加瀬完の発言 (予算委員会)
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○加瀬完君 第一分科会における審査の経過を御報告申しあげます。
第一分科会の担当は、昭和三十九年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く)及び法務省所管並びに他の分科会の所管外事項であり、三月二十五日、二十六日の両日にわたり、関係大臣及び政府委員より説明を聴取した後、慎重に審議を行ないました。以下質疑の概要について御報告申し上げます。
まづ、皇室費関係予算について申し上げます。内廷費及び皇族費は、前年度に比し、それぞれ八百万円、百八十万円の増額となっているが、その内訳はどうか。また、義宮の御婚儀の費用はどうなっているか等の質疑が行なわれました。関係政府委員より、内廷費については定額によってきめているが、その内容は内廷諸費、物件費及び内廷職員の給与費である。内廷諸費及び物件費については一昨年から改定していないので、物価値上がり等を勘案して定額を改定したものであり、内廷職員の給与費は掌典等二十五名の給与費であって、一般公務員と同様に六・七%のアップをしたものである。また、義宮の御婚儀費用については、その一部を宮廷費及び内廷費より支出する考えであり、特に増額等は考慮していない旨の答弁がありました。
次に、国会所管の予算につきましては、国会職員の給与について、その職務の特殊性の把握、行政職(二)の必要性及び初任給格づけ基準の有無、議院警察職の初任給格づけ、速記職の給料表の内容等について質疑が行なわれました。これに対し各関係当局より、国会職員はその職務の特殊性から特別職となっており、給料表は一般職の給料表に準じて制定されているが、国会特別手当、超過勤務手当の優遇、その他種々の手当が支給されている。行政職(二)の適用職種は、公務員一般に共通したものなので設けられたものであり、国会職員だけを特別に扱うことは困難である。行政職(二)の初任給格つけの基準は別に設けていないが、年齢、経験年数等、種々の条件を考慮してきめており、昨年実施された初任給の二号アップについても、アンバランスにならないよう調整を行なったが、今後とも不公平にならないように種々の面から検討していきたい。また、議院警察職の初任給は、大学卒においては一般公安職の大学卒よりは低くなっている。速記職の給料表は一等級から六等級までに区分され、職階的には、一等級は行政職(一)の四等級に相当するものとし、それに特殊技術という点を加味して作成されている旨の答弁がありました。
次に、会計検査院所管の予算につきましては、検査機能を向上発揮するための人員構成、実地検査の出張人員、一人当たり年間出張旅費、検査旅費支給等はどうなっているか。沖繩援助費及び海外移住事業団の実地検査の内容はどうか等について質疑がありました。これに対し、会計検査院事務総長より、三十九年度は検査を強化するため、参事官一名、上席調査官三名、調査官十六名の増員と上席調査官二名の振りかえ設置を予定しており、この結果参事官七名、上席調査官十名、調査官五百五十九名等となり、総計一千二百十二名である。また出張人員は約八百名、年間一人当たりの旅費は約十万円で、旅費は旅費規則により支給しており、検査雑費等は支給していないが、検査を受ける官庁の迷惑にならないよう十分に注意している。沖繩援助費の実地検査は、沖繩へ三名、十日間、計三十三万八千円を予定しており、海外移住事業団については、昨年に引き続き本年も南米の移住会社の検査を予定しており、二名、四十日間、計二百万三千円を計上している、等の答弁がありました。
次に裁判所所管の予算につきましては、裁判の遅延が論ぜられて久しいが、その迅速化についてどう考えるかとの質疑がありました。これに対し、最高裁判所事務総長より、裁判官を増員して受け持っている事件数の減少をはかる。軽微な事件は簡易裁判所で処理する、あるいは裁判官の適正な配置、裁判所の廃止、統合等の合理的な運営、弁護士会への協力方の要請などを考えているが、いずれにしても、今夏提出が予定されている臨時司法制度調査会の答申を待って具体化していきたい旨の答弁がありました。
次に総理府所管の予算につきましては、日米協議会設置の交渉はその後どうなっているか。この協議会は、沖繩に対する経済援助に限られ、施政権問題、人権問題等は協議されないのか。また沖繩に対する日米両国の経済援助の額は幾らか、その見通し等について質疑がありました。これに対し、総理府総務長官及び関係政府委員より、日米協議会はケネディ大統領の声明によって設置がきまったものであり、以後、慎重に交渉を続けて意見の調整を行なっており、近いうちに妥結するものと思う。この日米協議会は沖繩に対する経済援助の方針、政策等を協議するものであり、また同時に、現地に設けられる日・米・琉技術委員会は、現地において技術の実施等の細部な点を協議するのを目的としているので、施政権問題あるいは人権問題等は両国の外交交渉によって解決すべきとの観点から一応目的外に置かれている。また、日米両国の沖繩援助額は、琉球政府の一九六四年度予算の計上額はアメリカ八百三十三万五千ドル、日本三百九十四万ドルであって、援助する際両国の間に比率等はなく、相互に適当と思われるものに援助を行なっている。この援助費は、将来とも強力に行ない、沖繩の経済を本土並みに発展させたいので、増加していくものと思う旨の答弁がありました。
最後に、法務省所管の予算につきましては、非行少年問題に関して、最近の少年犯罪の概要及び最近の未成年者の犯罪、交通違反の多発にかんがみ、現実と法とが遊離しているように思われるが、早急に法改正の意思があるか。また鑑別所等の施設は予算上の措置が十分に講ぜられているのか等の質疑が行なわれましたが、法務大臣及び関係政府委員より、少年犯罪は全般的に逐年増加の傾向にある。特に道路交通違反事件は非常に多く、昭和三十七年は四十六万人をこえ、九・七%を占めている。残りが刑法犯であり、受理人員は十六万五千百四十五人となっている。また犯罪年齢は十八歳一二十歳から逐次低年齢層に移行している。特に本年に入ってからの特色としては凶悪犯罪が高校生、中学生によって犯されていることである。法改正については、事実と法とが一致しない面もあるので、早急に結論を出したいが、刑事責任年齢の引き下げ等はきわめて重要な問題であり、慎重審議の上改正を考えたい。鑑別所等の施設は、予算面上の制約もあり、十分とはいえない。今後とも充実させるため鋭意努力する旨の答弁がありました。
なお、法曹一元化問題についてどう考えるか、臨時司法制度調査会の答申が提出された際、いかに取り扱うかとの質疑に対し、法務大臣、官房長官及び最高裁判所事務総長より、法曹一元化は理想としてはよいと思うが、現制度を早急に変えることは困難があり、短期間に実現はできない。最高裁判所としてもまだ態度をきめていない。また答申が提出されれば、答申を尊重し、財政当局とも協議の上、できる限り早く実現するよう努力したい旨の答弁がありました。
このほか、各所管事項にわたりまして各委員より熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
以上をもちまして、当分科会担当予算の審査の全部を終了した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)