海原治の発言 (予算委員会防衛図上研究問題等に関する予算小委員会)
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○海原政府委員 先日石橋委員から御指摘がございました即時報復態勢の堅持という見地からしますと、核兵器を国内に持ち込んでおくことが有利な条件である、このことについては論を待たない、こういうふうな御指摘があったのでございます。しかし私どもは、実はこういうような考え方については根本的に違った考え方を持っております。と申しますことは、従来大臣から御説明がございましたように、いろいろと未熟なことばがあり、あるいは用語の選択等においても適当でないということの例がその一つでございます。一がいに核兵器と申しましても、これはいろいろなものがあるわけであります。それで有事の場合に、日本国内に核兵器を持ち込むという場合に一体それは何を考えておるのかということが大きな問題でございます。そこでこのことは、私どもといたしましては、先般お述べになりましたように、核兵器を持ち込むということが日本の防衛のためには絶対に必要なことである、したがって平時からその腹を固めておくのだということにつきましては、そういうことではないという実は考えを持っております。
具体的に申しますと、たとえば戦略的核兵器の持ち込みということになりますと、これは論外でございます。そういう能力がございません。そうしますと、戦術的核兵器ということになりますと、これは地対空の兵器、あるいは地対地のいわゆる戦術的兵器ということに限定されると思いますが、そのいずれもが日本国内に持ち込むことが絶対に有利かということになりますと、私どもはそう考えておりません。ほかの委員会におきましても御指摘がございましたときにお答えしておりますが、たとえば地対空の防御兵器、ナイキハーキュリーズにつきましては、普通弾頭と核弾頭と両方併用できるわけでございますが、少数機が来襲します場合には、普通弾頭のもので十分間に合うわけでございます。何も核弾頭のものを使う必要はございません。さらに地対地の兵器でございますと、たとえばその射距離ということを考えてみますと、わが領域内において戦術的核兵器を使うということは、同時にわが方に対する被害があるわけであります。ないしは国内の住民に対する被害も考えなければなりません。
〔小委員長退席、重政小委員長代理着席〕
したがいまして、ほかの例で申しますと、たとえばフランスの統合参謀本部議長が言っておりますが、ヨーロッパでもし戦争が起こった場合でも、わが領域内においては戦術的核兵器は使えない、と申しますことは、侵入してきた敵の兵隊が、たとえば一キロ平方当たりかりに十二人おるとする。しかし、そこに一キロ平方当たりに住んでおる住民が、これはフランス、ドイツ等によって違いますけれども、百人から二百人という人口が住んでいる。そういうことになってまいりますと、十二人の敵兵を殺すために百人、二百人の住民のことも考えなければならないということになりますと、戦術的核兵器というものは自国内の領域においては使えないものだ、こういうことを言っております。したがいまして、私は、戦術的核兵器というものが日本国内において用いられるということはきわめてまれな場合、しかも、そういうことは非常に大きな、御存じのような連鎖反応的に大規模な核戦争に発展するということも考えますと、日本国内に核兵器を持ち込むということの必要性はないもの、こういうふうに判断いたします。先般御指摘になりましたように、またきょう御指摘になりましたように、私どもとしましては、別に、核兵器を日本に持ち込むことが即時報復態勢を立てるために必要だというふうには考えておりません。