堀切善次郎の発言 (地方行政委員会)
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○参考人(堀切善次郎君) 私は、東京都の公安委員長といたしまして意見を申し上げたいと思いますが、一番初めに、先ごろ六大都市関係の公案委員会から皆さま方のほうに風俗営業法の改正につきまして要望を差し上げてありますので、このことをまず初めに申し上げたいと存じます。おととしの、三十七年の九月にお手元に意見書を差し上げてありますが、これはその当時、六大都市関係の公安委員が東京に集まりまして——三十七年の五月に警視庁に集まりましていろいろ意見の交換をいたしました際、大阪の委員のほうから風俗営業法の改正に関する意見を出されまして、それを中心にいろいろ話し合いをいたしたのでありますが、結局六大都市関係の各都府県の公安委員が、みな、関係方面に改正に関する要望書を差し出そうということになったわけなんであります。それで経過を申し上げますと、その席で各都府県からいろいろな意見が出ましたが、それをまとめます関係上、しばらく間をおきまして、その間に実際の取り締まりに当たっております各都府県の防犯部長を集めまして、そこでまたいろいろ意見の調整をいたしまして、結局九月になりましてからお手元に差し上げてある意見書を、要望書として差し出したような次第であります。
その内容を一通り申し上げたいと思いますが、これはその当時、やはり深夜飲食店を主にしていろいろ議論があったわけなんでありますが、この六大都市関係のほうから出ました要望書には、四カ条を掲げてあるのであります。なお、つけ加えて申し上げたいと思いますが、公安委員会といたしましては昨年の秋、全国の公安委員の会議が開かれました際にも、北海道の委員から、風俗営業法の改正に関する意見が出まして、深夜食飲店を風俗営業の中に入れて取り締まるようにしてほしいという意見が出されまして、各府県の意見も大体それにみな同意であったのであります。これは警察庁のほうで目下改正案を進行中であるからということで、別に決議をするというようなことにはなりませんでしたが、そういう経過のありましたことを申し上げておきます。この六大都市関係の公安委員会からお手元に差し上げましたものは、その第一といたしまして、飲食店営業で接待行為を伴わないものであっても、バンド演奏またはショウを行なうなどして、享楽的雰囲気を醸成するような方法で、客に飲食または遊興させる業態のものは、これは風俗営業の中に追加して規制をしたいという点が第一点であります。これはジャズ喫茶とか、あるいは音楽喫茶とか、あるいはロカビリー、ツィストなどというような種類の喫茶店、あるいはまた、ヌードスタジオのような一種の享楽的の雰囲気を醸成すをような方法で、客に飲食または遊興させる業態のもの、そうして接待行為が伴わないもの、これらのものについては、これを風俗営業としてやはり風俗営業法のうちに追加をして、風俗営業として取り締まるようにしたいという意見が第一点であります。これらの業態は、善良の風俗を維持する上から考えましても、あるいはまた、青少年の保護育成の点から考えましても、これを取り締まる必要があり、これを放任しておくべきではないと考えている次第であります。
それから、この要望書の第二の点は、いわゆる五号営業の照度の基準を現在の十ルクス以下から、十六ルクス以下に引き上げ、その基準の範囲も改正したいという意見でありますが、これは御承知のように十ルクス以下のものについては、風俗営業法で現在風俗営業の中に入っておりますが、十ルクスちょっと出たものについてはそれに入らない、放任されている状態でありますが、しかし、暗い場所でいろいろな好ましくないことが行われる危険が非常に多いと思いますから、営業の場所をなるべく明るいようにしたいという、そういう考えから明るさの程度を十ルクスから十六ルクスに引き上げて、そしてどの場所でも十五ルクス以上の明るさに保つように営業指導をしてほしいという考えからこれが出ているわけであります。十ルクスになりましても、たいした違いはないとも考えられますが、幾らかでもこれを明るくして、営業の場所を明るい場所にしてほしいという意見から出ているわけであります。
それから第三番目には、酒を販売するものにつきましては、その販売時間を十二時までとしまして、午後の十二時過ぎには販売をさせないというようなふうにしてほしいということであります。これまで深夜飲食店を中心としていろいろな問題があるわけでありますが、このとき、六大都市の公安委員の間の話し合いでは、これを規制する方法といたしまして、酒を販売するという点から考えまして、販売を十二時までに限って、十二時以後の販売は禁止したい。御承知のように、夜おそくまで飲んでおりますということは、結局いろいろな間違いのもとになりますので、十二時で禁止するようにしてほしいということなのであります。この点につきましては、このたびの法律の改正案で、深夜飲食業に対して強い規制をされます改正案の趣旨のようでありますから、この目的は大体達せられるかと思います。しかし、それでもやはりまだ残る点があるかと考えられますので、これはさらに一歩を進めて、十二時で禁止するというようにやっていただくことが一番いいのではないかと考えておるのであります。
