが、最近は輸入は一応頭打ち、輸出は予想以上に伸びております。六十二億ドルを相当突破すると思います。しかし、お話しのいわゆる貿易外収支というものの赤字、これの原因は、やはり主として日本の経済発展によってバルキーの輸入がふえておるということ、これはいなめません。これをどうやってやっていくかということは、いままでの日本の海運政策が十分でなかった、ことに群小の弱体の船会社ではいかぬというので整理いたしました。再出発することになりました。そうしていまの状況で六百万トンないし七百万トン、いまの船ではとても日本の貿易は海運におきましては赤字になる。そこで、本会議で四十三年ころまでに何とかしたい。これは五年もかかってちょっと笑われるようでありますが、まあ十年かかる。これは、何といいますか、第三国間の貿易並びに輸送をやれば相当あれしますが、船をふやせばふやすほどまた油代がかかりますから、そういう関係で、私は十年くらいの予定で海運のほうの収支をとんとんにする。そのためには、やはりこれから毎年百五十万トンくらいの船をつくらなければならない。こういう計画で進んでいきたいと思う。それからまた、特許料その他の支払いあるいは金利の支払い、株の配当の問題、いろいろありますが、これは日本が伸びていく場合におきまして、戦争中おくれた技術を取り返す。日本人のりっぱな頭と労働力によってこの技術を生かしていくために、これはどうしても日本としてやらなければいかぬ。これによって日本の輸出が伸びていく。国内生産の品質も向上する。こういうことでございますから、これはいたし方がない。それからまた、資本が非常に不足でございますから、日本の発展のために一時借り入れ金でまかなう。そうして、それによってもうけた分でだんだん削っていく。このやり方は、日本として置かれた、いわゆる後進国から先進国になる場合におきましての、これは踏み越えなければならぬ関所だと思います。だから、これはむちゃくちゃに入れるというわけではございません。必要なものにつきましては私はやむを得ない。だから、長い目で見て日本の経済をずっとやっていく。日本の置かれた経済というものは、明治、大正、昭和を通じていつもこういう悩みがある。戦前におきましては海運収入によって埋めておったといいますが、これは計算のしかたが違っておりまして、やはり日本は昔はこういう立場だった。だから、拡大していけばいくほど、ある程度借金はふえる。しかし借金はふえるけれども、それが物になる、設備になる、在庫になる。こういう関係で、私はこの問題はOECDに入ったからこれが大きくなるということではなくて、OECDに入って日本がほんとうに一人前になって、先進国としての日本の立場が世界的に確保せられたということが、今後の日本の発展に非常に役立つ。小さい問題につきましては、これはネグレクトできるとは申しませんが、ネグリジブルだ。こういう考えでおるのであります。

発言情報

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発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1964-04-23

院: 参議院

会議名: 外務委員会