日韓条約等特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十年十一月二十五日(木曜日)
午前十時三十分開会
—————————————
委員の異動
十一月二十五日
辞任 補欠選任
高橋文五郎君 笹森 順造君
梶原 茂嘉君 八田 一朗君
山内 一郎君 和田 鶴一君
中村喜四郎君 船田 譲君
多田 省吾君 鈴木 一弘君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 寺尾 豊君
理 事
大谷藤之助君
久保 勘一君
草葉 隆圓君
長谷川 仁君
松野 孝一君
亀田 得治君
藤田 進君
森 元治郎君
二宮 文造君
委 員
井川 伊平君
植木 光教君
内田 俊朗君
岡本 悟君
木内 四郎君
黒木 利克君
近藤英一郎君
笹森 順造君
田村 賢作君
土屋 義彦君
任田 新治君
八田 一朗君
日高 広為君
船田 譲君
柳田桃太郎君
和田 鶴一君
伊藤 顕道君
稲葉 誠一君
岡田 宗司君
小林 武君
佐多 忠隆君
中村 英男君
羽生 三七君
横川 正市君
渡辺 勘吉君
黒柳 明君
鈴木 一弘君
向井 長年君
岩間 正男君
市川 房枝君
国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
法 務 大 臣 石井光次郎君
外 務 大 臣 椎名悦三郎君
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
農 林 大 臣 坂田 英一君
運 輸 大 臣 中村 寅太君
国 務 大 臣 松野 頼三君
政府委員
内閣法制局長官 高辻 正巳君
法務省民事局長 新谷 正夫君
法務省入国管理
局長 八木 正男君
外務政務次官 正示啓次郎君
外務省アジア局
長 後宮 虎郎君
外務省北米局長 安川 壯君
外務省経済協力
局長 西山 昭君
外務省条約局長 藤崎 萬里君
外務省国際連合
局長 星 文七君
農林大臣官房長 大口 駿一君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
水産庁次長 石田 朗君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
常任委員会専門
員 結城司郎次君
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
—————————————
本日の会議に付した案件
○日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条
約等の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の
実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域
の設定に関する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済
協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第
二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する
措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び
待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の
実施に伴う出入国管理特別法案(内閣提出、衆
議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時三十分開会
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委員の異動
十一月二十五日
辞任 補欠選任
高橋文五郎君 笹森 順造君
梶原 茂嘉君 八田 一朗君
山内 一郎君 和田 鶴一君
中村喜四郎君 船田 譲君
多田 省吾君 鈴木 一弘君
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出席者は左のとおり。
委員長 寺尾 豊君
理 事
大谷藤之助君
久保 勘一君
草葉 隆圓君
長谷川 仁君
松野 孝一君
亀田 得治君
藤田 進君
森 元治郎君
二宮 文造君
委 員
井川 伊平君
植木 光教君
内田 俊朗君
岡本 悟君
木内 四郎君
黒木 利克君
近藤英一郎君
笹森 順造君
田村 賢作君
土屋 義彦君
任田 新治君
八田 一朗君
日高 広為君
船田 譲君
柳田桃太郎君
和田 鶴一君
伊藤 顕道君
稲葉 誠一君
岡田 宗司君
小林 武君
佐多 忠隆君
中村 英男君
羽生 三七君
横川 正市君
渡辺 勘吉君
黒柳 明君
鈴木 一弘君
向井 長年君
岩間 正男君
市川 房枝君
国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
法 務 大 臣 石井光次郎君
外 務 大 臣 椎名悦三郎君
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
農 林 大 臣 坂田 英一君
運 輸 大 臣 中村 寅太君
国 務 大 臣 松野 頼三君
政府委員
内閣法制局長官 高辻 正巳君
法務省民事局長 新谷 正夫君
法務省入国管理
局長 八木 正男君
外務政務次官 正示啓次郎君
外務省アジア局
長 後宮 虎郎君
外務省北米局長 安川 壯君
外務省経済協力
局長 西山 昭君
外務省条約局長 藤崎 萬里君
外務省国際連合
局長 星 文七君
農林大臣官房長 大口 駿一君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
水産庁次長 石田 朗君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
常任委員会専門
員 結城司郎次君
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
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本日の会議に付した案件
○日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条
約等の締結について承認を求めるの件(内閣提
出、衆議院送付)
○日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の
実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域
の設定に関する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済
協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第
二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する
措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び
待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の
実施に伴う出入国管理特別法案(内閣提出、衆
議院送付)
—————————————
寺
寺尾豊#1
○委員長(寺尾豊君) ただいまから日韓条約等特別委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
本日多田省吾君、高橋文五郎君、梶原茂嘉君、山内一郎君、中村喜四郎君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君、笹森順造君、八田一朗君、和田鶴一君、船田譲君が選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
