西村関一の発言 (外務委員会)

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○西村(関)委員 外務大臣が十一時に立たれるのですから、条約局長の答弁はあとにしていただきまして、いま大臣の言われましたような点は、全くアメリカの一方的な言い分をそのままうのみにしておられるのでございまして、その武器弾薬がはたしてどこ製のものであったか、また、どのくらいの量であったかということも、これは一方的にアメリカ側の報道をそのままうのみにしておられる以外の何ものでもないのです。そういうことでは、きわめて自主性を欠いておると言わなければならぬのでございます。昨年の八月のトンキン湾事件のときも、全く架空な、それこそ水鳥の飛び立ったのが映像に映ったということで、すわ攻撃だということで、ああいう無謀な爆撃をやっておる。(「ニューヨークタイムズを読んでないじゃないか」と呼ぶ者あり)そういう例もあるのでございまして、そういうようなことにつきましては、いまもこちらから話がありましたように、アメリカの報道機関でさえも理由薄弱であるということをるる述べておるときに、日本政府がそれをそのまま是とするということは、私はきわめて危険だと思うのでございます。バスのお話がございましたが、バスはごくわずかな例外を除いて正常な運行を続けておるのです。もちろん、南ベトナム解放戦線部隊がバスをとめることは毎日のようにございます。毎日のようにございますが、全然民衆には危害を加えないし、バスの会社も民族解放戦線軍が来るということを承知の上で通行税を払って運行をやっておるのです。乗客もまたそのことを承知で一人一人通行税を払ってバスに乗っておるのであります。もちろんアメリカ人に対しては敵と考えて徹底的に攻撃を加えておりますが、ベトナム人に対して、またわれわれ日本人に対して彼らは何ら危害を加えないというのが事実でございます。これは、いま大臣の言われましたようなことは、アメリカ側がどういう根拠に基づいてそういうことを言っておるかということもきわめてあいまいだと思うのでございます。全体としてはそういう状態であるということを、私は不十分な見聞ではありますけれども、九日間にわたる南ベトナムにおける旅行を通じていろいろ体験をしてまいったのでございます。そういうことを根拠として大臣がアメリカの言い分を是なりとなさるということは、私は、非常に重大な段階に来ておると思いますがゆえに、きわめて遺憾に思います。また、ラオスのカンカイまで爆撃をやっておる。これはパテトラオの本拠に向かって爆撃をやっておるということでございますが、これはまた間接には北に対する牽制だということを言っておる。これは実に危険なことでございまして、こういう危険なアメリカの攻撃に対して、一から十までアメリカの言い分を聞いてこれを是なりとしていかれるということは、全く自主性のない態度だと思います。アジアの一員としての外交から言っても、日本はベトナムの問題に対して重大な関心を持ち、それこそ日本がこの問題の解決に乗り出して自主的な和解、融和の工作をやり出すというくらいの気がまえを外務大臣は持っていただきたい。アメリカ側の一方的な言い分だけを聞いておられるのでは、そういうことはできません。これはアジアの一員としての外交を貫いていこうということにはきわめてもとるやり方だと言わなければならぬと思うのでございます。時間がございませんので、この一点について外務大臣のきわめて簡潔な御所信を承って、問題を次回に保留さしていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 104803968X00419650305_015

発言者: 西村関一

speaker_id: 8562

日付: 1965-03-05

院: 衆議院

会議名: 外務委員会