長谷川仁の発言 (外務委員会)

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○長谷川仁君 もう一つは、それでなくても現在人員が足りないという在外公館におきまして、私どもが感じましたことは、現地で採用した雇員というのですか、あるいは嘱託というのですか、たとえば私どもの参りましたときに、スエーデンあるいはその他の国々に二、三ございましたけれども、在留邦人の中でもこの青年は実にすばらしい、もうそれは領事館や公使館の連中よりもはるかに現地の事情に詳しい、こういう人がいる。こういう優秀な現地雇員が一般の在外商社よりはるかに待遇が悪い。しかも将来の保障も何にもないんだというので、せっかく雇いましても、二、三年たつと一流商社の支店に引き抜かれてしまう。まことに惜しいんだというようなことを、総領事自体から何回か私耳にしたんです。
 それともう一つは、ローマあたりに一人十年も二十年もローマにおって、それはイタリアのことに関しては非常なエキスパートで、非常な薄給でもって、将来も先ほど申したとおり保障がない。現地にいて、そして現地の人を女房に持ち、そしてほんとうに永住するという気持ちでいるような人、この人はほんとうに役立つ雇員であり嘱託だと私は思うんです。こういう人たちに対する、何といいますか、抜てきというのかあるいは将来の保障とか、そういうことに対しての考慮は全然ないんでございますか、現在。
 それからもう一つ、たとえば三十年も在外公館に働いていた運転手が、何か外務大臣から金一封というので、ほんとうにスズメの涙みたいな金があって、それでたばこケースだけを贈られている。ところが外国は、ほかの領事館なり大使館に十年も二十年もいたら必ずその国へ観光旅行をさせるとか、何といいますか、いろいろ思いやりのある措置をとっている。日本は、そういったことは全然ないんだというようなことを私はドライバーにも聞いたことがあるんですが、十年も二十年もいるならば、その半生を在外公館のために尽くして、戦前、戦中を通じていた一介の運転手であっても、ほんとうに日本を愛し、そして日本のために役立ってきたそういう人たちを、スズメの涙の金一封かあるいはシガレット・ケースだけで済ませないで、せめてみんなの善意に基づいて日本を見せてやるとか、あるいは外務省の予算でもって——知れたものです——それが民間外交であり、ほんとうの日本というものを理解させてやる一つの道じゃないかと思うんですが、これは官房長の御意見もひとつお聞きしたいと思います。

発言情報

speech_id: 104813968X01419650427_008

発言者: 長谷川仁

speaker_id: 33545

日付: 1965-04-27

院: 参議院

会議名: 外務委員会