本日多田省吾君、高橋文五郎君、梶原茂嘉君、山内一郎君、中村喜四郎君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君、笹森順造君、八田一朗君、和田鶴一君、船田譲君が選任されました。
—————————————
寺
寺尾豊#2
○委員長(寺尾豊君) 日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約等の締結について承認を求めるの件、日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域の設定に関する法律案、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法案、
以上四案件を一括して議題とし、質疑を行ないます。羽生三七君。
この発言だけを見る →以上四案件を一括して議題とし、質疑を行ないます。羽生三七君。
羽
羽生三七#3
○羽生三七君 昨日、藤田、亀田両委員によって指摘されたような衆議院の混乱した事態のもとで参議院が日韓関係条約諸案件を審議するのはまことに私としては本意ではございません。しかし、審議をなお深める意味において質疑を行ないたいと思います。私はきょうは主として日韓条約の背景となる国際問題を中心にお尋ねをいたしたいと思います。詳細についてはいずれ同僚議員から後刻順次御質問があると思います。
実は、われわれは最初佐藤内閣は何もやらない内閣、何もやらぬではないか、こうしばしば批判をしてきたのでありますが、そうではない、大いにやっております。ただし——ただし書きをつけなければならない。それはわれわれの欲する方向ではなしに、平和と逆行するのではないかと思われる方向で大いに腕をふるっておられるのであります。そこで、たとえば日韓条約もその一例となると思いますが、もちろん私は佐藤総理も平和を拒否しているはずはないと思います。平和のための外交と言われておる。また戦争を欲しておるとも思いません。そんなことがあるはずはございません。結局問題は、平和を追求する手段と方法が、はなはだ不幸なことであるけれども、われわれと全く違う、こういうことだろうと思います。結局、佐藤総理の考え方あるいは自民党内閣の考え方は、自由陣営の結束を強めて、力の均衡を拡大をして、それをてことして外交政策を推進する。われわれとの間のこの相違は、簡単に解消するものとは思われません。そこで、きょうはこの問題を中心にじっくりひとつ総理の所見をただしたいと思います。
さて、総理の言う平和外交とは一体どのようなものなのか。また、総理は今五十国会の施政方針演説において「私は、政権担当以来、国民諸君の強い願望を背景として、わが国の安全を確保し、アジアの平和を守るため、あらゆる努力を傾注してまいりました。」、こう述べられております。では、具体的にどのような努力を傾注されてきたのか、まずこの点からひとつ伺いたいと思います。アジアの平和のために最善の努力を傾注してきたと言われますが、具体的にどういう努力を続けられてきたのか、まず、この点を伺いたい。
この発言だけを見る →実は、われわれは最初佐藤内閣は何もやらない内閣、何もやらぬではないか、こうしばしば批判をしてきたのでありますが、そうではない、大いにやっております。ただし——ただし書きをつけなければならない。それはわれわれの欲する方向ではなしに、平和と逆行するのではないかと思われる方向で大いに腕をふるっておられるのであります。そこで、たとえば日韓条約もその一例となると思いますが、もちろん私は佐藤総理も平和を拒否しているはずはないと思います。平和のための外交と言われておる。また戦争を欲しておるとも思いません。そんなことがあるはずはございません。結局問題は、平和を追求する手段と方法が、はなはだ不幸なことであるけれども、われわれと全く違う、こういうことだろうと思います。結局、佐藤総理の考え方あるいは自民党内閣の考え方は、自由陣営の結束を強めて、力の均衡を拡大をして、それをてことして外交政策を推進する。われわれとの間のこの相違は、簡単に解消するものとは思われません。そこで、きょうはこの問題を中心にじっくりひとつ総理の所見をただしたいと思います。
さて、総理の言う平和外交とは一体どのようなものなのか。また、総理は今五十国会の施政方針演説において「私は、政権担当以来、国民諸君の強い願望を背景として、わが国の安全を確保し、アジアの平和を守るため、あらゆる努力を傾注してまいりました。」、こう述べられております。では、具体的にどのような努力を傾注されてきたのか、まずこの点からひとつ伺いたいと思います。アジアの平和のために最善の努力を傾注してきたと言われますが、具体的にどういう努力を続けられてきたのか、まず、この点を伺いたい。
佐
佐藤榮作#4
○国務大臣(佐藤榮作君) 羽生君にお答えいたします。
私はかねてから平和に徹するということを申しております。ただいま、平和に徹する考えではあろうが、われわれとその手段、方法が違うのだ、こういうことを言われました。これはどういう意味を言われるのか、私はよくわかりませんが、あるいはイデオロギー的に相違する、こういうことであろうかと思います。ただいまのうちにもありましたが、自由陣営の結束を強固にする、これが佐藤外交の基本だ、こういうふうに御指摘でございますから、あるいは自由陣営の結束を強固にするのではない、別な方向で社会党は考えていらっしゃる、まず、そういう点が国民としては明らかにしたいことだと思いますので、社会党からそういうお尋ねがあります場合に、自分のほうはこういうことで平和を遂行していこうとするのだ、この点は明確にされたほうがいいのではないかと私は思います。これはしかし、私の希望でありますし、私の個人的意見ですから、あえてこの席で私が羽生君に質問するわけではありません。
そこで、私どもは日本の国のあり方として、これは自由主義陣営の一員だ、これはたびたび申し上げておるのであります。民主主義、自由主義、そのもとでこの国をより繁栄さし、また国民生活を向上させよう、かように考えておるのであります。いわゆる社会主義理念ではございません。したがって、あるいは基本的にこういう意味では対立しておるのかもわかりません。
そこで、具体的にどういうことをいままでしたというお尋ねでありますが、日韓交渉の妥結もその一つであります。また、私どもが東南アジア諸地域に対しまして、経済的な援助をいろいろ計画しておる。あるいは東南アジア諸地域の経済開発を具体化しようとしておる。ただいま東南アジア開発銀行の構想も具体化されつつあります。また、諸地域に対しまして技術的な援助あるいは経済的な援助、これを積極的に推進しております。これがいわゆる私どもの平和外交である。それぞれの国民生活が向上され、そして繁栄をもたらす、それこそ平和に徹する国柄にもなるのではないか、かように私は思いまして、わが国が果たし得る役割、これは経済協力である。また技術的援助、かように思って、それを推進しておるわけであります。
この発言だけを見る →私はかねてから平和に徹するということを申しております。ただいま、平和に徹する考えではあろうが、われわれとその手段、方法が違うのだ、こういうことを言われました。これはどういう意味を言われるのか、私はよくわかりませんが、あるいはイデオロギー的に相違する、こういうことであろうかと思います。ただいまのうちにもありましたが、自由陣営の結束を強固にする、これが佐藤外交の基本だ、こういうふうに御指摘でございますから、あるいは自由陣営の結束を強固にするのではない、別な方向で社会党は考えていらっしゃる、まず、そういう点が国民としては明らかにしたいことだと思いますので、社会党からそういうお尋ねがあります場合に、自分のほうはこういうことで平和を遂行していこうとするのだ、この点は明確にされたほうがいいのではないかと私は思います。これはしかし、私の希望でありますし、私の個人的意見ですから、あえてこの席で私が羽生君に質問するわけではありません。
