曾禰益の発言 (外務委員会)
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○曾祢益君 私は民社党の名におきまして、OECDにわが加盟することに賛成の意を表明いたしたいと思います。
わが国の経済の成長を通じ、国内の格差をなくし、勤労者の福祉国家をつくるために、なし得る限り貿易の自由化を通じて世界におけるいろいろな後進国、先進国の格差等をなくした、ほんとうの平等な、自由な、平和な国際社会をつくるのにつとめるべきはわが国として当然のコースだと思います。そういう意味で、わが国が国連あるいはIMF、世界銀行等に入りまして協力してまいったわけでありますが、また、最近わが国が開放経済体制に向かうために、貿易の自由化、IMF八条国への移行等を進めてまいり、また、そのいわば総仕上げとしてOECDに加盟し、その機会に貿易外収支並びに資本収支の自由化に踏み切るということは、大勢としてまことに正しい行き方だと思うのであります。そういう意味におきまして、基本的にはその方向を私どもは支持いたします。国際機関の中でOECDは、何といっても、先進国、特に西欧側のクラブの性格を持っておりまするが、しかし、その少なくとも目的とするところは、われわれの理想でもある高度経済成長を持続的に行なっていく、また、後進国に有効な援助をする、世界貿易の自由化と拡大につとめる、こういう理想からいいまして、先進国クラブであるからそれに入っていけないという理由は成り立たないと思うのであります。そういう意味で、私どもはわが国のOECD加盟に賛成であります。ただ、賛成だからといって、このまま無条件に賛意を表するわけにはまいらないと思うのであります。われわれは、いつまでも日本の経済の孤立化に立てこもることは許されないと思いますが、ここに少なくとも三つの相当強い希望条件を付して政府の善処を要求したいと思います。
第一には、これはOECD加盟から来る直接の義務だけの問題ではなくて、開放経済に向かう国内体制としてのわが国の現在における経済社会状態を見たときに、何びとも承知しているように、一方においては開放経済に向かわなければならないけれども、他方においては、国内の経済社会のいろいろな矛盾、いわゆる二重構造が一つも高度経済成長の過程において、解決されてないのみならず、いたずらにかけ声においては農業、中小企業の革命的な改革ということが叫ばれ、現実はむしろ格差がややもすれば増大する傾向すらあることは、まことに遺憾千万であります。そういう意味で、開放経済に向かう体制におけるこのような中小企業、農業の近代化、それと他産業、大企業等との格差の是正という点において、特にOECD加盟に伴なう資本等の自由化の波もさらに高くなるわけであるから、特にこれらの格差是正についての格段の措置をとらなければならないということが第一であります。
第二には、すでに質疑応答の中にも明らかになったとおりに、中小企業とは言えない、重要な基幹産業であるけれども、まだ非常にかよわい不況産業、あるいは成長の過程にある産業、なかんずく海運業あるいは乗用車を中心とする自動車産業等のことを考えた場合に、何ぴともOECD加盟に伴なういろいろな制限から見て、これらの産業に対する施策において決して十分とは言えないということは明らかだと思うわけであります。したがいまして、それらの国内産業の保護について飛躍的な、それこそ画期的な施策が伴なわなければ、これは非常に大きなマイナスがあるということは、口をすっぱくして言わなければならぬところだと思います。
第三の点は、このOECDの加盟にあたっての政府の心がまえ、態度についての希望条件であります。すでにこれも質疑応答を通じて明らかになったとおり、やはりOECD加盟が何とはなしに、日本みずからが先進国のクラブの仲間入りをしたのだ、こういうような安易感で入るのでは失敗ではないか。むろん先進国の一つになったし、ならなければならないという大勢と自負心を否定するわけではありませんが、そういう甘い考えではなくで、むしろOECD加盟によってヨーロッパあるいはEEC等の閉鎖性に対して、われわれの開放の要求をぶつけていくのだ、こういうような気持ちを持っていくべきではないか。また、アメリカあるいはフランスの経済政策の中で、たとえば海運業に対する行き過ぎた保護政策等に対しては、それこそOECDの場を通じてその非を堂々と追及し、これを改めさせるという気魄に満ちた態度でOECDに加わり、われわれも義務を負担するが、同時に、誤りは摘発していく気魄が必要ではないか。特にOECD加盟にあたっての一番基本的な心がまえは、われわれが先進国側のクラブに入れてもらったというよりも、われわれが、気持ちとしては後進国側、特にアジアの後進国側の気持ちを体して、その代表の意味でOECDの西欧先進国側に接するのだ、この気がまえが基本的に特に必要だと考えるわけであります。また、そういう意味からいいましても、単なる気がまえだけでなく、総理大臣との質疑応答の際にも申し上げたのでありますが、少なくとも、DAG時代からもそれとなく、もう実際上のいわば不文律とも言うべき、先進国側としてはその国民所得心あるいは国民総生産の一%ぐらいはむしろ後逸国援助のために、いわゆる身銭を切ってやるという、このかまえがやはり基本的になければならぬ。そういう意味におきまして、OECD加盟にあたって、ただふわっとした気持ちでいくのじゃなくて、後進国援助に対する日本の正当な役割り、それに対する備え、その気魄に満ちた態度でひとつ西欧側と折衝していくという、これが必要だと思う。
最後に政府が最近政治面等においても、西欧帝国とのつながりが深くなっていくということは、たいへん私はけっこうな外交の路線だと思います。イギリス、フランスの、アメリカだけでなくて、定期的な外相会談けっこうであります。それから、いろいろな国際機関に日本が入っていくのはたいへんにいいことだと思いますので、OECD加盟にもそういう意味で希望条件を付して賛成でありますが、ともすれば、新らしい機構に入ってもこなし切れない、こういううらみなきにしもあらずでありますから、十分にこれを機会に活発なる外交の展開を期してもらいたい。
以上の希望条件を付しまして、私は、OECD加盟に賛成の討論を終わります。