柳田秀一の発言 (体育振興に関する特別委員会)
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○柳田委員 大臣時間がないようですから簡単にオリンピック担当大臣として一つ御質問しておきます。
問題は戸田のボートコースのあと始末でございます。御存じのように戸田のボートコースは皇紀二千六百年、一九四〇年の流れた東京オリンピックのために、当時これを浄財を出す、あるいは浄財に対して浄力と申しますか、労力奉仕までして、もっこをかついで土地を掘って、世界で初めてオリンピックのボートとしては清水で掘ったところでやることにして掘ったのが、戦争で流れたわけです。したがって戦争で流れてから今回まで約二十数年の間に川幅は多少狭くなるわ下は浅くなるわというようなことで、さらにスポーツ会の発展に伴って、従来掘ったままでは新しいオリンピックには国際競艇協会のほうでも少し不十分というので、多額の国費をかけて拡幅し、さらに掘り、そしてオリンピックをやったわけであります。それで御承知のようにローマのオリンピックは湖でやりました。国内でもあるいは芦ノ湖であるいは河口湖で、いや最も有力には相模湖でというふうにやったわけでありますが、とにもかくにも多額の国費をかけて戸田のボートコースでやったわけです。問題はそのときに——ここへ体育局長が来ておりますが、いつの間にそこでいわゆるきょう艇といいますかけい艇といいますか、競輪と言うからけい艇と言うほうがいいんですか、モーターボートレースというんですか、それを開催しておりましたが、聞くところによると埼玉県当局と競艇協会との間にかなりの交渉があったそうです。それは私は知らぬことでありますが、文部省としてはこの三月三十一日までは管轄しておられるがそれからまた県に返すんだとか、こういうような話です。
問題は、私の言うのはあすこに再び競艇が復活するのかどうか。私たちの理解では、国立の競技場もできた、国立の水泳場もできた、あるいはスポーツ議員連盟等には今度は国立のウインタースポーツの場所もつくりたいという意向もみな表明せられており、ボートのごときは、いまオリンピック種目がだんだん、先ほどの国務大臣のお話のようにプロ化される中で、スポーツの中で純真にいまアマチュアリズムを守っておるスポーツといえば、ラグビー、さらにボートというようなものは、その尤たるものだと私は思う。これはどちらも、言うなれば多少ジョンブル思想があるかもしれません。あるいは、そのこと自体をとやかく言いませんが、少なくともオリンピック種目の中で非常にもうプロ化あるいはプロの温床のごとくなっておる種目があります。率直に言うならば、サッカーのごときはそうなんです。ボクシングもそうなんだ。その中で、しかしほんとうにアマチュアスポーツとしての伝統を守っておる——ラグビーはオリンピック種目ではありませんが、ラグビーにしてもボートにしても、こういうよさは残しておきたい。そのアマチュアスポーツを守る意味において、一つくらいは、先ほどのお話のように、東京の近くに国立の漕艇場があってもいい。そのためには、歴史から見ても、私は戸田の漕艇場のごときはそれに該当するものでなかろうかと思う。ことに東京では、年々隅田川が、ボートに対する利用度が減ってまいりまして、昔はオアマン、ボートマンのメッカといわれた隅田川がいまではもう対抗試合も何もできなくなった。こういうような状況では、特に戸田に対する利用というものはより一そう盛んになってくる。このときに、かりに一月のうちに二十日間もモーターレースが権利をとるようなことでは、戸田に何のために国費をかけたか一その国費から見るならば、全然かけていない神宮球場でも、神宮球場の歴史からいってあそこをプロ化するのはけしからぬという説が圧倒的なんですね。ところが戸田のほうは三億何千万円の国費をかけて、しかもプロ野球はまだスポーツの形態のうちにどうにかとどまっております。とどまっているという程度でしょう。スポーツかどうかはっきりわかりませんが、プロ野球というものは、しかしスポーツの形態にだいぶとどまっておる。ところが競艇に至っては、これはスポーツとはもう全然縁が遠い、ギャンブルだと思うのですね。そういうものに戸田のコースのあとを使わすというのは私はけしからぬと思うのですね。この点は私は大臣もその間の経緯はお聞きになっておると思うのですが、率直にどういうふうにあとの利用に対して、特に競艇がからんできておりますが、お考えになっておりますか。