そこで、私どもは日本の国のあり方として、これは自由主義陣営の一員だ、これはたびたび申し上げておるのであります。民主主義、自由主義、そのもとでこの国をより繁栄さし、また国民生活を向上させよう、かように考えておるのであります。いわゆる社会主義理念ではございません。したがって、あるいは基本的にこういう意味では対立しておるのかもわかりません。
そこで、具体的にどういうことをいままでしたというお尋ねでありますが、日韓交渉の妥結もその一つであります。また、私どもが東南アジア諸地域に対しまして、経済的な援助をいろいろ計画しておる。あるいは東南アジア諸地域の経済開発を具体化しようとしておる。ただいま東南アジア開発銀行の構想も具体化されつつあります。また、諸地域に対しまして技術的な援助あるいは経済的な援助、これを積極的に推進しております。これがいわゆる私どもの平和外交である。それぞれの国民生活が向上され、そして繁栄をもたらす、それこそ平和に徹する国柄にもなるのではないか、かように私は思いまして、わが国が果たし得る役割、これは経済協力である。また技術的援助、かように思って、それを推進しておるわけであります。
羽
羽生三七#5
○羽生三七君 いま総理は、これはイデオロギーの違いではないかと言われましたが、それはイデオロギーにも違いがあります。あるが、外交は私はイデオロギーだけの問題ではないと思う。たとえば、佐藤内閣がアメリカを好きであろうとあるいは自由主義を信奉しようと自由であります。私はそれを批判しておりません。共産主義者が共産主義を信奉するのも自由であります。私はこれも批判いたしません。そういうイデオロギーと関係なしに、現実に生起しておる諸問題にどう対処するかということが外交だと思います。私はそういう立場で問題を提起しております。これを御承知願いたい。
そこで、まあ日韓条約もその一つだとおっしゃいましたが、これは逐次触れていくし、社会党に政策があるなら言ってくれということでありますが、これは順次私はこれから述べていきます。
問題は力の均衡を——たとえば自由陣営を強化をして、力の均衡を拡大をしていく、それが問題の解決になるのではなくて、むしろそれを縮小させる方向に沿ってこそ、平和の条件が確立できるのじゃないか。たとえば、日韓条約については善隣友好の外交と言われる。あるいはアジア外交の出発点とも言っておられる。そのことの批判は後に譲るといたしまして、ここではそれが、日韓の条約がアジアの外交の出発点、平和の始まり、そう言われた場合に、それが平和の推進なりあるいは平和外交にどうつながるのか、どういう関連性があるのか、たとえば、日韓の条約を結び、友好関係を深めれば、それがどうしてアジア外交の平和路線につながるのか、どういう関連性があるのか、それをひとつ明確にしていただきたいと思います。ということは、私も、外交というものは原則だけの問題ではないと思います。やはり、ある現実の姿というものを踏まえなければならぬ、これは当然だろうと思います。しかし同時に、現実だけに固着して、望ましい姿あるいはあるべき将来の姿、それを無視していくことは私は好ましいことではないと思います。したがいまして、現実をよく認識しながらも同時に望ましい方向へ発展さしていく、この調整がある意味においては外交だと言えると思います。現実と、あるいは希望すべき、理想とすべき姿との調整だろうと思います。さらにそれを発展さして、終局的には一番自分たちが目的とする方向へ持っていく、これが外交だと思います。したがって、日韓の問題もこれがアジア外交の出発点というからには、また、施政方針で総理が、先ほど私が述べましたような方針を堅持されるならば、アジア外交の始まりとしてのこの日韓が、平和外交とどうつながるのか、具体的にどういう関連性があるのか、このことをひとつ明らかにしていただきたい。
この発言だけを見る →そこで、まあ日韓条約もその一つだとおっしゃいましたが、これは逐次触れていくし、社会党に政策があるなら言ってくれということでありますが、これは順次私はこれから述べていきます。
問題は力の均衡を——たとえば自由陣営を強化をして、力の均衡を拡大をしていく、それが問題の解決になるのではなくて、むしろそれを縮小させる方向に沿ってこそ、平和の条件が確立できるのじゃないか。たとえば、日韓条約については善隣友好の外交と言われる。あるいはアジア外交の出発点とも言っておられる。そのことの批判は後に譲るといたしまして、ここではそれが、日韓の条約がアジアの外交の出発点、平和の始まり、そう言われた場合に、それが平和の推進なりあるいは平和外交にどうつながるのか、どういう関連性があるのか、たとえば、日韓の条約を結び、友好関係を深めれば、それがどうしてアジア外交の平和路線につながるのか、どういう関連性があるのか、それをひとつ明確にしていただきたいと思います。ということは、私も、外交というものは原則だけの問題ではないと思います。やはり、ある現実の姿というものを踏まえなければならぬ、これは当然だろうと思います。しかし同時に、現実だけに固着して、望ましい姿あるいはあるべき将来の姿、それを無視していくことは私は好ましいことではないと思います。したがいまして、現実をよく認識しながらも同時に望ましい方向へ発展さしていく、この調整がある意味においては外交だと言えると思います。現実と、あるいは希望すべき、理想とすべき姿との調整だろうと思います。さらにそれを発展さして、終局的には一番自分たちが目的とする方向へ持っていく、これが外交だと思います。したがって、日韓の問題もこれがアジア外交の出発点というからには、また、施政方針で総理が、先ほど私が述べましたような方針を堅持されるならば、アジア外交の始まりとしてのこの日韓が、平和外交とどうつながるのか、具体的にどういう関連性があるのか、このことをひとつ明らかにしていただきたい。
佐
佐藤榮作#6
○国務大臣(佐藤榮作君) 日韓が平和外交にどうつながるかと、こういうことですが、たいへん卑近な例を申して恐縮ですが、たとえば、私どもが住んでおる一つの通り、町があると、その町が楽しく平和であるためには、隣のうちとやはりお互いに朝夕のあいさつをするぐらいの関係があってほしい、そうすると、初めてその町筋も明るくなり、お互いの生活にも潤いを来たす、これがいわゆる平和であると、かように思います。最近の国際関係におきましては、お互いは国際的にやはり孤立するというわけではなくて、国際交際を深めると申しますか、お互いの繁栄があると、私はかように信じております。その観点から見ますると、隣の国同士と仲よくしていく、これこそが平和につながるものである、お互いの安全をも確保していくことにもなるわけであります。お互いの隣同士の国がにらみ合っているような形ではよくない、にらみ合っているような状態じゃないにしろ、お互いにつき合いもしない、こういうことはたいへんさびしいことでもあり、いわゆる平和を愛好するものから見ましても、ほうってはおけないことだと、かように私は思うのでありまして、この点では、おそらく羽生さんも御理解をいただけるだろうと思います。ただ、隣の国、韓国だけではありません。ソ連もありますし、北鮮もありますし、中共もあります。こういう状態でありますから、私は、これはスタートラインだということを申し上げておるのであります。そうして、冒頭にお尋ねになりました力の均衡という、力の均衡は、いわゆる拡大均衡ばかりが均衡ではないのであります。羽生君の御指摘になるような縮小均衡もまた、均衡だといえると私は思います。したがいまして、いわゆる力の均衡によるバランスのとれたいまの平和の状態なんだと、こういうことは、これは情けないが、実際の現実の問題としては、そういう状態である。理想の形を考えるならば、力なんかというものを全然考えない、そうして仲よくできる、そういう世の中がほしいんだと思います。ただいま申し上げるような意味からは、理想を目標としての行き方としては、縮小均衡の方向で努力されるのが当然だろうと、かように私は思います。
この発言だけを見る →羽
羽生三七#7
