竹内壽平の発言 (決算委員会)
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○政府委員(竹内壽平君) 今度の準備草案は、これは一つの法制審議会に提供いたしました貴重な資料というにとどまっておるのでございまして、これが法務省でつくりました政府原案という意味のものではございませんのでありますが、昨年五月、法制審議会が開かれまして、刑法の全面改正が諮問されまして、九月には刑事法特別部会が設けられまして、刑事法特別部会におきましては五つの小委員会が設けられて、自来今日まで、各委員会とも七回以上の審議が重ねられてまいっております。
この考え方は、大体準備草案の線に沿って議論が展開されておるように私は見ておるのでございますが、そこで、それでは準備草案はどういうことを意図しておるかという点でございますが、幾つかの点がございますけれども、ただいま御質問のございました点に一応限定をいたしまして考え方を申し上げますと、準備草案で最も注意をいたしておりますことの一つといたしまして、公の犯罪につきましては、公務員の責任を重く見ていく。それに対する保護の規定もまた一面用意されておりますが、その責任はもっと重いものでなければならぬという考え方がございます。それと同時に、また個人の犯罪の面におきましては、従来人命犯と財産犯との関係において、財産犯がやや重く見られて人命犯が軽んぜられておるような傾向があることが看取されますので、名誉とか生命身体とかいうような点につきましての刑を重くしておる、といったようなところが特に目立っておるのでございます。
一般的に、現行の刑法は幅の広い法定刑を定めておりまして、その適正な刑は裁判官の裁量で盛るというたてまえをとっておりますが、運用の実績に徴しますると、ややもすれば、下のほうに判決が集中するという傾向が強く看取せられる点が反省せられまして、法定刑につきましては格別注意が払われておるのでございます。特に、公務員関係の犯罪につきましては、職権乱用等の規定はかなり重いものになっておることが注目される次第でございます。審議会の現実の動きも大体この線に沿っておるように私は見ておりますが、さらに諸外国の立法例等も参酌いたしまして、真に公務員として、国民の奉仕者としてのその立場、そういうものの権限を認めるとともに、その権限の重大性という意味から、義務の面におきましても重要なものであるということを刑法の面で明らかにしていくというような立法が、今後の立法の姿として想像されるわけでございます。