早川崇の発言 (地方行政委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(早川崇君) ただいまお手元に配付いたしました昭和三十九年度地方財政計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和三十九年度の地方財政計画の策定にあたりましては、国と同一の基調により健全均衡財政を堅持しつつ、地方行政水準の一そうの向上をはかり、かつ、地域開発の促進と地域格差の是正をはかることを目標といたしました。すなわち、計画策定の具体的方針といたしましては、
 第一に、産業経済の発展に即応し、国民生活水準の向上を期するため、道路、港湾等の産業基盤施設、下水道等の環境衛生施設及び住宅等の整備を促進するため補助事業及び単独事業を通じて、公共投資の充実をはかることといたしました。
 第二に、地方独立財源を充実しつつ、地方税負担の合理化をはかるため、(ア)昭和三十九年度及び昭和四十年度の二年度間において、市町村民税の課税方式を本文方式に統一するとともに、現行の準拠税率を標準税率に改め、(イ)電気ガス税の税率を一%引き下げるとともに、これによる減収を補てんするため、たばこ専売益金の委譲により市町村たばこ消費税の税率を引き上げることといたしました。
 第三に、地域格差の是正を促進するため、地方交付税制度を改正して、引き続き財政力の貧弱な地方団体の財源の充実をはかるとともに、辺地における公共的施設の総合的な整備を促進するため、地方債の増額をはかることといたしました。
 以上の方針のもとに昭和三十九年度地方財政計画を策定いたしたのでありますが、その結果歳入歳出規模は、三兆一千三百八十六億円となり、昭和三十八年度地方財政計画に比較して、五千五十億円の増加となります。
 次に、歳入及び歳出のおもな内容について簡単に御説明申し上げます。
 第一に、歳入について申し上げます。
 その一は、地方税収入であります。ただいま申し上げましたとおり、地方独立財源を充実しつつ地方税負担の合理化をはかるため、本年度及び明年度の二年度間で、市町村民税の課税方式を本文方式に統一するとともに、準拠税率を標準税率に改めることとし、昭和三十九年度においては、まず可及的にただし書き方式の諸控除を本文方式に近づけることとし、百五十億円程度の減税を行なうことといたしました。また、電気ガス税の税率を一%引き下げるとともに、その減収補てん措置として、市町村たばこ消費税の税率を一・六%引き上げることといたしました。
 以上のほか、住宅の建設を促進するため、不動産取得税及び固定資産税において所要の軽減措置を講じ、また、中小企業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業税においても事業主控除を引き上げ、軽減税率の適用範囲を拡大することといたしました。なお、新道路整備五カ年計画によって増大する地方負担に対処するため、この際軽油引取税の税率を二〇%引き上げることといたしました。この結果、地方税収入は前年度に比し二千三百二十六億円の増加となり、総額は一兆二千九百八億円と見込まれるのであります。
 その二は、地方譲与税であります。軽油引取税増徴と同一の趣旨により、地方道路譲与税の基礎になる地方道路税についても、その税率を一〇%引き上げるとともに、国際収支改善対策の一環として、特別とん税の税率を二倍に引き上げることとし、これに関連して明年度以降五年間に限り、外航船舶にかかる固定資産税を免除することといたしました。この結果、地方譲与税は前年度に比し九十四億円増加し、総額は四百五十二億円となります。
 その三は、地方交付税であります。地方交付税につきましては、所得税、法人税及び酒税の収入見込み額を基礎として算定し、その総額を六千三百五十一億円と見込みましたが、このうちには昭和三十八年度国の補正予算で追加となった地方交付税のうち昭和三十九年度に繰り越すことを予定しております百三十七億円を含んでおります。
 その四は、国庫支出金であります。国庫支出金は、義務教育職員給与費国庫負担金二百四十四億円の増、その他の普通補助負担金五百六十四億円、公共事業費補助負担金五百五十五億円の増、失業対策事業費補助負担金の増五億円、国有提供施設等所在市町村助成交付金の増一億五千万円、合計千三百七十億円増加し、総額八千五百九十四億円となっております。