○羽生三七君 総理は、近隣の国とあいさつもできないような状態では困る、仲よくするのは当然だとおっしゃいますが、韓国とは日本はつき合っております。だれも韓国人を敵視しているものはない、それが普通のあいさつをかわす程度以上に進むととろに問題があるんで、私はそれを言ってるんで、韓国とつき合っちゃいかぬの、仲よくしちゃいかぬの、そんなことは日本社会党、私個人も毛頭考えておりません。それ以上に進むことが問題になる。そこで、たとえば、安保条約にいう極東の平和と安全というのがあります。これも平和とか安全ということばをうたっておる。ところが、今日の米軍の行動は、全部ここから出発しておる。だから、平和ということばは、使いようではどうにもとれる複雑な内容を含んでおります。したがいまして、総理の言うこの平和外交というのが、この韓国や台湾、その他自由陣営に属する諸国との結束を強めて——いま、総理は縮少均衡もあると言われましたが、むしろ力の均衡を拡大して、それをてこにして、相手側の譲歩をかちとろうというんではないか、そういう外交じゃないですか、問題の所在はそこにあると思う。この点ひとつお聞かせください。
この発言だけを見る →佐
佐藤榮作#8
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお尋ねになりました日韓交渉の問題に、直ちに米軍云々を引っぱってこられることは、私はやや迷惑でございます。だから、日韓交渉の問題には、これは軍事的な背景はない、また、軍事的な協力も、お互いに相談したわけではない、その書いた条文からも、そういうのは出てまいりません。したがって、米軍云々の問題は、これは日韓交渉の問題とは全然別個の問題であります。日本とアメリカとの間に日米安保条約のあることは、私が説明するまでもなく、御承知のとおりであります。そうして、日本の安全は、この日米安保条約によって確保されておる、私はかように信じております。また国民も、そういう気持ちでいると思います。日韓交渉と米軍の日米安保条約は、関連のない問題であります。だから、しばらくそれは別の問題だとひとつ御理解をいただきたい。ただ、この機会に世界の大勢、それから申しましていわゆる縮小均衡の方向、力による縮小均衡の方向に努力がされておる、これはいわゆる軍縮であります。また、片一方で、個々の国々が、その安全確保のために、それぞれ積極的に拡大もしている、これはいわゆる核保有というような事例で、これははっきりわかっておると思います。との二律背反の状態が、国際的にただいまの悩みじゃないか、かように私は思います。
そこで、先ほど申されるような、羽生君の御指摘のような、国際的にいわゆる真の平和を確保するためには、武力がないほうがいいのだ、それは、一足飛びにそういうことができないならば、やはり縮小均衡の方向へいかざるを得ない、これがジュネーブにおける軍縮会議であり、また、核兵器の取り扱い方について、核保有国も、非核保有国も一緒になりまして、いろいろ意見を交換しているのが、いまの姿じゃないか、かように私は思います。しかし、申し上げておきますが、日韓交渉とこの問題は、全然別個の問題だと観念的に整理してお答えをしておるのでございます。
この発言だけを見る →そこで、先ほど申されるような、羽生君の御指摘のような、国際的にいわゆる真の平和を確保するためには、武力がないほうがいいのだ、それは、一足飛びにそういうことができないならば、やはり縮小均衡の方向へいかざるを得ない、これがジュネーブにおける軍縮会議であり、また、核兵器の取り扱い方について、核保有国も、非核保有国も一緒になりまして、いろいろ意見を交換しているのが、いまの姿じゃないか、かように私は思います。しかし、申し上げておきますが、日韓交渉とこの問題は、全然別個の問題だと観念的に整理してお答えをしておるのでございます。
羽
羽生三七#9
○羽生三七君 私は、安保条約にある国際の平和と安全ということばを使ったのは、日韓条約にそういうことがあるからと言っておるのじゃないのです。国際の平和と安全ということばの中から、たとえば、米軍の行動なんというのは、これは安保条約の一番基本的なあれになっておるのでしょう。でありますから、事と次第によっては、平和というものがどういうふうにでもとられるということを言っただけで、日韓条約との関連を言っているのじゃない、これは後刻、また申し上げてみます。
ただ、それで私どもは、力の均衡の拡大という場合、一挙に縮小しようというのじゃないのです。そんな極端な議論を吐きません。そんなことは現実の問題としてできるものではない、望ましい姿ではあるが、現実の問題としてできません。だから漸次縮小さしていく、それにはどうしたらいいかということを中心に、私はきょうの論議をしているのであります。これは、経済では、拡大均衡というものは、時と場合によって採用いたします。池田さんお好きであったし、私どもも拡大均衡は、望ましい条件のもとにおいては、一番いい政策だと思う。しかし、外交では、あるいは防衛問題では、これはとるべき姿ではない。その一番いい例は、このベトナム戦争だろうと思う。きょうは先ほど申し上げたとおり、日韓条約を中心にアジアの国際的背景を伺うのが私の任務でありますから、ベトナム問題を伺いますが、ベトナム問題におけるこのアメリカのエスカレーションというものは、世界的な危機、このエスカレーションにならなければ幸いであると私は思っております。このことが心配であるかないかは、だんだんお尋ねしていきたいと思いますが、いまのこの現状では、たとえば日韓条約というものがどういう意味を持っておるか、いまのアジアにおける国際情勢のもとで、日韓条約がどういう意味を持っておるかといいますというと、一体、世界の危機は、どういう地点に発生しておるか、これは総理も御存じのように、まずドイツ問題であります、まず中国問題であります、まずベトナム問題であります。それから、朝鮮問題であります。全部、同一国家が二分されて、分裂国家ができて、民族が二分されて、そこからいわゆる緊張あるいは危機が発生しておる、これが発火点になっておると思います。この二重政権の存在というものが、危機の実は出発点である、発火点である。そういう場合に、いままで私たちは、ドイツ問題あるいは中国問題、あるいはベトナム問題で、いやというほどその貴重な経験というものをくみ取ってきたはずであります。それなのに、また再び、将来非常な困難の予想される、南北朝鮮を二分するこの分裂国家——将来は統一しなければなりませんけれども、その片方とだけ交渉を持って、これが今後の問題、大きな困難を予想されるような事態に発展しないであろうか、杞憂であれば幸いでありますが、この心配あるがゆえに、私どもはいままでの世界における多くの分裂国家から発生する戦争への危険、これを防止する意味においても、日韓条約というものは望ましいものではない、こう判断をいたしております。総理の御見解を伺います。
この発言だけを見る →ただ、それで私どもは、力の均衡の拡大という場合、一挙に縮小しようというのじゃないのです。そんな極端な議論を吐きません。そんなことは現実の問題としてできるものではない、望ましい姿ではあるが、現実の問題としてできません。だから漸次縮小さしていく、それにはどうしたらいいかということを中心に、私はきょうの論議をしているのであります。これは、経済では、拡大均衡というものは、時と場合によって採用いたします。池田さんお好きであったし、私どもも拡大均衡は、望ましい条件のもとにおいては、一番いい政策だと思う。しかし、外交では、あるいは防衛問題では、これはとるべき姿ではない。その一番いい例は、このベトナム戦争だろうと思う。きょうは先ほど申し上げたとおり、日韓条約を中心にアジアの国際的背景を伺うのが私の任務でありますから、ベトナム問題を伺いますが、ベトナム問題におけるこのアメリカのエスカレーションというものは、世界的な危機、このエスカレーションにならなければ幸いであると私は思っております。