それから第四番目の要望といたしまして、ホテルとか旅館業等においてダンスパーティーその他各種のパーティーを催す際に、婦女を、女を招いて接待行為が伴うなど風俗営業類似の行為をする場合には、事前に公安委員会の承認を要するものとするというふうにしていただきたいということであります。これは近ごろホテル、旅館等におきましてダンスパーティーとか、その他この種類のパーティーがたびたび催される実情がありますが、この現在のまま、これが放任されておりますと、正当の手続をして許可を受けましたキャバレーとか、ナイトクラブとか、ダンスホールとかいうほうと、はなはだ不均衡の結果になります。そういう点から、これは事前に公安委員会の承認を要するということにしたいということでありまして、東京都で警視庁におきましては、ただいまのところこの点は東京都の条例によりまして警察署長に届け出をするということになっておりますが、六大都市全体がそうなっているとも限りませんし、また届け出では不十分でありますから、これを承認を要するということにしていただきたいという要望であります。この点は、これはホテル、旅館等において行なわれますものにつきましては、別に青少年の保護育成の上に対する影響はわりあい少ないかとは思いますが、正式の手続を経て許可を受けております業者との均衡上、それらに対して公平を期する上から、やはりこの手続を、承認を要するものとするというように、やっていただきたいという考えを持っているわけであります。
で、これらの四カ条の要望を、一昨年皆さん方のお手元にも申し上げておるわけでありますが、このたびの風俗営業法の改正案によりまして、このうちの幾分は目的を達せられることになります。ことに深夜飲食店に対しまして規制を加えられますことは、非常にけっこうなことでありまして、われわれも前からこれを熱望しておりましたその一番重要な点が解決されることになりますことは、まことにけっこうなことだと考えておる次第であります。
なお、公安委員会といたしましても、しょっちゅう問題になって論議の的となり、いろいろと苦心しております問題が幾つかあるのでありますが、それらについて二、三申し上げてみたいと思います。
その第一は、トルコぶろであります。これは東京都の現状におきましては非常に急速に増加しておりまして、その内容は実は取り締まりができないのでありまして、詳細なことは何ともわかりませんが、しかしながら、これはどうも善良の風俗を維持する上において放任できないもののようなふうに察知されます。このままにしておくということは、どうもはなはだ好ましくない状態なのではないかという疑いを非常に深くしております。これをちゃんとした、はっきりした明朗なものにしていくということが必要なんではないかということを考えておる次第であります。
それから、その第二はボーリングであります。これも東京都の現状を申し上げますと、急激に増加しつつあります。そうして夜おそくまで——深夜まで営業しているのが相当にありまして、しかもこれの入場者の二割ないし三割が少年であるというような状況であります。深夜までこういうことに熱中しているということは、少年の補導上これは看過し得ない問題ではないかと考えるのであります。まだ数はわずかでありますが、現在どんどんと増加しようとする傾向を持っており、そうして夜おそくまで若い者がこれに熱中しているというような状況を考えますと、これはやはり放任しておくべきものではない、何か風俗営業法としても考える必要のある問題ではないかと考えておるのであります。
それから第三番目に申し上げたいと思いますのは、深夜興行場であります。劇場、あるいは映画館等が深夜まで営業をするという傾向が、これも最近に顕著になっておりまして、おそくまで、あるいは深夜まで映画を見ているとか、あるいは劇場のようなところにいるということは、これもやはり善良の風俗を維持する上において、あるいはまた青少年を育成保護していく上において、やはり看過できない問題であるように思います。これらについても十分に考慮をする必要があるのだろうということを考えている次第であります。
終わりに申し上げたいと思いますのは、今回の改正案は、われわれ公安委員会といたしましても、非常にけっこうな、一番大事な点を改正される、まことにいい改正案だと考えているのであります。これまで申し上げましたいろいろな——まだこれ以上にやっていただきたい希望をたくさん持っているのでありますが、しかし今回の改正案は、その一番大事なところをつかれた非常にいい改正案だと考えているわけでありまして、従来、東京都の公安委員会といたしましても、たとえば深夜喫茶飲食店の営業を、違法なことがあったために深夜の営業を停止処分にした場合も数多いのでありますが、今日までの経過を申し上げますと、業者によりましては、営業停止の処分を受けますと直ちに廃業をして、そして別の名義人をつくって直ちにまた開業の許可を申請する、そうすると、厚生省関係の保健所で扱っておられるようでありますが、保健所のほうではそれを拒否する理由がないからということで、直ちにまた、それを許可をされます。営業停止をするとすぐに廃業し、廃業して直ちにまた新たに開業するということで、全くその処分の効果もないような実情になっております。これらの点も、この法の改正でははっきりいたしますので、非常にけっこうないい改正案だと考えているような次第であります。
一通り私の考えておりますことを申し上げた次第でありますが、まだ何か御質疑がありますれば、それによってお答え申し上げます。