羽生三七の発言 (日韓条約等特別委員会)
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○羽生三七君 いま総理は、これはイデオロギーの違いではないかと言われましたが、それはイデオロギーにも違いがあります。あるが、外交は私はイデオロギーだけの問題ではないと思う。たとえば、佐藤内閣がアメリカを好きであろうとあるいは自由主義を信奉しようと自由であります。私はそれを批判しておりません。共産主義者が共産主義を信奉するのも自由であります。私はこれも批判いたしません。そういうイデオロギーと関係なしに、現実に生起しておる諸問題にどう対処するかということが外交だと思います。私はそういう立場で問題を提起しております。これを御承知願いたい。
そこで、まあ日韓条約もその一つだとおっしゃいましたが、これは逐次触れていくし、社会党に政策があるなら言ってくれということでありますが、これは順次私はこれから述べていきます。
問題は力の均衡を——たとえば自由陣営を強化をして、力の均衡を拡大をしていく、それが問題の解決になるのではなくて、むしろそれを縮小させる方向に沿ってこそ、平和の条件が確立できるのじゃないか。たとえば、日韓条約については善隣友好の外交と言われる。あるいはアジア外交の出発点とも言っておられる。そのことの批判は後に譲るといたしまして、ここではそれが、日韓の条約がアジアの外交の出発点、平和の始まり、そう言われた場合に、それが平和の推進なりあるいは平和外交にどうつながるのか、どういう関連性があるのか、たとえば、日韓の条約を結び、友好関係を深めれば、それがどうしてアジア外交の平和路線につながるのか、どういう関連性があるのか、それをひとつ明確にしていただきたいと思います。ということは、私も、外交というものは原則だけの問題ではないと思います。やはり、ある現実の姿というものを踏まえなければならぬ、これは当然だろうと思います。しかし同時に、現実だけに固着して、望ましい姿あるいはあるべき将来の姿、それを無視していくことは私は好ましいことではないと思います。したがいまして、現実をよく認識しながらも同時に望ましい方向へ発展さしていく、この調整がある意味においては外交だと言えると思います。現実と、あるいは希望すべき、理想とすべき姿との調整だろうと思います。さらにそれを発展さして、終局的には一番自分たちが目的とする方向へ持っていく、これが外交だと思います。したがって、日韓の問題もこれがアジア外交の出発点というからには、また、施政方針で総理が、先ほど私が述べましたような方針を堅持されるならば、アジア外交の始まりとしてのこの日韓が、平和外交とどうつながるのか、具体的にどういう関連性があるのか、このことをひとつ明らかにしていただきたい。