このことが心配であるかないかは、だんだんお尋ねしていきたいと思いますが、いまのこの現状では、たとえば日韓条約というものがどういう意味を持っておるか、いまのアジアにおける国際情勢のもとで、日韓条約がどういう意味を持っておるかといいますというと、一体、世界の危機は、どういう地点に発生しておるか、これは総理も御存じのように、まずドイツ問題であります、まず中国問題であります、まずベトナム問題であります。それから、朝鮮問題であります。全部、同一国家が二分されて、分裂国家ができて、民族が二分されて、そこからいわゆる緊張あるいは危機が発生しておる、これが発火点になっておると思います。この二重政権の存在というものが、危機の実は出発点である、発火点である。そういう場合に、いままで私たちは、ドイツ問題あるいは中国問題、あるいはベトナム問題で、いやというほどその貴重な経験というものをくみ取ってきたはずであります。それなのに、また再び、将来非常な困難の予想される、南北朝鮮を二分するこの分裂国家——将来は統一しなければなりませんけれども、その片方とだけ交渉を持って、これが今後の問題、大きな困難を予想されるような事態に発展しないであろうか、杞憂であれば幸いでありますが、この心配あるがゆえに、私どもはいままでの世界における多くの分裂国家から発生する戦争への危険、これを防止する意味においても、日韓条約というものは望ましいものではない、こう判断をいたしております。総理の御見解を伺います。
佐
佐藤榮作#10
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま羽生君の御指摘のとおり、一民族が二国家、いわゆる分裂国家をつくっておる、こういうところに問題があるのだと、かように私も思います。これがただいま申し上げる韓国問題あるいは中国問題、ベトナム問題また日本自身も、これは見方ですが、どうも、人の、国民と直結はしないが、そういうような不幸な状態になっておるのじゃないかと思います。前戦争のあと始末がただいまのような不幸な結果を招いておる、これを一体どうしたらいいのか、ここらに一つの悩みがあるのだと思います。まあ、日本の国の問題は、これは領土権の復帰の問題、昔の状態をここに招来する、これはわれわれが皆さま方とともどもに努力する目標でありますので、これは比較的にわかりいい問題であります。しかし、韓国の問題なりあるいは中国の問題なり、ベトナムの問題になると、そう簡単にはいきません。しかし、いまのお話のように、こういう状態があるから、その片方と交渉するなと、こういうことは、戦後二十年たった今日、一切そういう交渉はできないと、先ほどの話で朝夕のあいさつぐらいはできると、こういうお話でございましたが、それ以上進めてはいけないのか、問題はここにあると思います。私どもは、やはり現実を考えるなら、また現実の問題で考えた場合に、国際の社会でどういうような受け入れ方をされておるか、多数の国はどういう見方をしておるか、あまり異を唱えないで、そういう多数の説に従っていくという、そういうのも一つの行き方だと、私は考えております。私は、そういう意味で、ただいま言われるように、二つの国、二つの権威がある、そういう場合の片一方だけとつき合うということは、これはいかんのだと、こう言われますが、それでは、今度は逆に、二つの国、その双方と交渉することは一体どうなるのか、これはいまの状態を恒久化するものだと、かように思います。一民族の一国家、これは悲願だと思うから、そういうものはできなくなる。そういうものをきめるのは、やはり国際社会の通念なんだと、多数の意見なんだと、これが、七十二カ国が南を承認し北を承認しておらない。二十三カ国が北を承認しておる。これは国際的な世論というものがここにきまりつつあるのではないか、きまっておるのではないか、かように考えますと、もう二十年もたった今日、私どもは積極的に南と交渉を持つ、これが当然のことのように思います。もういつまでも、こういうような状況で、その片一方だけと交渉するのはけしからんというようなことで遠慮していくことは、かえって民族の独立をはばむ、そういうことにもなるのじゃないか、かように思います。そのことは、ひいては平和へのつながりから見ましても、あまりけっこうなことじゃない、私はかように思うのであります。
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羽生三七#11
○羽生三七君 私は韓国の現状において問題にしておるのです。これを無視するということじゃない。そんなことは当然のことであります。ただ、時期的に見て、この時期にあえて拙速の方向をとる必要はないということを申し上げておるのでありますが、たとえば、基本条約に引用する国連決議、これは成立してから久しいことであります。国連決議そのものが私は失敗だったと思う。それから長い年月がたっておる。その間に世界は激動しておる。その激動して長い年月を経た今日のこの客観的なアジア情勢を十分把握して、その時点から韓国問題というものを見るべきだと思う。これはあとから申し上げますが、要するに、一口に言えば、総理は韓国という時点から出発された、韓国という部分から。私はそうじゃないと思う。アジア全体の平和の確立の中に韓国をどう位置づけるのか。つまり、アジア全体の平和の中の一部分としての韓国というものをよく判断をして、そこから出発するときにはおのずから違った結論が出てくる。たとえば、北ベトナムをもし日本が承認しておったら、おそらくベトナム問題について有効な発言をする機会を持ったと思います、日本は。その資格を持ち得たでしょう。あるいは中国の片方だけ、台湾政権だけを、これは限定承認みたいなものでありますが、それにしても、そういうことをしなかったならば、今日の中国に対する日本の困難性というものは解消されておったはずです。同じコースをまた韓国において選ぼうとする、これを私は問題にしておる。しかし、私はこの問題はまたあとだんだん詳しく申し上げますから、いま総理の御答弁に対する反論として私は申し上げたわけで、この問題は重ねて御答弁は要りません。
きょうは、したがいまして、だんだんに韓国にも触れますけれども、日韓問題にも。国際情勢全般でありますから、アジアの平和確立に最も重要な関連を持つと思われる中国問題についてお尋ねをいたします。
さきの国連総会において、日本は今回もまた中国問題を重要事項指定とする提案国となりました。私は前内閣時代にもしばしばこの問題について、このことの不当性を指摘したことがございます。これは中国問題が重要であること、これは当然われわれも知っております。おそらく世界的に見ても最重要問題の一つでありましょう、中国問題は。それほど重要問題であります。全然政府の考え方とこの点は違いはございません。違いはどこにあるかといえば、中国問題が重要であるということと、重要事項指定とすることとは本質的に違います。これはもう根本的に違うのです。重要事項である、単なる重要問題であるというならば、討議を幾らでも深めればよろしい。ところが、中国の国連加盟を阻止するための手段として重要事項指定というものを国連の場で使っておる、これはもう明白であります。これは政府自身もそのことを承知でおやりになっておると思う。問題は、このような場合に、私はしばしば前内閣にも警告を発しましたが、なぜ日本があえて共同提案国となる愚をおかすかということであります。ここに問題がある。これは、この問題の本質は複雑でありますから、簡単には言えませんが、しかし一言にして言うならば、重要事項である、重要であるということと重要事項指定とすることとは本質的に違う。しかも、一番隣国である日本、まだ二十年を経て戦後の処理もできてない中国、これとすみやかな国交回復を、たとえいろいろな国際事情があるにしても、最もすみやかにやらなければならない日本が、この国連加入を阻止する共同の提案国となっておる。ここに問題がある。これをどうお考えになりますか。
この発言だけを見る →きょうは、したがいまして、だんだんに韓国にも触れますけれども、日韓問題にも。国際情勢全般でありますから、アジアの平和確立に最も重要な関連を持つと思われる中国問題についてお尋ねをいたします。
