斎藤頴夫の発言 (地方行政委員会)

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○参考人(斎藤頴夫君) 私は、喫茶業の全国の連合会会長をしている斎藤頴夫であります。
 このたびの風俗営業法並びに喫茶業の改正案につきましては、まず、青少年の育成の問題から申し上げても当然のような考え方を持っておりますし、それには何ら異議は申し上げませんのでございますが、ただ、私のほうの業界は、家族を入れますと約三十万人ございますが、いま、喫茶業と申しましても、いまからちょうど四、五年前に厚生省の環境衛生法が制定されまして、いち早く許可されまして、今日までわれわれの業界のあり方を指導してまいった関係上、いわゆる深夜喫茶そのものと申されましても、私どもの業界には、深夜喫茶と一口に申されても、あまりそれは数が少ないのでございまして、ただ、喫茶という許可があまり簡便であるために、キャバレーあるいはバー、ほかのお酒を飲む飲食店のほうにも、何かの場合に喫茶店の許可で、どちらの業界にも入らないで、自由に、法の盲点をついて営業しているという業者が数千東京都にもございます。こういう方たちが、やはり喫茶の許可で営業しておる関係で、いちずに私たちの喫茶業と同一視されるということが非常に心外である。いま、堀切委員長も申されましたが、いわゆる音楽喫茶とか、あるいは何々喫茶、何々喫茶といって看板を上げますのは、私のほうの業界とは全然違う業界でございます。しかし世論では、これをやはり喫茶業として同一視されております。私のほうは、東京都にも五十支部ございまして、このうち四十二支部が確立されております。一支部が大きいところで二百八十軒、小さいところで六十軒くらいになっております。これは保健所を単位に一支部、一支部と結成しておりまして、お互いに牽制し、組合本部が指導、監督して今日まで参っておりまして、これは飲食店業としましても、自分で申し上げてははなはだなんですが、調理士の資格免状から、すべての衛生面までが、わが国では一と言って二に下がらないと、自分でも考えております。ただ営業時間が——婦女を接待せしめないというたてまえから、自分で自由に営業を締める傾向になっておりまして、たまたまこの点が、大体十二時で締めております。これが本改正法案になりますと、十一時という限定になりますと、この点がいささか困難視され、ここ数日問題になっておりますが、この点は何とか御高配願って、とにかく零細業者であるために、長時間営業しなくては、ちょっと飽和状態になりまして——軒数もふえましたために、お互いに競争が激しくなりまして、それでお互いに牽制して、変わった営業をしたり、あまり過当な競争をするときには、各自がお互いに監視し、そうして本部に通報しているような始末がいまの現状であります。最後のこの十一時から十二時という間が、千円売り上げるか二千円売り上げるかの問題ですが、これがいまわれわれ業界の一番いわゆるもうける——最後の一時間で売ったのが利益になるというのが、いまの現状であります。この点がちょっとこの法案に対して——一昨々年の暮れ、堀切委員長並びに渡辺防犯部長にも陳情書を出して、去年まいりましたのですが——、あと、問題は明るさのルクスの問題も、十五ルクスなんてことをいわずに、二十ルクスでけっこうであります。私も、オリンピックを控えまして各国を回りましたが、これからはもう衛生観念が最も高度にならなければいけない、日本の国も自由化になるのだから、各自がもう昼間と同じようなあかりをもって営業しなくては衛生的にいかん、こういうことを主張しまして、まあ大多数の人たちも、まず二十ルクスが至当ではないか、警視庁が十ルクスなんというのは手ぬるいのだ。この点は昨年の暮れにも、陳情書にありますように、二十ルクスにしようじゃないかというくらいに、みんな考えております。ただし、いかがわしい業者は、これは喫茶店であるのか、バーであるのか、キャバレーであるのか、どっちかわからない。数千のいかがわしい業者の中に深夜喫茶がたくさんございます。私らの業界では、その近所の幾分の人たちは、どうしてもそっちへお客を取られるので、やむを得ずそれに引きずられる、近所の同業者から非難を浴びるまで引きずられる傾向がございます。これは一番多いところが、新宿とか、あるいは池袋とかいうかいわいの繁華街にありますが、他の地区ではもうそういう考え方は持っておりません。ですから、このアウトサイダーの業者をわれわれ業者の支部へは入れない、ああいうのを入れては困るのだ——こういうことばも、これは当を得ない。入れて感化し、指導していくか、放任しておけば汚名は私たちのところにかぶさってくるのだ。こういういま結論で、なかなか業界でも議論が沸騰しております。ですから幾分——これは警視庁あたりで統計をとっているようでございますが、本組合の違反者は、ルクスの違反者がわりあい少数でございますが、アウトサイダーには数倍の違反者があります。これは警視庁で統計をとってございますが、そういう状態でございます。ただ、零細業者といたしまして——いま委員長がお酒を十二時まででとめていただきたいと——実にけっこうな話だと私は思います。私たちのほうはコーヒー、紅茶、そういう嗜好品でございますから、この点も、お酒を十二時まで売るんならば、われわれのそういうトーストパンやコーヒー、紅茶も十二時まで何とか御高配を願えれば非常に幸甚で、その辺ならば、すべて全国の業者も納得いくんじゃないか。