羽生三七の発言 (日韓条約等特別委員会)
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○羽生三七君 私は、安保条約にある国際の平和と安全ということばを使ったのは、日韓条約にそういうことがあるからと言っておるのじゃないのです。国際の平和と安全ということばの中から、たとえば、米軍の行動なんというのは、これは安保条約の一番基本的なあれになっておるのでしょう。でありますから、事と次第によっては、平和というものがどういうふうにでもとられるということを言っただけで、日韓条約との関連を言っているのじゃない、これは後刻、また申し上げてみます。
ただ、それで私どもは、力の均衡の拡大という場合、一挙に縮小しようというのじゃないのです。そんな極端な議論を吐きません。そんなことは現実の問題としてできるものではない、望ましい姿ではあるが、現実の問題としてできません。だから漸次縮小さしていく、それにはどうしたらいいかということを中心に、私はきょうの論議をしているのであります。これは、経済では、拡大均衡というものは、時と場合によって採用いたします。池田さんお好きであったし、私どもも拡大均衡は、望ましい条件のもとにおいては、一番いい政策だと思う。しかし、外交では、あるいは防衛問題では、これはとるべき姿ではない。その一番いい例は、このベトナム戦争だろうと思う。きょうは先ほど申し上げたとおり、日韓条約を中心にアジアの国際的背景を伺うのが私の任務でありますから、ベトナム問題を伺いますが、ベトナム問題におけるこのアメリカのエスカレーションというものは、世界的な危機、このエスカレーションにならなければ幸いであると私は思っております。このことが心配であるかないかは、だんだんお尋ねしていきたいと思いますが、いまのこの現状では、たとえば日韓条約というものがどういう意味を持っておるか、いまのアジアにおける国際情勢のもとで、日韓条約がどういう意味を持っておるかといいますというと、一体、世界の危機は、どういう地点に発生しておるか、これは総理も御存じのように、まずドイツ問題であります、まず中国問題であります、まずベトナム問題であります。それから、朝鮮問題であります。全部、同一国家が二分されて、分裂国家ができて、民族が二分されて、そこからいわゆる緊張あるいは危機が発生しておる、これが発火点になっておると思います。この二重政権の存在というものが、危機の実は出発点である、発火点である。そういう場合に、いままで私たちは、ドイツ問題あるいは中国問題、あるいはベトナム問題で、いやというほどその貴重な経験というものをくみ取ってきたはずであります。それなのに、また再び、将来非常な困難の予想される、南北朝鮮を二分するこの分裂国家——将来は統一しなければなりませんけれども、その片方とだけ交渉を持って、これが今後の問題、大きな困難を予想されるような事態に発展しないであろうか、杞憂であれば幸いでありますが、この心配あるがゆえに、私どもはいままでの世界における多くの分裂国家から発生する戦争への危険、これを防止する意味においても、日韓条約というものは望ましいものではない、こう判断をいたしております。総理の御見解を伺います。