さきの国連総会において、日本は今回もまた中国問題を重要事項指定とする提案国となりました。私は前内閣時代にもしばしばこの問題について、このことの不当性を指摘したことがございます。これは中国問題が重要であること、これは当然われわれも知っております。おそらく世界的に見ても最重要問題の一つでありましょう、中国問題は。それほど重要問題であります。全然政府の考え方とこの点は違いはございません。違いはどこにあるかといえば、中国問題が重要であるということと、重要事項指定とすることとは本質的に違います。これはもう根本的に違うのです。重要事項である、単なる重要問題であるというならば、討議を幾らでも深めればよろしい。ところが、中国の国連加盟を阻止するための手段として重要事項指定というものを国連の場で使っておる、これはもう明白であります。これは政府自身もそのことを承知でおやりになっておると思う。問題は、このような場合に、私はしばしば前内閣にも警告を発しましたが、なぜ日本があえて共同提案国となる愚をおかすかということであります。ここに問題がある。これは、この問題の本質は複雑でありますから、簡単には言えませんが、しかし一言にして言うならば、重要事項である、重要であるということと重要事項指定とすることとは本質的に違う。しかも、一番隣国である日本、まだ二十年を経て戦後の処理もできてない中国、これとすみやかな国交回復を、たとえいろいろな国際事情があるにしても、最もすみやかにやらなければならない日本が、この国連加入を阻止する共同の提案国となっておる。ここに問題がある。これをどうお考えになりますか。
佐
佐藤榮作#12
○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんむずかしい問題ですが、ただいま御指摘になりますとおり、簡明にお答えするという場合には、やっぱり重要事項である、そういう意味において、私どもはその隣の国であるこの日本が提案国になることもこれは当然ではないか、私はかように考えております。
この発言だけを見る →羽
羽生三七#13
○羽生三七君 話が、これは私の質問に対するお答えにならぬと思います。重要問題であることは、私は根本的に認識しております。当然であります、これは。それと重要事項指定として中国の国連加盟をはばむ、阻止するその共同提案国に日本があえてその先頭を切っておる、アメリカとともにです。この不当性を私は申し上げておる。
この発言だけを見る →佐
佐藤榮作#14
○国務大臣(佐藤榮作君) いや、ただいま申し上げますように、重要事項だから日本がその提案国になった。これは隣にいる国である、これも御指摘のとおりであります。こういう大事な事柄について、日本自身が隣だというだけに、それだけに非常に鋭敏に感じているのだと、だから重要事項の提案国になる、これは当然のことだと、かように申し上げておるのであります。
この発言だけを見る →羽
羽生三七#15
○羽生三七君 それでは総理の先ほど来言われておるのと違うのですよ。韓国をお隣の国として仲よくする、漸次これを他の諸国に及ぼしていくというのでしょう。均衡は縮小するといわれる。ところが、これは均衡の拡大につながるのじゃないですか。
この発言だけを見る →佐
佐藤榮作#16
○国務大臣(佐藤榮作君) 実は私は別に矛盾しているとは思いません。こういう重大な事項については、やっぱり国際的に慎重にきめられるのが当然だ。それは提案国にならぬでもいいじゃないか、かような点に集中していると思いますが、私は隣の国で重要問題だと、このことを考えておる以上、やっぱり提案国になるのはあたりまえじゃないか、これを隠しておくことこそおかしくないか、かように私は思います。
この発言だけを見る →羽
羽生三七#17
○羽生三七君 その辺は根本的な考え方の、先ほど来ずっと述べてきた根本的な考え方の違いがそこにある。私は全然イデオロギーを抜きにしております。たとえば、中国の政治体制あるいは政治姿勢、そういうこととか、アメリカのいまのとっている政策とか、そういうこととは、いまこの時点で御質問していることとは全然別個であります。全然別個に、客観的に見て、たとえば、これはあとからお尋ねしようと思っておりましたが、この機会に申し上げますけれども、台湾に対してはいろいろな恩義がある、終戦時に蒋総統からいろいろな便宜を与えてもらったという、そういう恩義もあるし、条約を結んでおるという一つの義務もある。しかし、迷惑をかけたのは中国本土におる七億の人民大衆であります。それが問題なんです。それとの国交回復も考えないで、考えないどころか、それを阻止するための重要事項指定の当事国となる、しかも提案国となる、それは愚かなる政策ではないかと私は申し上げておる。なぜそんなことをやらなければならないのか。やりたい国があるならば、それはやむを得ないでしょう。あえて日本がその役割りを果たすことはないのじゃないか、これを申し上げておるわけです。
この発言だけを見る →佐
佐藤榮作#18
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま言われるように、日本は、なるべくこういう問題では外に立ったほうがいいではないか、こういうお話のようでありますが、私は、これは重要事項であることは、だれが見てもそうだ。こういうことならば、やはり重要事項として日本もこれを取り扱うのだ、取り扱うのだが、提案国になるのはよけいだと、こういうことは、隣の国であるだけに、提案国になるのは率直でいいんじゃないですか。日本の国としては、そういうような扱い方で、国際的の大多数の意見はどうなのか、多数の意見、三分の二以上の意見がどうなのか、こういうことは、ぜひ日本として知りたいことじゃないですか。ましてや、ただいま御指摘になりましたように、国民政府と北京政府との関係がなかなかむずかしい状態にある、私はしばしばこの席で申しますように、いずれもが中国代表権を主張している。中国は一つだ、これは発言のしかたによっては、二つの中国に賛成する日本と、かような非難まで受ける。ここでやっぱり理論的にこういうことははっきりさしておかないと、損得の問題で問題を考えるわけにいかない、基本的な態度だと、私はかように思います。だから提案国になること自身が、ただいま言われるように、あるいは損得から見まして、あるいは非常な誤解を受けるというようなことであるかもわかりませんけれども、私は、それこそやっぱり主張が徹底していて、はっきりしていていいんじゃないか、かように思います。
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森元治郎#19
○森元治郎君 関連。羽生さんの言うのは、こういうことが頭にあってお尋ねになっておると思うのです。それは衆議院の段階で椎名外務大臣が、この国連憲章による重要事項の指定というのは、簡単にいえば中国を入れないためだ、国連に加盟させないための条項であると、まことに明快に自民党の伝統的政策を明らかにしたと思うのです。どこに重要事項のポイントがあるかというと、三分の二という数の問題ですね。三分の二というものは、この重要事項の中でまた大事な問題です。憲章の中で大事なのは三分の二、三分の二の数でいくならば押えられる、ここが重点なんであります。そうして重要事項だから慎重に審議しなければならない、こう言います。そうならば、一体いかなることを審議をされたか、どの会合で、特別委員会ができて、そうして中国加盟問題を特に取り上げて慎重に検討したのですか。そういうことを国連でいつだれがやったことがあるのですか、従来は、ただこれは総会で否決をされてしまうと、それでほっとしているだけで、何もやっていない。すなわち、この条項は入れないためだと、こういうふうに解釈するのですが、大臣の御見解を伺います。
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椎名悦三郎#20