 その五は、地方債であります。地方債につきましては、昭和三十九年度は、(1)住宅建設及び生活環境施設の整備の促進、(2)地域開発の推進、(3)地方公営企業の整備拡充、(4)市町村民税の減税による減収の補てん等に重点を置いて地方債計画を策定いたしました。この結果、昭和三十九年度における地方債の発行予定額は、三千九百八十四億円となり、前年度と比較して八百三十四億円の増となります。このうち地方財政計画に算入いたしますのは、一般会計債の千二百十八億円、特別地方債と地域開発事業債のうちの一般会計分八十六億円、合計一千三百四億円であり、昭和三十八年度に比較して三百七億円の増加となっております。この中には、市町村民税臨時減税補てん債百五十億円を含んでおりますが、これは、今次市町村民税減税の趣旨及びそれが市町村財政に及ぼす影響を考慮し、これによる減収額を補てんするため発行を許可するものでありまして、全額政府資金によって引き受ける予定であります。また、その償還額の三分の二につきましては、国が元利補給を行ない、残余の三分の一につきましては、その全額を地方交付税で措置することといたしております。
 その六は、使用料、手数料及び雑収入であります。使用料、手数料及び雑収入につきましては、総額を千七百七十七億円と前年度に比較して百五億円の増加を見込んでおります。
 第二は歳出であります。
 その一は、給与関係費であります。給与費につきましては、(1)給与改定の平年度化に伴う経費 (2)高等学校の教職員、警察官の増員等、制度改正等に伴う職員の増加に要する経費等を見込み、総額一兆千二百二十五億円、前年度に比し千四百四億円増加となっております。
 その二は、一般行政経費であります。この一般行政経費のうち (1)国庫補助負担金を伴う経費は、総額三千七百十億円と見込まれ、前年度に比し七百八十一億円増加いたしましたが、これは生活保護費、結核医療費、児童保護費、精神衛生費、農業構造改善事業費、中小企業近代化促進費等、国庫予算の増加に伴い増加を見たものであります。(2)国庫補助負担金を伴わない経費は、一般行政事務の増加等の事情を勘案して算定いたしました結果、前年度に比し三百八十億円増加し、総額二千八百六十七億円になっております。
 その三は、公債費であります。公債費につきましては、既発行の地方債の昭和三十八年度末現債額及び昭和三十九年度新規発行予定額を基礎として算定した結果、前年度に比し九十九億円増加し、総額一千百四十三億円となっております。
 その四は、維持補修費であります。道路、橋梁、校舎、その他公用公共用施設の維持補修費につきましては、単価の上昇、施設の増加等の事情を考慮して算定いたしました結果、前年度に比し、百五十八億円増加し、その総額は七百九十二億円になっております。
 その五は、投資的経費であります。投資的経費につきましては、産業基盤の充実強化、住宅及び下水道等の生活環境施設の整備が強く要請されている実情にかんがみ、特にその充実に意を用いたところであります。(1)まず、国の直轄事業に伴う地方公共団体の負担金は、前年度に比し八十五億円増加し、五百六億円を計上いたしました。(2)次に、国庫補助負担金を伴うものにつきましては、新道路整備五カ年計画の実施に伴う道路整備事業費、治山治水事業費、港湾整備事業費、住宅対策費、公立文教施設費等の増加により、前年度に比し九百九十三億円の増加となり、総額は六千五百五億円と見込まれます。(3)国庫補助負担金を伴わない地方単独の事業費につきましては、産業経済の発達と国民生活水準の向上に即応することができるよう道路、その他の産業基盤施設、高等学校等の文教施設、住宅等の整備に要する経費を中心として増額をはかりました結果、前年度に比し、道路関係で五百三十四億円、その他で六百十六億円、計千百五十億円の増加となり、その規模は四千三百六十億円となったのであります。なお、投資的経費の増額に伴い、前年度に引き続き地方交付税の算定方法に改善を加え、財政力の貧弱な市町村の財源を傾斜的に増額する措置を講ずることといたしたのであります。
 以上が、昭和三十九年度の地方財政計画の概要であります。
 これを通観いたしますと、昭和三十九年度におきましても、従前に引き続き公共投資及び社会保障の拡充等の諸要請にこたえるとともに、産業経済の発展、国民生活の向上に即応して地方団体が独自に実施する経費の充実がはかられているのでありまして、これにより地方行政水準は一そう向上していくものと期待いたしているのであります。

発言情報

speech_id: 104614720X00919640225_008

発言者: 早川崇

speaker_id: 21219

日付: 1964-02-25

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会