海原治の発言 (予算委員会防衛図上研究問題等に関する予算小委員会)

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○海原政府委員 事実関係でございますので、私からお答えすることをお許し願います。
 先ほど大臣からはっきりと申されましたように、私どもは、日本の防衛の場合に、アメリカに期待する核の報復力というものは何も日本国内に持ち込まれるものが唯一絶対のものとは考えておりません。むしろそういうものなしに行なわれる。すなわち、先ほど石橋先生も申されました、アメリカ側に期待する核の報復力というものは、これはアメリカの第七艦隊の飛行機もございます。沖繩におきます攻撃力もございます。さらには太平洋に配しますポラリスミサイルもございます。こういうものがあります以上は、日本の国内にわざわざいわゆる戦術的な核兵器を持ち込むことの実は意義がわれわれにはわからないわけでございます。ただ、この三矢研究におきましては、石橋先生御指摘のように、状況が悪くなってくるというとアメリカの核兵器、いわゆる戦術的核兵器を持ち込まれるだろうという想定をとっておることは事実でございますが、そういう想定をとること自体、実は私どもとしてはその必要はないじゃないか、こういうように考えるわけであります。先ほどそのための理由を御説明したわけでございますが、さらにもう一度御説明いたします。たとえば先般ホークにつきまして、これは核弾頭のホークが開発されておるのじゃないかというような御質問がございました。しかし実際問題としまして、ホークというものは、配置されましてから目標をつかまえまして発射をしますときには、大体配置されている位置から四十キロ程度のところで捕捉するのがせいぜいでございます。そうしますと、そこで核弾頭が破裂いたしますと、当然にわが方はその核の被害をこうむるわけでございます。そうしますと、わざわざ核弾頭を使って敵の飛行機を落とすかわりに、今度はわがほうの被害をどうするかという大きな問題が出てまいりますので、結局アメリカとしましては、このホークに核弾頭を装備することは現在中止しております。このように、核兵器というものはちょっと考えると非常に有効のようにとれますけれども、実際問題としては非常に使いにくいものでございます。したがいまして、先ほど私から、日本国の防衛のためにアメリカの核兵器が日本に持ち込まれるということはないであろうということを私どもの判断として申し上げたわけであります。したがいまして、この想定にございますように、アメリカ側が日本に持ち込みたいというようなことを言うことは私はまずないと思います。そういうことを持ち込む必要を余儀なくするというような事情というものはどう考えても出てまいりません。したがいまして、くどくなりますが、先ほど申しますように、日本はアメリカの核報復力に期待しますけれども、その核報復力は、何も日本国内に持ち込まれる米軍の兵器とは限らないというよりは、むしろそれ以外のものである、こういうふうに私どもは判断するわけでございます。なおこのことを申し上げますためには、私自身の私一人の考えではございません。昨年十月中共が核実験をいたしまして、そのあと陸海空の責任者といろいろ将来の日本の防衛について話したこともございます。こういうことも織り込みまして、現在の防衛庁の私どもの判断といたしましては、先般石橋先生がお述べになりましたように、即時報復態勢の堅持という見地からアメリカ核兵器を国内に持ち込ますことは論をまたないという表現については、全然違った考えを持っておるということを申し上げたわけでございます。ひとつこの点はぜひこのように御了承を願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 104805277X00519650323_010

発言者: 海原治

speaker_id: 4884

日付: 1965-03-23

院: 衆議院

会議名: 予算委員会防衛図上研究問題等に関する予算小委員会