○国務大臣(椎名悦三郎君) いま、私のかつての答弁に関連してお話がございましたわけですが、今回の中国問題について、ただ投票が行なわれただけで、一つも審議とか論議がかわされていないじゃないかというお話でございますが、これは第一委員会、いわゆる政治問題を取り扱う第一委員会というのがございますが、その委員会において非常に熱心にこの問題が討議されており、ただ総会においては投票行為があっただけだ、こういうことでございますから、どうぞ誤解のないように願います。
それから私は、重要事項指定方式は、結局それ自身に意味があるのではない。大多数の国際世論というものを背景にしてこの中国の問題を処理することが正しいやり方である。いわばこれを適用することによって、簡単に中共の代表権を認めるということをはばんでおる。簡単にやることを、三分の二の大多数の国際世論を背景にしてかような問題はきめられるべきものであるということを、私はそういう意味を含めて、そういう含蓄を持って私は述べたということを御了解願いたいと思います。
この発言だけを見る →それから私は、重要事項指定方式は、結局それ自身に意味があるのではない。大多数の国際世論というものを背景にしてこの中国の問題を処理することが正しいやり方である。いわばこれを適用することによって、簡単に中共の代表権を認めるということをはばんでおる。簡単にやることを、三分の二の大多数の国際世論を背景にしてかような問題はきめられるべきものであるということを、私はそういう意味を含めて、そういう含蓄を持って私は述べたということを御了解願いたいと思います。
横
横川正市#21
○横川正市君 まず私は総理の答弁の態度です。あなたはそのイデオロギーにとらわれない、あるいはイデオロギーにとらわれているのは社会党、社会党がこの質問する態度としてイデオロギーにとらわれ過ぎているような、もののとらえ方で答弁されているということは、私は逆じゃないかと思う。あなたの答弁のほうがきわめてイデオロギー的で、それにとらわれ過ぎて答弁されておるんじゃないかと思う。これが一点目としてお聞きしたい。
二点目は、池田さんが、日本は大国だというふうにたびたび発言されている。ところが副総理の川島さんは、日本はみずから守る手段もない弱小国で、国際紛争に介入するだけの力がない、そういう思い上がったことはできないと、たびたび発言されている。一体総理としては、日本の今日のアジアにおける地位をどう考えておられるのか。
それから第三点目は、今度の条約の中にも、南朝鮮とは、多数の朝鮮人が居住をしている地域と、これと友好関係を結ぶという基本があるようです。少数の北朝鮮と多数の韓国との人口比は、二千三百万、あるいはこれはちょっと違うかもわかりませんが、北鮮は千二、三百万という数です。ところが、実際に今日問題になっております中国は七億の人口をかかえて、台湾は二千万といわれている。一体いずれとどういう形で友好関係を結ぶかということは、そのとっている、いわゆるケース・バス・ケースといいますか、によってきわめてイデオロギー的にものを判断しているんじゃないかと私は思うのでありますけれども、この三点について関連して質問をいたします。
この発言だけを見る →二点目は、池田さんが、日本は大国だというふうにたびたび発言されている。ところが副総理の川島さんは、日本はみずから守る手段もない弱小国で、国際紛争に介入するだけの力がない、そういう思い上がったことはできないと、たびたび発言されている。一体総理としては、日本の今日のアジアにおける地位をどう考えておられるのか。
それから第三点目は、今度の条約の中にも、南朝鮮とは、多数の朝鮮人が居住をしている地域と、これと友好関係を結ぶという基本があるようです。少数の北朝鮮と多数の韓国との人口比は、二千三百万、あるいはこれはちょっと違うかもわかりませんが、北鮮は千二、三百万という数です。ところが、実際に今日問題になっております中国は七億の人口をかかえて、台湾は二千万といわれている。一体いずれとどういう形で友好関係を結ぶかということは、そのとっている、いわゆるケース・バス・ケースといいますか、によってきわめてイデオロギー的にものを判断しているんじゃないかと私は思うのでありますけれども、この三点について関連して質問をいたします。
佐
佐藤榮作#22
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は私の所信をまじめにお答えしているだけであります。ただいまお話がありますように、イデオロギー論争に終始しているつもりはございません。これだけは誤解のないようにお願いいたします。まじめに私はお答えをしているわけでございます。
その次に、日本は大国なのか小国なのか、こういうお話でございますが、これはいろいろ見方もありましょうし、また発言内容によりまして、いろいろの言い方があろうと思いますが、私は、今日言えることは、経済的あるいは技術的に東南アジア諸地域に対しまして援助する、また積極的に後援する、そういうことはやり得る、それだけの力を持っておる、かように思います。また、日本が、工業先進国の五つあるその一つであることも、このことは私から多くを言うまでもないところであります。したがいまして、人によりまして、あるいは大国だという表現も適当だろうし、またその他の表現も、それぞれの立場でやはり表現されるんだ、かように思います。国民に対して十分の自信を持たす、また前進さす、こういう意味におきましてのいわゆる大国的な態度というものは、これもわかり得る、かように私は思っております。
次に、中国の問題について、人口の問題でいろいろ韓国と比較してお話しになっております。中国を承認するのが当然ではないか、数の多いほうで韓国——南朝鮮を承認するその考え方ならば、中国の問題もそれと同じように処理すべきではないか、この御議論でございますが、この御議論は、私は、中国問題が今日そう簡単に人口だけで割り切れるものならば、しごく簡単でけっこうでありますが、国連もそういうような決議をし得ないところにこの中国問題の悩みがある、かように私は思います。
この発言だけを見る →その次に、日本は大国なのか小国なのか、こういうお話でございますが、これはいろいろ見方もありましょうし、また発言内容によりまして、いろいろの言い方があろうと思いますが、私は、今日言えることは、経済的あるいは技術的に東南アジア諸地域に対しまして援助する、また積極的に後援する、そういうことはやり得る、それだけの力を持っておる、かように思います。また、日本が、工業先進国の五つあるその一つであることも、このことは私から多くを言うまでもないところであります。したがいまして、人によりまして、あるいは大国だという表現も適当だろうし、またその他の表現も、それぞれの立場でやはり表現されるんだ、かように思います。国民に対して十分の自信を持たす、また前進さす、こういう意味におきましてのいわゆる大国的な態度というものは、これもわかり得る、かように私は思っております。
次に、中国の問題について、人口の問題でいろいろ韓国と比較してお話しになっております。中国を承認するのが当然ではないか、数の多いほうで韓国——南朝鮮を承認するその考え方ならば、中国の問題もそれと同じように処理すべきではないか、この御議論でございますが、この御議論は、私は、中国問題が今日そう簡単に人口だけで割り切れるものならば、しごく簡単でけっこうでありますが、国連もそういうような決議をし得ないところにこの中国問題の悩みがある、かように私は思います。
羽
羽生三七#23
