永田亮一の発言 (外務委員会)

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○永田政府委員 ただいま議題となりました三件につき、まず航空業務に関する日本国政府とマレイシア政府との問の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 日本航空株式会社は、昭和三十三年にシンガポールへの運航を開始し、昭和三十七年に路線をジャカルタまで延長して現在に至っております。このシンガポールヘの乗り入れは、わが国と英国との間の航空協定に基づいて行なわれていたものでありますが、昭和三十八年九月にシンガポールがマレイシアに併合されたため、マレイシアとの間に新たに航空協定を締結する必要が生じました。よって、政府は、昭和三十九年にマレイシア政府と協定締結のための交渉を行ないましたところ、合意が成立しましたので、昭和四十年二月十一日にクアラ・ランブールでこの協定の署名を行なった次第であります。
 この協定は、わが国とマレイシアとの間に定期航空業務を開設することを目的とし、業務の開始及び運営についての手続と条件とを規定するとともに、両国の航空企業がそれぞれ業務を行なうことができる路線を定めているものでありまして、わが国がこれまでに締結した二十カ国との間の航空協定と形式においても内容においてもほぼ同一であります。
 この協定の締結により、両国の航空企業はそれぞれ両国間の定期業務を運営する権利を与えられるのみならず、わが国とマレイシアとの間の経済上及び文化上の友好関係も一そう促進されることが期待されます。
 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、千九百五十八年にリスボンで改正されました工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約の締結について承認を求めるの件、及び千九百五十八年にリスボンで改正された原産地虚偽表示の防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリッド協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を一括して御説明いたします。
 工業所有権の国際的保護については、一八八三年に作成されたパリ条約がその後随時必要な改正を施されて現在に至っており、工業所有権の保護を国際的に保障するために必要な統一的規制が行なわれてまいりました。一方、貨物の原産地虚偽表示の防止に関しましても、一八九一年四月十四日に作成されたマドリッド協定が数次にわたり改正され、この分野における国際的規制を行なっております。
 このように、パリ条約及びリスボン協定は、いずれも戦前しばしば改正補完されてまいったものではありますが、工業技術の国際的交流及び貨物の国際的流通は戦後著しく盛んとなり、これに伴って工業所有権及び原産地名称の国際的保護制度を一そう完全なものにするためこの条約及び協定に改正を加えることが必要となり、その結果、一九五八年十月六日から同年十月三十一日までリスボンにおいてこの条約及び協定の改正に関する外交会議が開催された次第であります。
 この会議で行なわれた改正の主要点は、パリ条約につきましては、特許出願の対象の一部についても優先権の主張を認めるように改めたこと、政府間国際機関の旗章等を保護の対象に加えたこと、商標の権利者を代理人による不当な商標登録から保護するための規定が新たに設けられたこと等であり、マドリッド協定につきましては、原産地の虚偽表示のみならず原産地について誤認を生じさせる表示にも規制が及ぶよう改めたことであります。
 本年一月一日現在、リスボンで改正されたパリ条約の締約国は、英、米、独等を含む二十八カ国、同マドリッド協定の締約国は、英、仏、スイス等七カ国であります。なお、わが国が参加しているロンドンで改正されたパリ条約及びマドリッド協定の当事国は、それぞれ四十三カ国及び二十四カ国でありましで、主要国はほとんどこれらに参加しており、これら諸国も近く本件リスボン改正条約及び協定に加入するものと考えられます。
 わが国は、従来から、工業所有権の国際的保護及び貨物の国際的取引の公正化に対して強い関心を抱き、パリ条約には明治三十二年に、また、マドリッド協定には昭和二十八年にそれぞれ加入して以来、これら分野における国際協力に貢献してまいった次第でありまして、一九五八年にリスボンで行なわれた。ハリ条約及びマドリッド協定の改正の内容も妥当なものと認められます。したがって、リスボンで改正されたパリ条約及びマドリッド協定に参加することは、わが国の行なう国際的技術交流を促進し、かつ、国際的な公正取引の分野におけるわが国の信用を高める上に有益であると考えられます。
 よって、ここにこの条約及び協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。

発言情報

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発言者: 永田亮一

speaker_id: 30677

日付: 1965-03-05

院: 衆議院

会議名: 外務委員会