西村関一の発言 (外務委員会)
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○西村(関)委員 一体政府はいつまで考えているのでしょうか。いつまで模索しているのでしょうか、事態はいよいよ急迫しているときに、アジアの大国として自任している日本政府が何とか自主的な解決をはかろうということは、本委員会におきましてもしばしば外務大臣が言明せられたところでございます。しかし、いつまで模索しているのであるか。もうすみやかに何らかの手を打たなければならないときではないか。AA会議の式典に出席せられた川島代表はじめ、その他の方々の見解を承りましても、東南アジア諸国の日本に対する期待は非常に大きい。そういうときに、この問題の焦点になっているところのインドシナ戦争の終結のために各国がいろいろな方策をすでに打ち出している。しかし、日本は依然としてアメリカに追随する方針だけしか打ち出していない。こういうことで、はたして東南アジア諸国の人々の信頼をつなぐことができるかどうかということを、私は非常に危ぶむものでございます。御承知のとおり、フランスの元首相フォール氏が日本にやってまいりまして各所で演説をいたしました。フォールの演説は、いま私が申し上げるまでもなく、ベトコンは民族運動であるが、次第に共産主義運動の色彩が強くなってきている、これはフランスのレジスタンス運動でも経験をしたことであって、民族主義者が長い闘争の中で目的を達成するためには共産主義者になっていく傾向が非常に強いということを述べているが、いわゆるベトコン、南ベトナム民族解放戦線軍がどの程度共産主義者であるかということについては、いろいろな意見がございます。そのうちの一〇%が共産主義者であって、他は共産主義者でない。アメリカのベトナム白書では、ジュネーブ協定のときにすでにその核となるべきところの分子を南に残しておいたのだ、そしてまた北から思想的・軍事的訓練を受けたところのものを南に送り込んでおるのだ、それが中心なんだということを言っておりますが、しかし、それはアメリカの言い分であって、いわゆるベトコン、南ベトナム民族解放戦線軍が一体どういう分子で構成されているかということにつきましては、世界の多くの識者の考え方は、必ずしもアメリカの考えを支持していないのであります。フォール氏もその一人であります。これは日本政府としても独自の立場に立ってこの実態を把握するということが問題の解決の上において非常に重要なことであると思うのであります。先般帰国せられました松本特派大使の本委員会における参考人としての供述を聞きましても、その点に触れておられるのでありまして、松本氏も、いわゆるベトコンの正体は必ずしもアメリカが言っているような共産主義者ではないということを言っておられるのであります。政府が特派した松本特派大使の報告、この委員会における供述においてさえもそういう意見が出ているのでございまして、そういうところにも、日本政府がアメリカ政府の言いなりになって、アメリカ政府の言い分が妥当であるというようにうのみにしていくことは、事態の解決をおくらせることになり、また、日本が果たすべき役割りを果たし得ない結果になると思うのでございます。その点、フォールが日本において演説をいたしました点について、特に南ベトナム民族解放戦線の本質をもっとはっきり把握して、現在の南ベトナムの問題を終息させることが大事であると思うのでございますが、そういう点につきまして、政府は南ベトナム民族解放戦線軍の正体について何らか独自の考えをお持ちになっていらっしゃいますか。