伊藤顕道の発言 (内閣委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○伊藤顕道君 長官は四十五分にどうしても帰らなければならぬとおっしゃっておるので、いろいろ飛び飛びの問題になりますが、時間がそういうわけで、ございませんから、大事な一点だけお伺いいたします。
 と申しますのは、有名な湯川博士が、「世界」という雑誌にこういう寄稿をしておるわけです。その要旨を申し上げると、世界各国の原子物理学者の中には、私たちと同様に、原潜の安全性に関して危惧の念を抱いている人たちが決して少なくない、こういうことの書き始めで、その一例としてこういうことを言っているわけです。
 アメリカの物理学者のエドワード・テラー氏についてこう言っておるわけです。彼は水爆の父として呼ばれ、水爆以来のアメリカの核兵器開発の代表的な一人である。彼はすぐれた物理学者でありますが、一九六〇年に、アメリカ原子力委員長にあてて、こういう手紙を出しておる。その手紙の一節に、原子力潜水艦の原子炉は通常の原子炉と比べて、本来的により一そう危険だと私は感じている、それは他の事故以外に、さらに衝突事故をも起こし得るからである、こういって、最後に、私はそれは絶対的に必要である場合以外は人口稠密な港に出入するのは間違いであると深く信じている。全世界はこの点に関して私たちを見守っているのだから、同じ配慮は外国の港を訪問する場合にも適用さるべきである。こういうような意見を発表されておるわけです。
 そこで問題は、先ほど長官は安全性を確認したからその寄港を認めたという、そういう前提に立ってお話があったわけですけれども、それは政府側の方はむろん賛成しておるでしょうが、国民あげてその寄港のきわめて危険であることを強調しておる。しかも、日本の学者だけではなく、いま一例を申し上げたように、世界の学者がその危険性を指摘しておる。しかも、専門的な権威ある学者がこういうことを指摘しておる。特に人口稠密な港にはきわめて危険である、避くべきである、こういうことを言っておられる。もちろんこの問題は外務省にも関連した問題でありますけれども、安全性という観点から、防衛庁長官としても、当然味わうべきことばであろうと思うので、決して長官のようにその安全性を確認されておる人はほんの一部で、世界あげて反対、危険であるということを確認している人が相当多いということを考えたとき、長官としてはなおかつそういう国民の声、科学者の声を無視して安全性を強調されるお考えなのかどうか、この点についてお考えを聞きたいと思います。

発言情報

speech_id: 104614889X00519641026_028

発言者: 伊藤顕道

speaker_id: 16352

日付: 1964-10-26

院: 参議院

会議名: 内閣委員会