ましてやオリンピックを控えて、衛生観念を第一に、そしてわれわれ業者はいわゆるこびを売るというような業種でございませんで、大衆のいこい、大衆が安易に休息して、そして一日の疲れを休めていただくというところの業種ですが、それがだいぶ変化してまいりまして、ケーキあるいはもち菓子を自分のところで製造して、そしてお茶と一緒に販売するという物品販売に移行しつつある状態でございます。ただ深夜喫茶といって、いちずにそういう悪徳業者と同一視されるということが、われわれ業者としてこれは許せない。これを何とかしてPRして、この汚名をどうして取り除きたいというのが、現在、ここ数日会合している総員の意見でございます。そういう意味で、先ほども堀切委員長が、営業停止を食わしても、すぐ別人の名義に変えて営業許可をとると、これも相当三国人系統に多うございます。こういう点も実に私たちとしては困っております。で、私たちのほうはそういう意味で、一地区に二百からございますので、非常にお互いに牽制し合っております。いわゆる朝のサービスタイムも全廃しようじゃないか。隣はトーストパンを出した。今度は卵まで出す。これじゃ営業が成り立たないと、こういう意味で、いわゆる環境衛生同業組合ができましたために、それからはそういう過当の競争をやめて——そして、お互いに牽制していますから、少しでも常識はずれの営業をいたしますときには、近所隣の業者が黙っておりません。すぐに本部に通報いたしまして、それは問題になります。ましてや青少年が入るなんということは、知っていても知らなくても、年を隠して入っても、それらしい人が入った場合には即座にこれを追い出す。あるいは警察当局に、出ない人があったら知らしてもいいんじゃないか。この前、警視庁の志村保安課長ですか、業者でそういう監視人を置くのもいいじゃないかという御意見で、それもけっこうなことだ。そういうことで各支部で十名から十五名ぐらいの監視人を置いて、それでこれを監視しようという制度をいま設けつつある現状でございます。ただ、そういうわれわれの業種と、そういうお酒を売る業態と、この中間に位する何業種であるかという数千の業種を、これをどういうふうに取り締まるかということは、これはやはり公安委員長のほうでも非常にお困りだと思います。私のほうもはなはだ迷惑千万ですが、これもいたし方がございません。ただし、この方たちは喫茶の許可で営業しております。喫茶の許可は簡単にとれるものですから、喫茶の許可で営業しているために、私たち純粋の喫茶業種と同一視されるということが、はなはだ残念でございます。これをどうか何らかの方法によって——警視庁が取り締まるより、われわれ業者が監視人を出してこれを取り締まるというか、通報するか、そういうことでいちずに解決つけ得ると私は思います。しかし警察権があるわけじゃございませんが、常識的にこの地区でこういう営業をしては困るという程度の通報は可能だと思います。それですから、一地区に二百軒からありますから、少しでもいかがわしいとか違反した営業をする場合は、即座に、もう一時間たたないうちにわかります、このことを何らか具体化して、不良業者を——要するにオリンピックで前のイタリーあたりは風紀問題で非常な評判になっておりますが、日本はそこまでやりたくないということから、いろいろとそういう常識的な指導をしておりますが、どうかひとつ零細業者、いま三十万人の一時間の時間——十一時で切られますと、この点即生活を非常におびやかすということだけが一つの悩みでございます。どうかこの一時間を、もし違反者があるならばどういう厳罰もあえて辞しません、けっこうでございます、即時営業停止を食わされてもけっこうでございます。また、そういうことは本部といたしましてもほんとうにお知らせします。ですから、どうか厳罰もけっこうでございますから、何とか十一時から十二時までの間の一時間の御延長を、いままでどおり十二時限度ということにしていただければ、実にわれわれ三十万人の生活権が一応……。もしそれもだめだ、やかましいというならば、一つの期間を設けて、たとえば半年とか、まずオリンピックまでとかいうならば、またその間にその営業の純益が少なくなるものはほかの方法、ほかのほうに営業を転向するという方法もございますが、とにかくお酒を十二時にとめていただきたいという、先ほどの委員長のおことばがあったとおりの時間まで、できるならばお酒でない嗜好品の営業を十二時までは、これは可能のように自分も思うし、いまの三十万人の生活も、これまでならば何とかいい方法に持っていけるのじゃないかと、この点をお願いしてやまないのであります。いまルクスなんという問題は、もうすでにそういう問題はおかしいです。ですから、われわれ業種は、まずいまから二月中に二十ルクスまで引き上げようという傾向で、これも費用がかかりますので、即というわけにはまいりませんが、二十ルクス引き上げつつございます。どうかその点をよろしく御推察願いまして、十二時まで善良な喫茶店の営業をお認め願えることができましたならば、非常に幸甚だと思うのでございます。
 以上をもちまして終わります。

発言情報

speech_id: 104614720X00919640225_015

発言者: 斎藤頴夫

speaker_id: 26401

日付: 1964-02-25

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会