曾禰益の発言 (予算委員会)
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○曾祢益君 私は、日韓問題に関しまして若干御質問したいと思います。最初に、私どもの日韓問題に対する基本的な態度を申し上げて、それから質問をしたいと思います。
われわれは、日韓会談は南北朝鮮の統一を妨げる、あるいはNEATOに通ずるとか、いろいろな理由をあげて韓国との交渉そのものに反対したり、あるいは南北の統一まで待てというような議論は、実際上共産側の立場に立ち、あるいはこれを支援するものでありまするので、われわれは、真に自主的なものでない、そういう意味で賛同はできません。私どもは、南北朝鮮の統一を待つまでもなく、独立した朝鮮の唯一の合法政権として国連が認め、かつ世界の多くの国が国交を持っておりまする韓国との間に、日本と韓国との間にわだかまっておりますいろいろな焦眉の懸案を解決し、よって正式に国交を樹立するために交渉することはわが国の当然の権利であるという見地に立ちまして、かねてから政府に対し国民の要望にこたえる責務があることを申し上げてまいったのであります。
また、私どもは、交渉にあたっての日本側の心がまえとしては、われわれは多くの日本国民とともに日本と朝鮮との間のほんとうに永続的な友好を願うがゆえに、またわが国としては過去に対する反省に立ち、ともすれば感情に激する韓国の人心に対しても寛容な気持ちで事に処すべきことはもちろんであるけれども、だといって、どうでもこうでも、内容はどうでもいいから、ただ妥結すればいいという態度は非常に誤っている、かように考えまして、私どもが政府に対しまする第一の心配は、この無原則的な妥協のための妥協をあせってもらいたくない。たとえば難問題は全部たな上げにしておこう、あるいは国際法や国際慣例に反した決定で妥結する、あるいは筋を通さずに、ただ足して二で割るような方式で解決を試みる、さらには国民の良識に反するような重大な譲歩をあえてするなどということがあってはならないと思うのです。このことは単にわれわれの杞憂ではなくて、かつて大野副総裁の竹島共有論が出てみたり、またあとでも申し上げるような、大平・金会談において、まず請求権問題を片づけるというようなところから、最近の李承晩ライン解決についていろいろなトラブルが起こっている。さらには、最近の農相会談における、伝えられる赤城試案などの問題があります。したがって、これらの問題についてはあとで私は重要な点に対する国民的要望をひっさげて政府の所信をただしたいと思います。
その前に、もう一つ私の心配する点は、御承知の最近の韓国の政情、特に日韓交渉をまるで日韓併合のような、日本の一方的な押しつけであるかのごとき反発をしておる韓国の一部の風潮についてであります。で、韓国の野党あるいは学生運動のこの交渉反対なり中止論というものは、日本を相手とする国交調整そのものの反対という性質のものでは私はないのではないか。むしろ、われわれから見れば、度を越えた日本に対する不信感に出発した強硬な条件闘争的なものではないか。この点においては、わが国の多くの絶対反対論と生格が違うと思うのであります。私は、したがって、この韓国内の最近の反対運動をとらえて日本国内における会談粉砕闘争に利用するがごときは、はしたないやり方と思います。しかして、韓国の困難な状態に対して理解を持っていくのが私は当然だと思いますが、しかし、かく至った経緯については池田内閣としても私は反省すべき点があろうと、以下そういう意味で政府に御質問したいのであります。
どういう点が反省すべきことかというと、第一に、先ほどもちょっと申し上げましたが、大平・金会談においては、いろいろな事情はあったとは思いまするが、まず先方の最大のいわば利益ともいうべき請求権問題で相当大幅に譲歩してしまった。それに続いて、もう一つの山がある漁業交渉等に移るのが、おそらく政府として予定されておったと思うのです。しかし、韓国のクーデターその他の事情によってそれが延びて、いよいよ最近における会談のいわゆる山というときになると、あたかも日本側だけが一方的に季ライン撤廃等の、今度は韓国側に合理的に譲ってもらわなければならない問題を、日本側だけが韓国に要求して、これを一方的に押し通すと、こういう印象を与えていることは否定できない。そういう見方が正しいというのではなくて、そういう意味からの反発というものがあろう。したがって、こういう点、さらには、韓国のこれまたいろいろ事情があろうけれども、正式の会談とほとんど並行して金鍾泌氏なる人がやってきて、そうして政治会談をやる。したがって、秘密交渉でないかという、正式のルートを通ぜざる不正規会談なるものと、正規のルートを通ずる会談とがごちゃごちゃになっている。こういう点については、今後もあることと思うので、当然に私は政府は反省すべきだと、こう思うのでありまするが、まずこの点について総理並びに外相の御所見を伺います。