○羽生三七君 問題は、中華民国台湾と条約関係にあるということが困難な事実になっておる、これはわれわれ承知しております。しかし、それからもう十数年の年月が経過している。ちょうど韓国における国連決議の引用が、十数年たって今日失敗とわかったと同様であります。したがって今日、日本が台湾との関係よりも、より高い比重——これはアジア全体の平和という立場からこの位置づけをしていかないと、より高い比重をアジア全体の平和に置かないと、問題の解決にならぬではないか。義理人情もわからぬわけじゃございません。きのう亀田君から情理——情と理の問題のお話がありましたが、同じことだろうと思う。要するにこのアジア情勢の中で、どうしてこの中国——アジアの平和を確保するという立場で、どうしてこれを実現するかという場合に、中国問題が一番大きな問題になってくる。特に中国本土であります。したがって、そういう高い次元でこの問題を把握しないと、台湾という部分だけ、問題がある、確かに。あるが、それにもかかわらず、より高い次元で中国そのものを見直す。韓国だって私は同様だと思います。韓国という部分から出発すべきではなく、アジア全体の平和の確保という中で朝鮮全体を見るという、そういう立場の把握をしないと、断じて問題の解決にはならぬ、こう考えるので、その意味でいろいろなむずかしい条件があることは、私も万々承知しておりますけれども、しかしここらで踏み切って、中国国連加入問題等、一連の問題に決着をつける時期が来ておるのではないか。おそ過ぎると思いますけれども、いまからでもおそくはない——来ておるのではないか、こう考えるんですが、いかがですか。
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佐藤榮作#24
○国務大臣(佐藤榮作君) 朝鮮問題と中国問題とを関連されてお話が出ておりますが、これはできるだけ分離する形でお答えしておると御了承いただきたいと思います。
私は、まず中国の場合に、ただいま言われる国府との関係におきまして条約的な権利義務がある、これもわかっておると言われるし、また国府自身が国連の安保常任理事国であるということも御承知だと思いますが、たいへんむずかしい問題が幾つもあるわけです。そういう場合に、こういうふうな問題を克服して、そうして中共の問題が解決されると、こういうことは、何よりも第一に中共自身が各国に祝福されて、そうして交際を持つ、こういうような態度が一番望ましいのではないか、かように私は思います。こういう事柄も結局申し上げないと、はっきりしないんだと思いますが、たとえば隣国ソ連、これは平和共存をはっきり言っております。いわゆる東西対立の緩和の方向に努力をしておる。しかし、最近の中共、これはきわめて最近は別でありますが、公式的な発表は、ただいま申し上げるような点におきまして、いわゆる平和共存路線をたどっておらない。こういうところも、私は別に非難するわけじゃありませんが、ただいまのような国際世論が、中共を祝福して国連に加盟さす、こういうところの状態まで持ち上がっておらない。かように私は思うのであります。これは隣国のためにたいへん残念に私は思っております。
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羽
羽生三七#25
○羽生三七君 実は前池田内閣も、あれは大平外相だと思いますが、やはり国連で、祝福された状態のもとにおいて中国が国連で承認されるならば、日本も喜んでこれを迎えると、こう言われたこともあります。いまもほぼそれに近いことを総理も言われました。問題は、確かに中国の最近の政治姿勢も私よく承知しております。それから、国連加入の場合には、将来明確なひとつ何といいますか、問題点を指摘して、それを要求しておる。しかし、それは別の問題であります。むしろそういう高姿勢だから云々でなしに、それが平和共存の路線になるためにも、むしろ国際社会の一員に迎えたほうがいいのではないか。このことを言うので、これはまたあとから申し上げますが、その立場で、根本的にかなり違いがあるように思いますけれども、それはとにかく、そうすると、この前の大平さんのときにもあれしたのですが、祝福された条件というのはどういうことでしょう。
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佐藤榮作#26
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、いわゆる祝福、まあみんなが喜んで迎える、こういうことだと思います。私はそういう意味で最近の問題を、とにかく中共政府自身も、彼らみずからもやっぱり積極的に加入するような方向で努力されるということが必要じゃないかと、かように私は思います。
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羽生三七#27
○羽生三七君 それではまあ来年のことを言うのは早過ぎますが、たとえば来年の国連総会では、日本はどういうふうに臨んだらいいと思いになりますか。早過ぎると、今国連総会も終わった際に、いま来年のことをかれこれ言えないと思いますが、もう賛否ほぼ同数に近くなっておる。大勢はだんだんきまりかけてきておる。そうすると、日本の政治は、外交は国際情勢待ち、世界の情勢がきまったら、あとからくっついていきましょう。こういうことじゃないのですか。日本の意思というものは、たとえば来年のことにしても、今後は世界の大勢がほぼ、漸次決着点に近づきつつある。この時点において、日本外交はいかなる姿勢をとろうとするのか、お伺いいたします。
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佐藤榮作#28
○国務大臣(佐藤榮作君) 羽生君はたいへん理解のあるお話で、来年のことだと、いま、ことしがようやく済んだばかりだと、そのときに聞くのはやや早いかもわからぬと言われることは、国際の問題は確かに早い、一般の世事でも、来年のことを言うと鬼が笑うと言いますけれども、とにかくいま動きつつあるアジア、そういう観点に立って、またその力でもある日本と、これを動かす、あるいは動く中のその一つだと、こういう立場でございますから、ただいまから云々することはいかがかと思います。しかし、私はいまのような状態がいつまでも続くことも、これはいい状態ではないと思います。これはできるだけお互いがつき合いもできるように、仲よくできるような中で解決されたいと思うと、私はいつの時代でも申し上げておりますが、どの国とも仲よくしていきたいのだということを申し上げております。しかし、それにはお互いに独立を尊重され、内政に不干渉だということが、もう絶対に必要だと、かように申しております。しかし、この場合は、なお、非常に問題なのは、この国府の関係と、それから北京政府との関係、それが簡単に国連から国府を追い出して、そうして、代表権を北京政府に与えろ、こういう考え方もありますし、また、その代表権は別の処置で、そうして、これは二つの国があってもいいじゃないのか、こういうのも国連の中に意見があるようでございます。こういう点が、いまだ国府と北京政府と相互の間に解決されておらない問題だ、かように思います。こういう事柄も含めてすべてを、その動向を、動きつつあるアジアのそれが、ただいま申し上げたように、われわれが希望するような平和な形においてすべてのものが解決していく、こういうことが望ましいのではないか。こういうことになれば、いわゆることばは非常に抽象的で、わかったようなわからないようなことばですが、国際的に祝福されて中共北京政府が迎えられる、こういう事態になるんじゃないか、かように私は思うのであります。
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羽生三七#29
○羽生三七君 官房長官に関係のあることでお伺いしようと思いますが、何か退席されるようでありますけれども、これは総理からお答えいただいてけっこうであります。その次になりますから、ちょっと暫時はよろしいです。その次になりますから……。
総理は十月二十五日の外人記者クラブにおける演説で、日韓国交の正常化こそ、将来朝鮮民族の平和的統一の基礎となると確信していると、こう述べられております。これはつまり北鮮とも国交を回復して、南北朝鮮が統一するその基礎づくりのために、とりあえずまず韓国から手をつける、こういうことを意味しているのですか。
この発言だけを見る →総理は十月二十五日の外人記者クラブにおける演説で、日韓国交の正常化こそ、将来朝鮮民族の平和的統一の基礎となると確信していると、こう述べられております。これはつまり北鮮とも国交を回復して、南北朝鮮が統一するその基礎づくりのために、とりあえずまず韓国から手をつける、こういうことを意味しているのですか。