高橋衛の発言 (予算委員会第二分科会)
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○国務大臣(高橋衛君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、最近ずっと日本の経済の成長は非常に高度に実現をしてまいったわけでございまするが、経済の成長そのものが目的じゃないので、その経済の成長をどうして国民の福祉に結びつけ、国民の福祉というに形おいて実現させるかという点に非常に問題があると思うのでございます。そういう趣旨で、それじゃ国民の福祉にどんなふうに結びついていく姿がいいかという問題と、現実にどう結びついておるかという問題と、その両面からこれは進めていかなければならぬ問題であろうと思います。また同時に、もう一つ問題は、日本のこれからの将来の国民生活のあるべき姿、さっきビジョンということばを申し上げましたが、あるべき姿がどういう姿がいいんだろうか、こういうことについてもやはり一つのビジョンを持ちながら、これはもちろん統制じゃございませんから、かれこれ言うべき筋合いじゃございませんけれども、やはり一つの国民運動的な、自然に盛り上がる形として、こういう姿がよくはないかというふうな一つのビジョンを持つことがどうしても必要だろうと思います。同時に、さしあたりの問題として、国民生活をしからば圧迫しているものは何か、または国民がほんとうに現実に要望しているものは何か、そういうふうな問題を個々にとらえて、そうしてそれに対する対策を立てていく、この両面が今日消費行政と申しますか、国民生活に対する政府の対策としてどうしても充実を要する点でなかろうかと、かように、むしろこれが今日非常に緊急な問題じゃなかろうか、かような考え方を持っておる次第でございます。
今まで戦後の復興から今日の成長に至るまでの期間、むしろ経済の成長ということに非常に大きなウエートが置かれて、とにかく復興しなければいかぬ、とにかく人間らしい生活をさせなければいかぬ、国民の窮境を思わなければいかぬというふうな、むしろうしろ向きと申しますか、そういうふうな考え方、要素でもって今日まできたような感じがするのでございますが、そこで、いわゆる佐藤内閣の人間尊重の政治と申しますか、社会開発と申しますか、要するに、経済の成長がすなおに国民の福祉に結びついて、そうして相互にそれが助け合って、さらに経済成長の堅実な基盤となりながら、同時に福祉の向上に貢献していく、こういう姿に持っていきたい、そのためにはどうしてもそういう観点から問題を掘り下げて、絶えず深い研究もしながら、対策も同時に常時講じていく、こういう局を一局どうしても必要とする、こういうふうに考えたわけでございます。御承知のとおり、経済企画庁に調整局というのがございまして、調整局でこれを主管しておる次第でございますが、調整局はむしろ各省のやっている経済政策の総合調整ということが、これが中心的な課題であるわけでございます。各省がややもすればばらばらな方向に経済行政が行なわれる、それを調整していくという非常に一方において大事な使命を与えられておるのでございますが、一人の局長でもってそういうふうな非常に重大な、しかも掘り下げて検討を要するような問題をたくさんかかえながらやっておるという状況でございますと、なかなか十分にその目的を達成することがむずかしいというふうな観点から、ぜひとも、部局はできるだけ増設すべきじゃないという基本的な考え方の中に立ちながらも、国民生活局を調整局から分けて独立さしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。