佐藤榮作の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
先ほどもお答にいたしましたように、わが国並びに政府の態度は、どこまでも自由を守り平和に徹する、−この考え方に変わりはございません。この立場に立ちまして、いろいろその行動をはっきりいたしたいと思います。そのうちで、ただいまのお尋ねにあるいは前後するかわかりませんが、まず、ロッジ特使との話を一番先に申し上げまして、この話からその他のものを演繹してまいりたいと思います。
御承知のように、ロッジ特使が参りました。このロッジ特使が私に話をしたのは、経済問題を主に話をいたしました。しかし、私は、経済問題を取り上げるようなベトナムの事情でない、今日のこの紛争について、これが平静に帰して、しかる後に経済問題を話することが適当なように思うという話から話を進めてまいりますと、しかし、特使自身が、自分は軍事的な話はあまりその権限等を持っておらないけれどもということで前置きして話をしたのが、いわゆるハノイの爆撃、あるいは北ベトナムの一部を占領するというようなことはないといいう強実は印象を私は受けたのであります。したがいまして、私が約束をした、こういうような表現がされておりますが、これは正しくありません。どこまでも、話をいたしましたその際に、ロッジ特使は、この段階においては、ハノイを爆撃したり、あるいは北ベトナムの一部を占領するというようなことはないという強い印象を私に与えたということが事実でございます。
そこで、なおお尋ねにありましたように、ロッジ特使と私との間には別に覚え書きはございません。これはどこまでも話し合いでございまして、覚え書きは残しておりません。
また、日米間にたいへん意見の食い違いがある、意見がそごしているのではないかというお尋ねがございますが、ただいま申し上げるような実情でございますので、日米間にはこれという食い違いがあるわけではございません。この点も明確にいたしておきたいと思います。
問題は、南ベトナムに対してただいまアメリカ自身がこれを援助し、同時に北ベトナムを爆撃しておりましたが、これは一体どういうことか。これは申すまでもなく、南ベトナムの独立、その自由、これを南ベトナム政府が確保したい、こういう意味でいろいろ努力をした、しかし、どうも北からの侵略があり、また北からの援助がある、これを排除したいということで、アメリカ自身もこの南ベトナム政府の要請にこたえて爆撃をしておるような実情でございます。しかしながら、この北爆をいたしましたアメリカ自身が、すでに御承知のように無条件話し合いというものを提案しておりますし、この数日は爆撃をやめた、そのようなことも新聞で報道しております。
確かに、春日さんも御指摘のとおり、今回はこの時期において、私どもは平和を望む、こういう立場において何らかの処置をすべきその好個のチャンスじゃないか、こういう御指摘でございますが、私もそのとおりだと思います。私は、こういう意味におきまして、あらゆる面で国際的な世論を喚起するような努力を続けてまいるつもりでございます。お説にもありましたように、十分現地における民心の動向を把握し、そうして民族の独立、これを念願しておるベトナムの住民の期待にもこたえる、こういう意味で、他の国がその独立を尊重し、どこまでも干渉しない、そのことが最も大事なことではないか、かように思いまして、現状認識に正確を期する、こういう態度でただいまこの問題に対処しておる次第でございます。
私は、こういう意味から、今日までもあらゆる機会に、たとえばゴードンウオーカーが出てきた、あるいはロッジ氏、その他エドガール・フォール等々とも会談をいたしまして、わが国のかねての主張を明確にし、そうして国際世論が正確にこの問題に取り組み、そうして真剣にこの問題の解決への努力をされるようにあらゆる努力をしたつもりでございます。(拍手)
〔国務大臣椎名悦三郎君登壇〕